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ハッピー・カニバリズム・スローライフ~因習村育ちの社畜、人肉料理を振る舞ったら女子大生に世界を壊すほど愛された~  作者: アカアオ
2章 疑似家族編

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第六感 / 悪魔文字

 「ねぇ……いくら何でも歩き過ぎじゃない?」

 「仕方ないだろ、遠回りして帰ってるんだから」

 「なんで?!」

 「えぇぇ……私の勘が、その方が安全だと言ってるので」


 ユーフォだったか。

 山で出会った彼女はしきりに文句を放つ。


 さっきまでの怯えていた姿はどこえやら。

 注文も多く、声もうるさい。


 少し前に下した自分の決断を後悔し始めている所だ。


 「大体さぁ、ミミミちゃんも変だよねぇ」


 「ミミミちゃんって……あの、一応私の方が年上」


 「別に良いじゃん。今時そんなこと誰も気にしないよ〜」


 ミミミさんに至っては煽られる始末だ。

 さっきからずっと目がウルウルしている。


 「てかさ、勘に頼りすぎじゃない?そんな適当な事で大丈夫?」


 「適当なんかじゃないよ。私の勘はよく当たるんだから」


 プっと声を上げてユーフォは笑う。

 こいつ……よくこの性格で生きてこれたな。


 「それ本気で言ってる?ワロタww。そんなに勘がいいなら宝くじの一つでも当ててみてよ」


 「……」


 ミミミさんの目がじっとユーフォを見つめている。


 「ヒッ。ま、まさか煽られたからって私を殺すつもり?!」


 「……」


 「分かってるの?私が死んだらコイツの記憶はー」


 「健二さん……少し寄り道しても良いですか?」


 ユーフォの言葉を鋭く遮ったミミミさん。

 ぐっと彼女が指を指した先には、宝くじ売り場があった。


 「旅行でお金も沢山使いましたし、今後の事を考えればお金はいくらあっても困らないと思うんです」

 「まぁ、ミミミさんの気がそれで晴れるなら」


 また旅行に行かないとも限らない。

 ユーフォもかくまう事を考えれば今以上に金が必要なのも事実だ。


 「ちょ、ちょいちょい!!え、本気なの?!ガチで言ってる?」

 

 現状に納得いってなさそうなユーフォが声を上げる。


 「いや……いくら何でも本気で宝くじ一つ当てるのは」

 「ユーフォちゃん。それは違うよ」

 「へ?」

 「私は今からあの店でスクラッチくじを5回当てる」

 

 スタスタと前を歩くミミミさん。

 彼女はなんのためらいもなく、一万円札を叩きつけた。


 「なんとなく当たりそうな気がするから」


 普通に聞けばギャンブラーの戯言と流すだろう。

 だが、ミミミさんが『気がする』と発言する以上は当たるはずだ。


 冷静に考えなくても凄まじい力だ。

 ミミミさんが警察側に居なくて本当に良かった。


 「良いよ。そこまで言うなら賭けようよ」

 「賭け?」

 「ミミミちゃんが5回当たりを引かなかったら私の勝ちね。私が勝ったら何してもらおっかなぁ」


 ユーフォの声がしきりに震えている。

 常識的に考えてあり得ないと何度も口にしている。


 「あ、ティックトックの踊ってみた動画とって投稿してよ」

 「いいよ」

 「恥ずかしいからねぇ、これ。ここまで言えば嘘でした、やっぱりやめますって言うでしょ……は?!今いいよって言った?!」


 まぁ、ミミミさんはそう言うだろうな。

 ミミミさん視点では賭けになってないも同然だし。


 「その代わり、私が勝ったらお願い事一つ聞いてくれないかな?」

 「いいよぉ。絶対むりだから。スクラッチくじで5回当たり引くなんて絶対無理だから!!」

 



 「調子に乗ってすみませんでした。ミミミちゃんの勘は絶対です」


 ミミミさんの家に帰宅。


 そこには打ちのめされて地面にめり込んでいるユーフォの姿。

 ホクホク笑顔で上機嫌なミミミさんの姿。


 狭いアパートが随分とにぎやかになったものだ。


 「良いユーフォちゃん。私の事はそれだけ悪く言っても良いけど、私の勘の事を悪く言うのだけは許さないんだからね」


 「はい……いや、自分の事も大事にしよ?」


 ユーフォが年下の女の子だからだろうか?

 ミミミさんの対応が俺の時と違う気がする。


 なんか新鮮というか、不思議というか。

 ミミミさんの知らない一面を見れて良かったと言うか。


 「一体俺は何を考えているんだ」


 両手で顔をパシッと叩く。

 今はミミミさんの事より優先してやることがあるだろ。


 「なぁユーフォ」

 「ん?どしたの健二」


 俺の事は呼び捨てかよ。

 まぁ、外の人間からどう呼ばれようとも気にはしない。

 

 「お前は俺の消された記憶を取り戻せるかもしれないと言ったな」

 「そ~ね」 

 「具体的にはどうするつもりだ?」


 ここをハッキリさせておかない事には、今後の動きなど立てようもない。

 それに、悪魔の力とやらにも少し興味がある。


 「だったらやってみる?」


 ユーフォはそう言って、スカートのポケットから何かを取り出す。

 あれは……くちゃくちゃの紙か?


 「この文字、じっと見てて」


 紙にはミミズが這って出来たような文字が書かれていた。

 俺はユーフォに言われた通り、その文字をじっと見た。


 こんなもの本当に意味があるのか?

 そんな疑問抱いた、まさにその時だった。


 「な?!」


 文字が動いた。

 落書きの様な文字がちゃんとした日本語の形へ変化していく。


 「これは悪魔文字。まぁ、悪魔の力を使うのに必要なものって事で」


 ユーフォがそう言った瞬間、文字の動きが止まった。

 

 『この世は全部ユーフォ様のモノ!!』


 出来上がった頭の悪い文章。

 それを見た瞬間、頭をガツンと殴られた様な感覚に襲われた。

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