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夢幻への再臨  作者: 柴光
54/56

51 戦兎人〜ツキソイビト〜

転移者、22歳、女

前世の死因、墜落死

 





 ダンジョンの下層、マジックロッドを手に魔法をメインに戦う私はそこでノッカーの上位クラスに囲まれていた。


「グラースシルトっ!!」


上鬼ハイノッカー』達が放った矢を氷の壁で防ぎ、防壁の解除と共に召喚獣であるうさ耳の生えた人間寄りの獣人『カーネルラパン』のパスティが手にするアサルトライフルでハイノッカー達を蜂の巣にして一段落つく。


「ふぅ…やっと落ち着けそうだね」

「一人で牢獄に潜ろうなんて、主人は無謀ダヨ」

「そうなんだけどさ…」


 元々私は人と話すのが苦手ってのもあり、こっちの世界に送られてもそれは変わらずにいて殆ど一人で過ごしている。


「でもまぁ…主人のコミュニティ能力の低さは理解しているヨ」

「酷い言われよう」


 そんな中で出会ったのが兎人のパスティだった。

 内心心細かった私と契約してくれてものすごく頼りになる存在になってくれた。

 それに強さも尋常じゃなく、今じゃ中々手に入らない古代の武器であるアサルトライフルと、背負ったバズーカや俊敏さを活かしてやっつけてくれる。

 弾は高いからってもっぱら魔力で生成した光弾を撃ってるんだって。

 今だって彼女無しじゃこんな所に入ろうとは思わないんだけど、生きる為に生活費を稼がないと。


「あそこの扉、階層主の部屋ダヨ」

「どんな敵か分かる?」

「霊型………強いヨ…どうする?」


 パスティの優れた索敵能力によって敵の情報がいち早く見える。


「勝てる見込みはありそう?」

「援護してくれれば余裕ダヨ」

「それなら行こう。援護は任せて」

「ん。頼んダヨ」


 扉を開け放つと同時に、中央に立っていた鎧を纏った骸骨へ氷結魔法『コンジェラジオル』を放ち、動きを止めている間にパスティが両手で構えたライフルを撃ちまくる。

 光弾は鎧に弾かれても露出している頭部を砕いていって、完全に破壊された頭を見て構えるのを止めようとした瞬間、「まだダヨ!」。

 その言葉が私に届くか否かの時、骸骨兵『ペイリトゥス』が氷結を破って動き始めた。


「頭ないのになんで!?」

「元々屍人だからダヨ」

「納得。追撃行くよ」

「ん」

「ミリオンズセリオンッ!!」


 無数の氷柱を敵の頭上に顕現させて次々に落下させ、その隙に背後に回り込んだパスティはゼロ距離でバズーカのエネルギー砲をぶっ放し、壁まで吹き飛んだペイリトゥスへ向けて弱点の光魔法『セントブレイズ』を浴びせてこの戦いが終わった。


「終わったよね?」

「もう大丈夫ダヨ」

「やっぱ光魔法は苦手…めっちゃ疲れるぅ。ありがとねパスティ」

「主人もお疲れ様。主人は強いヨ、自信もって大丈夫ダヨ」

「あはは…そうかなぁ。ありがと」


 ほんと可愛いし頼れる味方が居てくれて良かったよ。


「さて、と。ドロップ品を確認しようか」

「これダヨ」

「いつの間に…」


 パスティの手にはいつの間にか剣が握られていて、鑑定してみると「戦王の剣」だと分かった…けど名前しか分かんないから価値が不明のままだしねどんな能力を持つかも分かんないからさっさとアイテムボックスに仕舞い込んじゃお。


「…下に降りるかどうか考えよう」





『ハイノッカー』

討伐レベルC

体力C 攻撃力C〜 速力C

 大人の女性より少し小さい位の大きさ。

ノッカーより知性が高く、投擲武器も使用してくる。

ドロップ品は魔石。


『ペイリトゥス』

討伐レベルA寄りのB

体力A 攻撃力A 速力C

 鎧を纏った骸骨。

元々ある地方の王であった彼は、獣人族との戦に敗れ、戦闘奴隷として生きていた前世を持つ。

 死後もその魂と肉体は獣人族の長に縛られている為、ダンジョンの階層主として立ちはだかってる。

ドロップ品は細長い両刃の戦王の剣。


『カーネルラパン』

召喚獣

体力B 攻撃力A 速力A

 全長1.6メーター(耳を含む)、ヒトにうさ耳が生えた兎の獣人。

 高い索敵能力と俊敏性を持ち合わせる。

 攻撃面では、アーティファクトであるアサルトライフル『XM777』とチャージ式エネルギーバズーカ『フトゥルス』、近接では腰に下げたクリップポイントナイフを駆使して戦うが、ピンチに陥った時は兎の軍隊ラビットアーミーを喚び出して戦力を増す事もある。


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