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第十二話 大きな街


石の道。


人の声。


荷馬車の音。


クロエとアイリスは


街の中を歩いていた。


周りには


多くの人がいる。


商人。


冒険者。


職人。


村とは


まるで違う光景だった。


クロエが言う。


「人が多いな」


アイリスが笑う。


「だから街なのよ」


クロエは


周りを見ていた。


店が並んでいる。


武器屋。


食料店。


酒場。


様々な店が


軒を連ねていた。


アイリスが言う。


「まず宿ね」


クロエが聞く。


「金は?」


アイリスは


兵士から取った袋を軽く叩く。


「まだある」


クロエは頷く。


「なら問題ない」



少し歩くと


大きな建物が見えた。


酒場だった。


入口の横には


木の掲示板がある。


多くの紙が


貼られていた。


冒険者が


その前に集まっている。


アイリスが言う。


「依頼板ね」


クロエが聞く。


「依頼?」


「魔物討伐とか」


「護衛とか」


アイリスが説明する。


「冒険者の仕事よ」


クロエは


掲示板を見ていた。


その中に


見覚えのある紙があった。


クロエは


足を止める。


そこには


少女の絵。


黒髪。


赤い瞳。


その上に書かれている文字。


黒髪の魔女


討伐報酬


金貨五百枚


アイリスが


小さく息を飲む。


「もうここにも……」


クロエは


少しだけ笑った。


「人気者だな」


アイリスが


呆れた顔をする。


「笑ってる場合?」



その時だった。


近くにいた冒険者が


声を上げる。


「おい見ろ」


「金貨五百枚だぞ」


別の男が言う。


「兵士を殺した魔女らしい」


「こんなの見つけたら一生遊べるぞ」


周りの冒険者も


ざわつく。


「黒髪の少女だってよ」


「見つけたら終わりだな」


アイリスが


小さく言う。


「……やばいわね」


クロエは


紙を見ていた。


そして言う。


「確かに」


クロエは


紙から視線を外す。


「黒髪のままだったら」


アイリスが


苦笑する。


「即終了ね」


クロエは


静かに言った。



その時だった。


酒場の扉が


大きく開く。


中から


数人の冒険者が出てくる。


その中の一人が


掲示板を見る。


そして


笑った。


「面白い」


「金貨五百枚か」


「俺たちも探すか?」


別の男が言う。


「夢があるな」


クロエは


その会話を聞いていた。


クロエが言う。


「目立つな」


アイリスが頷く。


「ええ」


「ここ離れましょう」


クロエは


もう一度


掲示板を見る。


黒髪の魔女


という文字が


大きく書かれていた。


クロエは


目を細め小さく笑った。


「いい名前だ」


アイリスが


呆れた顔をする。


「そこ?」


クロエは


歩き出す。


「宿を探す」


アイリスも


後を追う。


大きな街の


奥へと歩いていく。


しかし


二人はまだ知らない。


この街には


すでに


魔女を狩る者たちが


動き始めていることを。



続く


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