To be continued
「はぁ……はぁ……足痛い」
走って、走って、走った。
逃げて、逃げて、逃げた。
私の人生はムリゲーだ。
親ガチャはハズレ。
環境ガチャは大外れ。
パパは蒸発。
ママはロキの死骸とか言う意味の分からないやつに取って代わられた。
私は六芒組とか言うやつらのせいで体を改造された。
特に口は酷い事になってる。
何せ、悪魔の口を移植されてるんだから。
端的に言って化け物。
もう、マスクつけないと外に歩けない。
「トー横は良いとこだったなぁ」
あそこは私みたいなはぐれ者に優しかった。
今持ってる水も食料も、全部あそこで貰ったものだ。
「ヤクザから身を隠すために山に来たのは失敗……あ~あ。もう喉カラカラ」
山でサバイバルなんか出来っこないし。
スマホも長らく充電0で暇つぶしも出来ない。
あぁ、私って才能ガチャも外れだったんだ。
頭が良かったら、きっともっとちゃんと生き残れるんだと思う。
誰かにかくまってもらったり、改造されたこの体をもっと使い込んだり。
『やめて……私と家族の思い出まで奪わないで』
『え~良いじゃん。どうせ碌な家族じゃなかったんでしょ?』
『ママの体を乗っ取ったお前が偉そうな口聞くなよ』
『はいは~い。ちょっとチクっとしますよ~』
もう、死ぬしかないのかな?
それか六芒組とあいつの玩具になるしかないのかな。
あぁ、こんなことなら。
私みたいな命は生まれてこなければよかったのに。
『あなたの名前はね、私とお父さんで必死に考えたのよ』
『響きも可愛いし、未確認って言うのは無限の可能性があるからな!』
「うわ~びっくり。こんな私にも死ねない理由があるみたい」
駒外ユーフォ。
未確認と書いてユーフォと読む。
裁判起こしたって誰も文句言わないレベルのキラキラクソネームのくせに……今や私の生きる希望。
「はぁ、ホントバカみたい」
歩く。
それしか思いつかない。
とりあえず、歩いて遠くに行くんだ。
「健二さん、最近の料理もっと美味しくなってませんか?」
「あの鉈のおかげだな。今まで出来ない料理法を試せるようになった」
え、マジ?
こんな山奥に誰かいんの?
「ミミミさんこそ、バレないように人を殺すのは大変だろう?」
「いえいえ。私の方も健二さんの料理で感が冴えわたっていますので」
今……なんて言ったの?
バレずに、人を殺す?
「最近本当に美味しいですよ。元が人の肉とは思えないぐらい」
ま、ままま待って。
この人たち人を食べてるの?
うっそぉ。
ここに居るのがバレたら、ワンチャン私も食べられるんじゃ。
早く逃げないとー
「ワッ」
あぁ……ほんと最悪。
何でこのタイミングで足を滑らすかな。
「なんだ……子供?」
「えっえっえっ、ななななな、なんで人が?!」
人食いの話をしていた二人が振り返る。
男の方は私を警戒。
女の方は私を見てパニックを起こしている。
「私の勘は……今日は大丈夫だって……健二さん、これは」
「大丈夫。ミミミさんの勘の事はちゃんと理解してる」
や~ば。
怖くて声で無いや。
「なぁミミミさん……これって俺とミミミさんが出会った時と似てないか」
「え……た、確かに言われてみれば」
止まったままじゃダメだ。
何かしろ、私。
「あ、あの~」
「これ以上近づかないでほしいなぁ。私、スマホ持ってるから警察に通報しちゃうよ?」
充電ないし、そんな事したら私の方が詰められるからしないけど。
これを脅しにすれば。
「そのスマホ、充電ないですよね」
「え?!なんで」
「なんとなく、そんな気がしたので」
やばい。
選択ミスった。
これって詰み?
私はここでこいつらに食べられて終わり?
「間違いだったらすみません。貴方に一つ、聞きたいことがあって」
「何?」
一体何を聞かれるの?
大丈夫、落ち着け。
まだ何かあるはずだから。
「あなたは……カニバリズム同志ですか?」
「はい?????」
えと。
もしかして、この二人私も人を食べる奴だと思われてる??
「んな訳ないでしょうが!!!!」
私の名前はユーフォ。
駒外ユーフォ。
未確認と書いてユーフォと読む。
色々あって人生が詰んだ私は、人を食べるカップルに出会ってしまった。
この出会いが今後何を引き起こすのか。
それは、きっと神様しか知らないんだと思う。




