不純物
日本人は肌の色で識別されるのならば、黄色人種である。
ゆえに白人はそう言った部分でも日本にいれば目立つ。
御白玲奈も日本人でありながら、そうした目立ち方をした。
光を跳ね返すように白い肌。
水は簡単に弾きそうな弾力のある肉。
少しのシミでさえ目立ってしまいそうなそのシルクはとても日本人の天然由来のものとは思えなかった。そして顔は立体的で西洋人の様だった。
彼女の両親は育ての親だった。
両親は典型的な日本人の特徴を有していた。
彼女の実の親はシングルマザーであった。
そして殺されている。
両親はよく喋る陽気な夫婦だった。
異質であろうと実の娘の様に愛した2人に対して彼女は真逆の育ち方をした。
静かで控えめで、愛想は良いと言えなかった。
彼女は両親に感謝していた。
彼女はこう思っていた。
「こんなに異様な子供、私だったらいらない。」
彼女が17歳まで思うことはただ一つだった。
この世は不可解に満ちている。
彼女もまたこの世の真理を探し求めていた。
暗い水曜日。雨がしとしとと降っている。
玲奈は紺の傘をさしている。
後ろから騒がしい声が耳に入る。
人の喋り声だ。
数名の男たちだった。
どうも社会的に嫌悪されるタイプのれんちゅだった。
1人の男が玲奈に話しかける。
「君、モデル?タレント?ちょっと時間ちょーだいよ、お小遣いとかあげるよ」
玲奈は曇った目で男を見ると
「あなた達とは会ったことがありますよ、まぁあなた達はそんな事最初からなかった事になってるのでしょ?」
その玲奈の異様さには誰でも気付く。
男達は笑い出す前に不気味そうに顔を見つめ、笑い出した。
「じゃああそぼーぜ!」
男がそう言った瞬間、
玲奈は
「あなたは、自分を解釈できますか?」
言い問いただした。
男達は不意を突かれた様に、唖然としているといきなり魂が抜けたようになった。
そしてその集団はどこへともなく無言で歩き出した。
玲奈はただいつもの事のようにその情景を見つめていた。
すると、
「もうスイッチを押すのはやめろ」
ふとそんな言葉が聞こえた。




