第18話「新しい仲間」
翌日も、いつもと変わらない朝だった。
俺はいつも通り学校へ行った。
教室には、すでにカイトがいて、何人かのクラスメイトと話していた。
「おはよう、レン」
「おはよう」
「レンって、いつもこんなに早く来るの?」
「だいたいな」
「そうなんだ」
そこへタケオが教室に入ってきた。
「おっ、カイト! もう慣れたか?」
「まあまあかな」
「早いな」
「みんな話しやすいから」
タケオは俺の隣に座った。
「それならよかったな。うちには、全然話したがらないやつもいるからな」
「レンのこと?」
「そう」
「もう気づいてた」
「おい、俺はここにいるぞ」
「知ってる」
そこへミコがやって来た。
「何の話してるの?」
「レンの話」
タケオが答える。
「じゃあ、わかった」
「なんでそれでわかるんだよ?」
「だって、二人ともほとんどいつもレンの話してるじゃん」
「そんなことないって」
「あるよ」
カイトが俺たちを見る。
「みんな、ずいぶん仲いいんだな」
「まあ、結構長い付き合いだからな」
タケオが答える。
「そうなんだ」
少し離れたところでは、アイノも俺たちの会話を聞いていた。
カイトがアイノに声をかける。
「アイノ、だよね?」
アイノがカイトを見る。
「そうだけど」
「昨日はちゃんと話せなかったから、改めてよろしく」
「こちらこそ」
休み時間も、俺たちはそのまま一緒にいた。
話題は学校のことや先生、スポーツ、映画なんかに変わっていった。
カイトはどんな話にも自然に入ってくる。
しばらくして、カイトが俺を見る。
「レンって、なんでいつもそんなに落ち着いてるの?」
「別に、普通じゃないか?」
「そうかな。ほとんど表情が変わらないからさ」
「たぶん、癖みたいなものだな」
「変な癖だね」
「俺には合ってる」
タケオが口を挟む。
「ほらな。いつもこんな感じだろ?」
「どういうこと?」
「こいつ、何でもない顔で普通に言うからさ。今のが本気なのか冗談なのか、しばらく考えないとわからないんだよ」
「なるほど」
カイトは納得したように頷いた。
放課後、タケオが俺たちを見る。
「なあ、どこか寄って食っていかないか?」
「私はいいよ」
ミコが答える。
「俺もいいよ」
カイトも答えた。
アイノは少し考えてから、
「いいよ」
と答えた。
タケオが俺を見る。
「レンは?」
「いいぞ」
俺たちは学校の近くにある小さなカフェへ向かった。
テーブルにつくと、また話が始まった。
タケオが学校であった出来事を話し始め、ミコが何度か話に割り込み、カイトも時々自分の話を混ぜながら聞いていた。
俺はその隣で、ただ話を聞いていた。
食べ終わると、カイトが俺たちを見る。
「今日は楽しかったな」
「だな」
タケオが答える。
「またこうやって集まれたらいいな」
俺はみんなを見る。
「別にいいんじゃないか」
俺たちはカフェを出て、それぞれ帰ることになった。
俺は家へ向かって歩いていた。
途中でアイノと会った。
「どうしてそんなに早くここまで来たんだ?」
「近道を知ってるから」
「それって、あの暗い道とか路地裏? ナイフや銃を持った男たちがいるような?」
俺は少し笑いながら聞いた。
「そんなのいなかったけど」
アイノが答える。
俺たちはそのまま歩き続けた。
「カイト、どうだった?」
「普通の男子。あいつも他の男子と同じようなクズ」
「そうか。じゃあ、俺はまだクズってことか」
アイノは何も言わなかった。
しばらくして、俺たちはそれぞれの家に着いた。
俺は道路の前で足を止める。
「じゃあ、俺は向こう側だから。またな」
「またね」
そう言って、俺たちは別れた。




