第72話:「最高の休日」
土曜日の朝、僕のもとにアイノからメッセージが届いた。
アイノは、タケオやミコ、カイトと一緒に休日を過ごさないかと誘ってくれた。僕は喜んで誘いを受け、昼ごろに駅の近くで待ち合わせることになった。
「それで、今日は何をするの?」
僕がメッセージを送ると、すぐに返事が返ってきた。
「遊園地に行って、そのあとカラオケに行く予定だよ」
「わかった。じゃあ、またあとで」
そう返信して、僕はスマホを置いた。
待ち合わせ場所に着くと、みんなはすでに集まっていた。
「レン! おはよう!」
最初に僕に気づいたのはアイノだった。
「おはよう。待たせちゃった?」
「ううん、私たちも今来たところだよ」
ミコがそう答えた。
「よし、これで全員そろったな! じゃあ、行こうぜ!」
タケオが元気よく声をかけた。
僕たちは駅へ向かい、電車に乗った。
遊園地に到着すると、色とりどりの看板や音楽、そして大勢の来場者が目に飛び込んできた。あちこちにアトラクションが並び、遠くからは楽しそうな歓声が聞こえてくる。
「わあ! 本当に楽しそうなところだね!」
ミコが目を輝かせながら言った。
「まずはジェットコースターから行こうぜ!」
タケオが提案した。
「私も賛成!」
アイノもすぐに同意した。
「いいね! じゃあ、行こう!」
カイトもそう言ってうなずいた。
僕たちはチケットを買い、アトラクションへ向かった。
列に並んでいる間、タケオはカイトと僕をからかい始めた。どうやら、どちらが先に悲鳴を上げるか気になっているらしい。
「さて、どっちが先に叫ぶかな?」
「それは乗ってみないとわからないな」
カイトが余裕そうに答えた。
「そうだね。僕もそう思うよ」
僕も同意した。
やがて、僕たちの番がやってきた。二人ずつに分かれて乗り込み、座席に腰を下ろす。偶然、僕とアイノが同じ車両になった。
安全バーを下ろし、出発に備える。
車両はゆっくりと上昇を始めた。高く上がっていくにつれて、坂道もどんどん急になっていく。
「わあ……まだ上がるの?」
アイノが前を見つめながら、小さな声でつぶやいた。
「どうやら、あそこが一番高いところみたいだね」
僕はそう答えた。
ふと横を見ると、アイノはすでに手すりをしっかりと握っていた。車両がさらに急な坂を上り始めると、彼女は思わず僕の服をつかんだ。
「アイノ、大丈夫?」
「う、うん! ただ……ちょっと怖いだけ」
「大丈夫だよ。もうすぐ下り始めるから」
次の瞬間、車両は頂上に到達し、一気に下へと滑り落ちた。
コースのあちこちから大きな悲鳴が上がる。タケオとカイトは誰よりも大きな声で叫び、ミコは手すりをしっかり握りながらも楽しそうにしていた。アイノは目をぎゅっと閉じ、僕のコートをさらに強くつかんでいた。
やがて乗り物が停止し、僕たちはようやく降りることができた。
アイノは僕の服から手を離し、少し恥ずかしそうにこちらを見た。
「ごめんね……」
「気にしなくていいよ。大丈夫だから」
僕は笑顔で答えた。
「みんな、どうだった?」
再び全員が集まったところで、タケオが尋ねた。
「すごく楽しかったよ!」
ミコが答えた。
「カイトはどうだった?」
僕が尋ねると、カイトは笑いながら答えた。
「最高だったよ! それにしても、タケオが一番大きな声で叫んでたな」
「おい! お前だって人のこと言えないだろ!」
タケオがすぐに言い返した。
僕たちは笑い合い、次のアトラクションに向かう前に少し休むことにした。
その後も、いくつかのアトラクションに乗ったり、ゲームで遊んだり、みんなで写真を撮ったりした。
時間はあっという間に過ぎていった。
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しばらくすると、僕たちは少し休憩して軽く食事をすることにした。近くに小さなレストランがあったので、空いているテーブルに座って、それぞれ好きなものを注文した。
「今日は本当に楽しかったね」
スマホで写真を見返しながら、アイノが言った。
「特にジェットコースターが最高だったな!」
タケオも楽しそうに付け加えた。
ミコが今日撮った写真を何枚か見せてくれた。そのうちの一枚ではタケオがおどけた顔をしていて、別の一枚ではカイトが真剣そのものの表情でカメラを見つめていた。
僕たちはしばらく写真を見ながら、今日の出来事やそれぞれの感想を話し合った。
食事を終えると、カイトが口を開いた。
「そろそろカラオケに行こう。部屋はもう予約してあるから」
「よし、じゃあ行こうぜ!」
タケオが答えた。
僕たちは会計を済ませ、カラオケへ向かった。
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カラオケの部屋には、座り心地のよさそうなソファと大きなモニター、そして何本かのマイクが用意されていた。
最初にマイクを手に取ったのはタケオだった。彼はさっそく曲を選んだ。
「よし、みんな! しっかり聴いてくれよ!」
そう宣言すると、音楽が流れ始めた。
タケオはよく知っている曲を、なかなか自信たっぷりに歌い始めた。するとカイトも我慢できなくなったのか、誰に頼まれたわけでもないのに一緒に歌い始めた。
「おい! 歌いにくいだろ!」
タケオが笑いながら文句を言った。
「手伝ってやってるんだよ!」
カイトは平然と答えた。
二人の後はミコがマイクを手に取った。彼女は明るい曲を選び、すぐにアイノも一緒に歌い始めた。
二人が歌う間、僕たちは拍手をして盛り上げた。
やがてアイノの番が回ってきた。彼女は別の曲を選び、笑顔で歌い上げた。歌い終わると、僕たちはそろって拍手を送った。
「ありがとう!」
アイノは少し照れくさそうに答えた。
そして、ついに僕の番が回ってきた。どうやら、簡単には逃げられそうにない。
「できれば僕はパスしてもいいかな? 正直、あまり歌いたくないんだけど……」
僕は何とか逃れようとした。
「そんなのダメに決まってるだろ! ほら、レンの番だぞ!」
タケオが譲らなかった。
ほかのみんなも彼に賛成したため、僕は仕方なくマイクを手に取った。
「先に言っておくけど、あまり期待しないでね。歌はそんなに得意じゃないんだ」
僕はそう前置きした。
やがて音楽が流れ始め、僕は歌い出した。正直に言えば、あまり上手く歌えたとは言えなかった。
歌い終わると、数秒間、部屋の中が静まり返った。その後、みんなが次々と感想を口にし始めた。
「レン、気にしないで! まずは挑戦してみることが大切だよ。次はきっともっと上手く歌えるから!」
アイノがすぐに励ましてくれた。
「そうそう! 最初から上手くできるわけじゃないよ。ちゃんと挑戦しただけでも立派だよ!」
ミコも続けてくれた。
「いやあ、レン。どうやら歌手への道はまだまだ遠そうだな」
タケオがニヤニヤしながら言った。
「少なくとも、次からは曲選びを誰かに任せたほうがよさそうだな」
カイトもからかうように付け加えた。
「もう、二人ともいい加減にしてよ……」
僕は視線をそらしながら、少し不満そうにつぶやいた。
「まあまあ、そんなに怒るなって! 冗談だよ!」
タケオが笑った。
アイノとミコはその後も僕を励ましてくれたが、タケオとカイトはしばらくの間、僕の歌について冗談を言い続けていた。
その後も僕たちは曲を選んで歌ったり、笑い合ったりして楽しんだ。時間はまたたく間に過ぎていった。
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夕方になり、僕たちはそろそろ帰ることにした。
外に出ると、みんなで別れの挨拶を交わした。
「今日は楽しかったな! またみんなで遊ぼうぜ!」
カイトが言った。
「ああ、賛成だ! 次も絶対に集まろうな!」
タケオが答えた。
「私も楽しみにしてるね!」
ミコが付け加えた。
「それじゃあ、またね!」
アイノが笑顔で手を振った。
「うん。またね」
僕もそう答えた。




