第49話:「いつもと少し違う日」
朝、レンが教室に入ると、カイトとタケオが何やら言い争っていた。
「だから、遠出したほうが絶対に楽しいって!」
「近場でも楽しめる場所はあるだろ」
「レン、お前はどっちがいいと思う?」
カイトに話を振られ、レンは二人を見比べた。
「まずはほかのみんなの意見も聞いてみたらどうだ?」
ちょうどそのとき、アイノとミコがやって来た。
「みんなが楽しめる場所がいいと思うな」とミコが言った。
「私も賛成。みんなで相談して決めようよ」とアイノも頷いた。
話し合いの結果、休日に出かける場所はみんなで決めることになった。それでもカイトは遠出を諦めておらず、タケオはまだ乗り気ではないようだった。
二人のやり取りを見ながら、レンは小さく笑った。
このメンバーと過ごす時間は嫌いではない。何気ない日常も、みんなと一緒なら少しだけ楽しく感じられた。
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昼休みになると、五人は再び行き先について話し合った。
「大きな公園はどう? 散歩もできるし、帰りに何か食べてもいいし」とミコが提案した。
「いいんじゃない?」とアイノが賛成する。
「でも、それじゃ近すぎるだろ!」とカイトが不満そうに言った。
「移動で疲れなくて済むだろ」とタケオが返す。
「はいはい、俺だけ反対されてるわけね」
「誰も反対なんてしてないよ。みんなそれぞれ意見があるだけ」とミコが笑った。
やがて話題は、出かけた先で何をしたいかという話に変わった。
「レンはどこに行きたい?」とアイノが尋ねた。
「みんなで行けるなら、どこでもいいよ」
「じゃあ、あとはカイトを説得するだけだね。遠くまで行くのは諦めてもらわないと」
「おい、聞こえてるぞ!」
その言葉に、みんなが笑った。
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放課後、レンとアイノは二人で帰り道を歩いていた。ほかの三人は少し前に別れていた。
「今日は楽しかったね」とアイノが言った。
「そうだな。みんなで出かけるのも久しぶりだし」
「うん。今度こそ、誰も直前になって行かないなんて言わないといいけど」
「カイトのことか?」
「ほかに誰がいるの?」
レンは小さく笑った。
しばらく歩いたあと、アイノが彼の顔を覗き込んだ。
「そういえば、今日は昨日より落ち着いてるね」
「昨日はそんなにひどかったか?」
「ひどいってわけじゃないよ。ただ、何か気になることがあるように見えたから」
レンは少し考えてから答えた。
「たぶん、疲れてただけだよ」
アイノはそれ以上追及せず、素直に頷いた。
「なら、今日はゆっくり休んでね」
「分かった。アイノもな」
やがてアイノの家に着くと、彼女は足を止めた。
「じゃあ、また明日ね、レン!」
「ああ、また明日」
レンは彼女を見送ってから、自分の家へと向かった。
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夜、レンは引き出しから金属製のメダルを取り出し、机の上に置いた。
表面に刻まれた紋章には、やはり見覚えがあった。どこで見たのかは思い出せない。それでも、偶然見つかったものではない気がしていた。
(……どこで見たんだ?)
レンはしばらくメダルを眺めていたが、やがて小さく息を吐いた。
(まあ、これは後で考えよう)
メダルを手に取って軽く回したあと、レンは再び引き出しにしまった。




