↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
50/73

第49話:「いつもと少し違う日」

朝、レンが教室に入ると、カイトとタケオが何やら言い争っていた。


「だから、遠出したほうが絶対に楽しいって!」


「近場でも楽しめる場所はあるだろ」


「レン、お前はどっちがいいと思う?」


カイトに話を振られ、レンは二人を見比べた。


「まずはほかのみんなの意見も聞いてみたらどうだ?」


ちょうどそのとき、アイノとミコがやって来た。


「みんなが楽しめる場所がいいと思うな」とミコが言った。


「私も賛成。みんなで相談して決めようよ」とアイノも頷いた。


話し合いの結果、休日に出かける場所はみんなで決めることになった。それでもカイトは遠出を諦めておらず、タケオはまだ乗り気ではないようだった。


二人のやり取りを見ながら、レンは小さく笑った。


このメンバーと過ごす時間は嫌いではない。何気ない日常も、みんなと一緒なら少しだけ楽しく感じられた。


---


昼休みになると、五人は再び行き先について話し合った。


「大きな公園はどう? 散歩もできるし、帰りに何か食べてもいいし」とミコが提案した。


「いいんじゃない?」とアイノが賛成する。


「でも、それじゃ近すぎるだろ!」とカイトが不満そうに言った。


「移動で疲れなくて済むだろ」とタケオが返す。


「はいはい、俺だけ反対されてるわけね」


「誰も反対なんてしてないよ。みんなそれぞれ意見があるだけ」とミコが笑った。


やがて話題は、出かけた先で何をしたいかという話に変わった。


「レンはどこに行きたい?」とアイノが尋ねた。


「みんなで行けるなら、どこでもいいよ」


「じゃあ、あとはカイトを説得するだけだね。遠くまで行くのは諦めてもらわないと」


「おい、聞こえてるぞ!」


その言葉に、みんなが笑った。


---


放課後、レンとアイノは二人で帰り道を歩いていた。ほかの三人は少し前に別れていた。


「今日は楽しかったね」とアイノが言った。


「そうだな。みんなで出かけるのも久しぶりだし」


「うん。今度こそ、誰も直前になって行かないなんて言わないといいけど」


「カイトのことか?」


「ほかに誰がいるの?」


レンは小さく笑った。


しばらく歩いたあと、アイノが彼の顔を覗き込んだ。


「そういえば、今日は昨日より落ち着いてるね」


「昨日はそんなにひどかったか?」


「ひどいってわけじゃないよ。ただ、何か気になることがあるように見えたから」


レンは少し考えてから答えた。


「たぶん、疲れてただけだよ」


アイノはそれ以上追及せず、素直に頷いた。


「なら、今日はゆっくり休んでね」


「分かった。アイノもな」


やがてアイノの家に着くと、彼女は足を止めた。


「じゃあ、また明日ね、レン!」


「ああ、また明日」


レンは彼女を見送ってから、自分の家へと向かった。


---


夜、レンは引き出しから金属製のメダルを取り出し、机の上に置いた。


表面に刻まれた紋章には、やはり見覚えがあった。どこで見たのかは思い出せない。それでも、偶然見つかったものではない気がしていた。


(……どこで見たんだ?)


レンはしばらくメダルを眺めていたが、やがて小さく息を吐いた。


(まあ、これは後で考えよう)


メダルを手に取って軽く回したあと、レンは再び引き出しにしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。