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ダブり  作者: 中西 ユウ
2/5

1限目A

俺は、3回目の1年生。

だから段取りはバッチリだ。


今日はクラスの役割を決める日だ。

本当この役割には意味があるのだろうか?

いつもの様に窓の外を見ながら話を聞いていた。


モトキタは

「はい、今日はクラスの役員を決めます。

        会長1名、副会長1名、、、、」

と、役職とその役割を説明していた。


意外にも立候補や指名で順調に決まっていたが

モトキタがでしゃばってきた。


「はい、じゃー会長はコニシくんで」


「はぁ??」


俺は

「無理、無理、無理」

と手を横に振りながら拒否をした。


モトキタは、

「では、反対の人は挙手を」

と言うと、

誰も手を上げなかった。


当たり前だ、

クラスの奴らは俺がダブりだって事は

多分気付いてると思う。

なんせまだ馴染んでもいないこの空間で

手を上げる奴なんてそうは居ないだろう。

モトキタは、それを分かって逆をついたのだ。

俺の顔を見て「ニコッ」と笑う。


俺は思った。

こんな女は彼女にしたくないって。


「じゃークラス役員はこれで決まりです

       みんなよろしくね。はい、拍手」


お陰様でこのクラスの会長になった俺だった。


拍手の中、副会長のナカタ リョウが

「よろしくね」

と声をかけてきた。

「こちらこそ」

と俺は返した。


まだ、幼く感じるが可愛い顔をした女の子だ。

これから会長、副会長で

「◯◯◯様を告らせたい」

みたいなストーリーが始まるのではないかと

思わせる幕開けだ。

俺は会長をする事にした。


会長の仕事はと言うと、まず授業の始まりに

「規律、礼、着席」

授業の終わりに

「規律、礼、着席」

これに何の意味があるのかは知らないが

これが当たり前の世の中だ。

もう少し慣れたら、

「規律、礼、チャック全開」みたいな

小ボケでも入れてみようと思う。

お昼の喜劇みたいに、

だれかコケてくれるだろうか?


そんな事はどうでもいい。


クラスの会長なんてそんなもんさ。

黒板消しは?って、それは日直。

ゴミ捨ては?それも日直。

教室掃除は?それは掃除当番と日直。

おい、日直が一番忙しいじゃねぇか。


それに比べて、

副会長は?と言うと、全くなにもない。

何もなさすぎて逆に申し訳ないくらいだ。

なんなんだ?副会長って。

組織でもそうだ。社長はすごい。

だが副社長ってなんだ?いつも何してる?

本当に「副」って必要なのか?


それから、少し時が経ち

クラスにも少し慣れた頃、モトキタに呼ばれた。

何かバレたか??と内心ドキドキしていた。


職員室に入る。

無駄に他の先生たちが俺に絡んで来る中


「あっ、コニシくん。ごめんねっ、忙しいのに」

と、モトキタが俺を呼ぶ。

そこには副会長の姿もあった。


モトキタは、俺達に話始めた。

「実は、始業式から1人来てない生徒がいるの

私も週に2日帰りにプリントや授業の内容を届けてるんだけど、先生の母親が怪我しちゃって。。

ちょっとの間実家の事しないといけなくなったの

だから、君達2人にお願いできないかな??」


俺は直感的に思った。

これは面倒臭い事になりそうだ。


そう言えば1人まだ来てない奴が居た。


俺は、断った。

なんせ、義務教育でもないので別に来ないなら

辞めればいいし、プリントなんてメールで

いいんじゃないかって時代だ。


「わかりました。2人で行きます」

副会長がでしゃばった。


おいおい今はでしゃばるところではないぞ。

普段何も役割が無いせいかここに来て出てきた。


「ねっ、会長」

と副会長が言った。

「はぁ〜?」

「勝手に決めるな、俺も暇じゃないんだ。

     悪いが行くならお前1人で行ってこい」

「ってか会長って呼ぶな。」

と、俺が拒否すると、

それを聞いていた国語教師が俺達の会話に

入ってきた。

「コニシ、お前行ってやれ!モトキタ先生を助けてやれ、そしてその任務をクリアしたあかつきには、国語の成績を合格にしてやる」


「マジか?」

情けないが、その条件にすぐ飛びついた。


モトキタが、

「先生、それはダメですよぉ。

    持って行くだけで点数を上げるなんて。他の生徒たちに知れたらどうするんですか?」


すると国語教師が、

「モトキタ先生が困ってるのなら男として助けるのは当たり前です!!

でも、、、、

自分担任でもないので代わりに行く事は

出来ません。

なら、この様な形で先生のお力になれるのなら

容易い事です。」

何をいい歳こいてデレデレしてんだ。

気持ち悪いおっさんだ。

あっそう言う事か?

下心丸見えのおっさんの顔を見て俺は言った。


「約束だぞ!」


おっさんは言った。

「勿論。男に二言はない。

 エトウを登校させる事ができた際には

            お前の国語は合格だ」

「はぁ?登校?話が違うぞ」

「モトキタが行けない間にプリント届ける

            だけじゃないのかよ?

 なぁ?言ったよな?」


「モトキタじゃなくて、モトキタ先生」

と、モトキタが言った。

すると被せるかのようにおっさんが言った。

「誰もそんな事は言ってないぞ。

俺はモトキタ先生を助けてやれって言ったんだ。教師にとって不登校の生徒を抱えるってどれだけ辛い事か、お前にわかるか?」

「知るかんなもん!

来たくねぇ〜もんは仕方ないだろ!」


それは、あんたら教師の仕事だろ!?

俺は多分、いや絶対に間違っちゃいない。

そうだコニシユウ、お前は間違っていない。


「なぁ?話が違うよな?」と、2人に問いかけた。

指を顎に置きながら副会長が

「じゃー国語はちゃんと勉強して点数をとるしかないよね。それと、数学、理科、、、、英語、、

1つでも減れば楽なのに」

と、はなからその流れになる事を

知ってたかの様な素振りで言った。

こいつら、、ダメだ無茶苦茶だ。


でも、確かに副会長が言う様に

1教科でも減れば楽ちゃ楽だ。


いやちがう。

違うぞコニシユウ。

それは面倒臭い。

出来る出来ないでは無くて、面倒臭い。

それはあんたら教師の仕事だ。

日本の教育の為だ。

コニシユウ、

お前はこの話に噛んではダメだ。

俺は自分に言い聞かせた。


だが、国語は欲しい。


駄目だ!!コニシユウ。

そんな事でどうする。

モトキタのタメにもそれは駄目だ。


すると、モトキタが

「じゃー英語もオッケーでいいよ」


「・・・・・」


副会長が言った。

「良かったね。これで2教科へったよ。」


お前、知ってたろ?こうなる事。

でも、俺は言わなかった。


こいつら可愛らしい顔してぶっ込みやがる。

この2人とは死んでも結婚したくないと

思った日だった。


学校を出て駅に向かう最中に副会長が言った。

「会長、どうするの?」

「何が?」

「もし、エトウくんが学校に来なかったら」


俺は、そんな事は考えいなかった。

てか、お前がそうさせたんだろっ?

俺は、言わなかった。


「来るって。どんな奴かしらねぇけど、

エトウも人だ、俺の進級がかかってるんだ。

だから事情を話して、来いって頼めば

              来てくれるだろ」

「今日で、二教科ゲットだぜ」


俺の顔をじーとみて、

ニコッとして副会長は言った。

「だよね」

俺は、少しドキッとしたが何気ない態度で

「とりあえず、コーヒーでも飲んで一服だな」

と言って自販機に500円玉を入れた。


「ゴチです」

と、言って副会長が紅茶を買った。

俺は、奢るつもりだったから特に気にはならなかったが

「普通勝手に押すか?」

「まぁいいけど」


すると副会長が

「会長どのみち奢ってくれる気だったよね?」

と、俺の心を読んでいた。


コーヒーを飲みながら電子タバコを吸った。

※電子タバコは20歳から

「会長、未成年が吸ったらダメ」って

何処かで見たアニメの流れになるのかと思ったのだが副会長は何も言わずスマホでエトウの家までの道のりを調べていた。

              1限目Bにつづく


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