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歓迎会(Ⅰ)

こんにちは。ここなっつです。

熱から復帰して書きました。遅れて申し訳ございません。

これからは1日1投稿を目指して書きます。

がんばりまうす。よろしくお願いしまっする。

「…ここか。」


僕は事前にメールで来ていた部屋の前までたどり着く。

組織のトレードマークである赤頭巾の女の子が鏡映しに彫られた重々しい扉の横には大きな文字で

「新入生歓迎」と書かれた看板が置いてある。

周りには美しい花束を抱えたフラスタが置かれ隊の歓迎ムードがうかがえる。


扉をゆっくりと空け中にはいる。

一気に騒がしい音が耳に入り、僕は少し気圧されながら一歩目を踏み入れた。

僕の服装は隊の正装であるスーツに隊員の印である赤頭巾のバッジを襟につけている。

他の隊員も大体似たようなものだ。

髪型はいつもと同じ黒のセンター分け。

面倒なのが嫌いなので時間もそれほどかからないしいつもこれで生活している。


見ると、先輩後輩関係なく歓談しているようだ。

まだ始まるまで10分ほどあるし本当に交流会なのだろう。


「お、君は郡山君かな?」

突然声をかけられた。


振り向くと、40歳くらいの垂れ目の穏やかな表情をした人物が立っていた。顎にはひげがたくわえられ、ベテランの風格を感じる。


「はい、そうですけど…」


「早乙女大隊所属足利中隊長だ。これからよろしくな。」


「足利中隊長でしたか。これからお世話になります。」

僕は営業スマイルでとりあえず頭を下げておく。

この人も一応[ロロ]を見た内の1人なのか。 


「君のことは15年たっても忘れられなかったよ。…15年間、頑張ったんだね。訓練隊第4席は大したもんだよ。僕なんて中の中だったからなぁ。ハハハ。」


でも実際、今彼は中隊長だ。ほかの同期よりはるかに出世している。これも[ロロ]との対峙が関わっているに違いない。


「その点、秋大隊長は優秀な御方だ。大隊長についていけば君はきっとその才能をいかんなく発揮できるよ。」


(はぁ…。どいつもこいつも大隊長盛り上げ役かよ。

もうさっきので大隊長に頼るのは諦めてんだよ…。)


とりあえず作り笑顔で取り繕って、

「はい、これからよろしくお願いします!」

とだけ言っておく。


(まぁこれからは単独で調査するかそれとももっとやる気のある大隊に協力させてもらうおうかな…)


「あ、それと郡山君。」


「?」


「このあと、期待してるよ。」 


(…?)


低めた小声でそれだけ言って足利中隊長は他の隊員のほうへ行ってしまった。


______________


しばらくそのあたりを歩き、今でも飲めるドリンクを注いで飲んだりしていると、1人が近寄ってきた。


「あら、郡山じゃない。アンタみたいな捻くれたやつはどの隊も拾ってくれないと思ってたわ。」


「チッ。出やがったな第3席様よぉ…」


そこに立っていたのは千堂優奈。僕の同期で座学が優秀だったおかげで第3席での卒業となった。

ハーフツインの茶髪に少しつり目の気が強そうな目。

訓練時代からの腐れ縁のようなもので何かと意地を張るから面倒なんだが。


「アンタみたいなゴリラもこの世界じゃ通用しないわよ?ほら、土方大隊長みたいな人に比べたらあなたじゃ霞むわ。」


「それはお前も同じだろ。軍師なんてオマケみたいなものだし個人個人で戦況をみて判断すれば…」


「判断とか特攻兵では聞かない言葉ね。」


「うるせぇな…3席のくせにイキんなよ次席と首席に座学負けてるくせに…」


「んなぁ!?アンタ身体能力トップだからって…!しかも4席が生意気ね…!」


「おいおいその辺にしとけ。ほら、もう歓迎会が始まるぞ。」


そばにいた隊員に咎められ、僕と千堂はふいっと顔を背ける。

光に照らされ、出てくる司会者は…


(あれっ。中隊長―?)


足利中隊長だった。

あの人、そういうキャラじゃないと思ったけど司会とかやる人だったんだ。


拍手と共に中隊長が歩み出てきてマイクをスタンドから外しスイッチを入れる。


「あーあー皆さんごきげんよう。こうして集まるのも久しぶりですね。この会が一番生を感じますからねぇ…さて、今年もこの時期がやってきました。新入生歓迎会!!!!」


僕はここは拍手をするタイミングだと思って拍手をしたが、違和感を感じ、すぐに止めた。

拍手したのは、新入生だけだった。


(ん?)


隣でみていた千堂も何か感じ取って手を止めている。

周りの先輩隊員は皆笑っているのか無表情なのか分からない顔でまだ足利中隊長を見続けている。


そして、マイクを一段と強く握りしめながら満面の笑みで中隊長は告げた。


「―という名の……!!


新入生実力試験(コロシアム)ッッッッ〜ッ!!」



(はぁぁぁぁ!?)


「さぁ新入生ども!さっさと位置につけぇ!!!」


足利中隊長の今後聞くことはないであろうレベルのテンションの上がった怒号が飛ぶ。

こうして、よくわからん大歓声に包まれながら僕はいきなり体育をする羽目になったのだ。

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