第22話「知らないこと」
放課後、先生に呼び止められた。
「レン、カイト」
俺たちは教室の出口で足を止めた。
「はい?」
「次の授業までに、簡単な課題を一つやってもらいたい」
先生はそう言って、何枚かのプリントを渡してきた。
「二人で一緒にやってくれ」
「分かりました」
カイトが答える。
俺も頷いた。
先生が教室を出ていくと、カイトが俺を見る。
「図書室行く?」
「そうするか」
俺たちは二階の図書室へ向かい、空いている席に座った。
机の上にプリントを広げる。
しばらくの間、俺たちは黙々と作業を続けた。
カイトがプリントを読み、俺は必要なことを書き込んでいく。
しばらくして、カイトがペンを置いた。
「レン」
「ん?」
「ちょっと聞いていい?」
「何?」
「なんでこの学校に転校してきたの?」
俺は少しだけ考えた。
「ただ、もう一度やり直したかったから」
カイトが俺を見る。
「やり直す?」
「ああ」
「そっか」
それ以上、カイトは聞かなかった。
俺たちは再び課題に戻った。
数分後、今度は俺からカイトに聞いた。
「お前は?」
「俺?」
「なんでここに来たんだ?」
カイトは少し考えた。
「たぶん、同じ理由かな」
「お前もやり直したかった?」
「ああ」
カイトは小さく笑った。
「たまには、そういうのも悪くないだろ?」
「まあな」
俺たちはそのまま作業を続けた。
それから、その話題に戻ることはなかった。
しばらくして、課題が終わった。
カイトが時計を見る。
「もうこんな時間か」
「ああ」
俺たちは荷物をまとめて、図書室を出た。
廊下には、もうほとんど人が残っていなかった。
一階まで下り、そのまま学校の外へ出る。
外は静かだった。
しばらく、俺たちは何も話さずに歩いた。
交差点まで来たところで、カイトが突然口を開いた。
「レン」
「ん?」
「明日、放課後暇?」
「たぶん」
「じゃあ、ネットカフェ行こうぜ」
「ネットカフェ?」
「ああ。近くに一軒あるんだ。パソコンも結構いいらしい」
俺は少し考えた。
「俺、そういうところ行ったことないんだ。何すればいいのかも分からない」
「気にすんなって。難しいことなんてないから。俺が教えてやるよ」
「分かった。じゃあ、行こう」
「よし。じゃあ明日の放課後な」
「ああ」
「じゃあ、また明日」
「また明日」
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