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ダブり  作者: 中西 ユウ
1/5

新学期

ダブりってご存知ですか?

そう、留年の事です。

そんな留年生のお話。


人生、1年、2年遅れても全然大丈夫。

だから、今を楽しもう!

キーンコーンカーンコーン

キーンコーンカーンコーン


何かの始まりを告げるチャイムが鳴る。


春はあけぼの

Yo Yo 俺は東京生まれぃ!じゃない。

HipHop育ちっ!でもない。

悪そうな奴はだいたい友達。なのかもしれない。


みたいな事はどうだっていい


So、思春期も早々にっ

それにゾッコンにっ


てな歌があったような無かったような。

そんな夢だな。


「コニシくん」

「コ〜ニ〜シ〜く〜ん」

「おいっ、コニシ ユウ!!」


とにかく「春眠暁を覚えず」な事は間違いない。


目が覚めて眠たい目を擦りながら見上げると

ビシッと黒のスカートスーツに白いシャツで

きめた担任のモトキタが俺を呼んでいた。


「おっ、いや、はい」


俺はまだ眠たい目をこすりながら

そしてダルそうに返事をた。         

モトキタは大人の色気を感じさせる振舞い笑顔で

俺を見て

「ニコッ」と笑い出席を取り続けた。


桜散り舞う窓の外をみながら希望に満ちた

まだ垢抜けないクラスメイト達の返事をBGMに

俺は思った。


この光景を見るのはもう何度目になるのか?


So俺は、「ダブり」だ。


◎【ダブり】【ダブる】とは

「留年」「落第」の事で正式名称は

原級留置げんきゅうりゅうち

学校に在籍している児童•生徒•学生(在学生)が、

何らかの理由で進級しない(できない)で同じ学年を

繰り返して履修すること。


しかも2回も。


けっして韻も糞もない。

俺は、俗に言う「2ダブ」だ。


恥ずかしいを通り越して情けない。

むしろ開き直って逆に凄くないかっ!?

凄いよな?やっぱり凄い。

なんせ卒業式にはハタチだ。

そんなの、「ろくでなしBLUES」でしか

見た事も聞いた事はない。


ただ、窓の外を見つめる事しか出来なかった。


まぁいい。

おきたことは仕方のない事だ。

だから、

今日はそんなどうしようもない俺の話を少し

聞いて欲しい。


コニシ家の長男としてヨシエとイツオ間に

生を授かったが流石にジャーに無敵のマイクは

授かる事は無かった。


当時、ヨシエとイツオは籍を入れておらず俺は

ヨシエの旧姓である

「イカワ ユウ」

として物心がつくまで育てられていた


当時、2人は何故籍を入れていなかったのかは

知らないが、2人にも色々あったのだろう。

そして俺が4歳の時に弟が出来た事をキッカケに

ヨシエとイツオが籍を入れ

「コニシ ユウ」

として順調に育てられていた。

何故このタイミングで籍を入れたのかは

気になる所だが、2人にも色々あったのだろう。


良く女の子に間違われる程のルックスだった様で

近所でもチヤホヤされて評判だったらしい。

お世辞にも裕福な家庭とは言えないが、

それなりに幸せだった記憶が今も残っている。


それから、保育園を経て小学校へ


小学校3年の時に俺の親友達に出会った事を

キッカケに少しずつだが歯車が狂い始めた気が

して仕方ない。


その親友達の事はまた次の機会に話するよ。

だけど私生活では妹が生まれて充実はしていた。


それから中学に入り

親友達とは連むグループが違ったのだが

唯一「オカウエ ゴウ」

こいつとはずっと一緒だった。

中学でゴウは俗に言うヤンチャ者になり喧嘩に

明け暮れる日々だった。


俺は痛いのは嫌いだ。


ただ最強過ぎるゴウの友達と言うだけでそこそこ

名前も売れたが決していい事ばかりではない。


ゴウのせいで大勢に絡まれ痛い目にもあったが

必ずゴウは助けてくれた。

俺は、そんなゴウが大好きだ。


でも、中学2年の時俺は凄く感動した。


それは、ギターとの出会い。


近所のおっちゃんが引っ越しをするって事で

「ゴミになるから、これやるよ」

と言ってくれたのだ。

もともと音楽には興味があったので

俺はそのギターをもらった。

必死に練習した。


ハマった。


ハマりまくった。


ただモテたいとも思っていたが、

テレビに出てくるミュージシャンに憧れて

いたからだ。


訂正する。

やっぱりモテたい。

ただそれだけだ。


俺は、少し疎遠になっていた親友達に声をかけて

バンドを組む事にしたのだ。


もし、あの時ギターでは無く

「麦わら帽子」

だったら俺は海へ出ていたかもしれない。


そんなこんなで楽しい時間は過ぎるのが早く、

あっという間に中学3年。

そう受験だ。

バンドのメンバーで同じ高校へ行って軽音楽部に

入って楽しい高校生ライフを!って思っていたの

だが甘かった。


今まで全く勉強とは無縁だった俺が行く学校は

もう選べなかったのだ。

まさに痛恨のミスだ。


アルファベットなんてCからしか刻まない。


だけど、

ロックの神様は俺を見捨ててなんかいなかった。


と、言うのも少子化で受験生が少なく落ちるのは

なんと2人だったから。


そんな俺に希望を与えたのはゴウ。

そして、もう1人。

そこの金髪の奴だった。

それと、そこの鼻ピアス、ピンク色の髪の奴。

こんな奴等がいる事で確実に俺は受かると

確信した。


そして、俺は晴れて高校生になった。

残念だが軽音楽部には入らず学校外でバンドを

続ける事にした。

言うなら「帰宅部」ってやつだ。


なぜなら、メンバー達とは違う学校だからだ。


唯一同じ中学の奴はゴウだけだった。

ゴウは奇跡的に受かっていたのだ。

あの金髪の姿はさすがに無かったのだが、

鼻ピアスとhide(ピンクの髪)の奴はいた。

後1人は、今になってもわからない謎のままだ。

今思えばその2人くらい入学させてやっても

良かったんじゃないのか?と思う。


1年生の時、俺とゴウはクラスが別れた。

クラスメイトにも恵まれてそれなりに楽しい

高校生活を送っていた。


それと同様にゴウはゴウなりにグループをつくり相変わらず楽しくやっていた。

でも、そんなルーキーを良く思わない奴等が

この学校にはいたのだ。

この話も次の機会に話す事にするよ。


そして、月日が経ち事件は起きた。


出席日数が足りない。


そんな制度があるなんて噂では聞いていたが

まさか自分がこんな事になるとは夢にも思って

いなかった。

俺はバンド活動に夢中になり学校を疎かにして

しまったのだ。


痛恨のミス。


そして2回目の1年生。


隣のクラスにはやっぱりゴウもいた。

それだけが唯一の救いだった。

俺は、1コ下にもモテて悪い気はしなかった。


俺もバカじゃない。

この1年は毎日学校へ行った。


でも俺はバカだった。


今まで勉強とは縁がなかった俺がテストで点数が

取れるわけないだろう。


赤点にてダブってしまったのだ。


そして今、まさに3回目の1年生。

だがこのフロアーにゴウの姿は無かった。

辞めたのか?とも思いたいのだが、


あのゴウは進級していたのだ。


またしてもミス。

ゴウより馬鹿だったのかと思うともう地元で

歩く事なんて出来ない。

もう、一層の事辞めて働こうとも思ったのだが


「このご時世高校だけは出ろ」

「学校も続かない奴が仕事なんて絶対に続かん」ヨシエとイツオが言ってくれた事や

バンドのメンバー達も俺に

「絶対にその方がいい高校だけは出ろ」と

やめるな的な事を強く言ってくれた。

恥ずかしさは半端なかったがかなり嬉しかった。


そんな感じで俺は、3回目の1年生(2ダブ)に

なったって訳だ。


「今年こそは必ず進級するぞっ!!」って

話なら別に話す気にもならないが、

ここまで印象的で長い1年は今まで無かった。


だから

俺の「ダブり」をこれから話す事にする。

               1限目Aにつづく

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