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第二章_二

煌良(キララ)(リョウ)達が見えなくなるまで手を大きく振り続け、それに応えるように怜達も手を振り続けた。


数時間馬車が走り続けた後、木々に囲まれた道から抜けると遠くに巨大な都市が見える開けた道へ出た。


煌良は石造りの建物が並ぶ巨大な都市を幌馬車の隙間から見つけると、幌から顔を出し並ぶ建物を指さしながら御者に声をかける。

煌良「御者さん!あの場所が今回の目的地ですか?」

御者「あぁ、あそこが目的地の都市…テアロンだ。」

煌良「へえ〜テアロンっていうんだ。ねぇ御者さん私テアロンに少しの間だけ居ようと思うんだけどいい観光スポットとかありますか?」

煌良は魔術協会に向かう馬車が来るまでの暇つぶしを探す為、御者に尋ねる。

御者「この都市は劇が有名でね、都市の中央に大きい劇場があるんだよ。観光名所をお探しならそこに行くといい。」

煌良「劇!私劇って見た事無いの!せっかくだから見てみようかなぁ〜。」

演劇と言う言葉に目を輝かせて興奮する煌良。

それを尻目に御者は初々しくはしゃぐ箱入り娘の様な煌良を見てとても穏やかな笑顔を浮かべていた。


御者「そろそろ着くよ、降りる準備をしておいてくれ。」

煌良「はい!準備しておきますね。」

そう言い、煌良は馬車に戻って降りる為の準備を始める。

そうしている内に、テアロンに到着して御者から馬車に声がかかった。


御者「皆さん、着きましたよ〜。」

馬車が完全に停止して御者が降りる為の踏み台を設置した。

煌良「御者さん、ありがとうございました!おすすめしてくれた劇場にも行ってみます。」

煌良は馬車から降りて御者にお代を渡す。

御者「はい、お代は確かに。劇を楽しんできてね。」

煌良は軽くお辞儀をして馬車乗り場の近くにあった看板に貼ってある魔術協会へと向かう馬車の時間を確認してからテアロンに入っていった。


煌良(魔術協会への馬車は明日の十二時か、今は午後の二時。だいぶ時間があるし宿を取ってから劇でも見に行こうかな。)


煌良は最寄りの宿を取り、都市の中心部にある劇場へと向かった。


煌良(ここが劇場、ものすごく綺麗で豪華な立派な建物。)


そこには城と見紛う程の大きい建物。その建物に出入りする大量の人達。


外の受付で一番人気と評判のチケットを買い中に入った。


中に入ると中央にある円形の舞台スペースとそれを囲む様にある客席が視界に映る。


既に数百程度の人が着席しており、入口からはまだまだ人が入ってくる。


席に座り、しばらく待っていると…

場内が暗くなり始め、舞台に光が当たる。

舞台上の少女に光が集まり、劇が始まった。


その劇はどんな所にもある様な騎士道物語だった。

騎士が悪逆の限りを尽くす邪龍を間一髪で倒し、最後には財宝を得て幸せに暮らすというありふれてはいるがとてもいい物語だった。


劇が終わり、観客達の惜しみない拍手が劇場内に響く。


煌良は劇を見終え、少し痺れた足を使って劇場を後にした。


煌良(いいな劇だったなぁ。)

劇場の近くの広場で物思いに耽っていると、仮面をつけた幼い十三歳くらいの少女が話しかけてきた。

仮面をつけた少女「ねぇ、お姉ちゃん。」

煌良「ん、なぁに?」(この仮面、さっき劇場の近くで売ってたやつかな?)

仮面をつけた少女「さっきの劇はどうだった?」

仮面をつけた少女は甘ったるい声と仮面からちらりと見える嬉しさを抑えきれないかの様な目で質問した。

煌良「とってもいい劇だと思うよ。私は劇を見るのは初めてだけど、初めての劇がこの劇で良かったって思うくらいには気に入っちゃったかな。」

仮面をつけた少女「うん、そうだよね!私も見たんだよ、やっぱり物語はハッピーエンドがいいね。騎士様もかっこよかったし!お姉ちゃんもこの劇を気に入ってくれて良かったよ。」

少女が話し終え、背を向け歩き出した時に仮面が落ち、からんと音が鳴った。

少女は落ちた仮面に目もくれずに歩き続ける。

煌良が落ちた仮面を拾おうとしゃがんで手を伸ばして仮面を拾い、少女に渡そうと顔をあげる。

煌良「あれ?どこいったんだろ。」

少女を見失い、辺りをキョロキョロと見渡す。

煌良(どうしよ、この仮面。)

辺りをもうしばらく探した後、近くに居た警備員に事情を説明して仮面を渡してその場を離れた。


その後、煌良は劇場を離れて市場で消耗品や保存食を補充してから宿に戻って眠りについた。


この作品を読んでくださり、ありがとうございます。

至らない点も多いと思いますが、温かく見守っていただけると嬉しいです。

感想やレビュー、評価などをいただけたらとても励みになります!

更新は不定期になりますが、これからも読んでいただけたら嬉しいです。


次の話もぜひお楽しみに!

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