49 決着〜ルフアフィス2〜
現地人、40歳、男(人間)
『二番機、四番機、七番機の反応途絶』
艦内に流れた味方の死を告げるアナウンスを聞き、俺達が相手取っている魔物の強大さを思い知らされる。
「これで犠牲者は四人か」
「はい…召喚獣も六体持って行かれてます」
「厳しいな」
艦の外、甲板に出ている周りの召喚士仲間を見渡しながら呟く。
体力の限界が来て膝を付く者、契約している相方が敗れて呆然としている者が見受けられる。
「保てない者は召喚解除して中へ避難を。悪いが肩を貸してやってくれ」
「あぁ…」
体力が残っている一人に皆を誘導するよう指示を出す。
「これで我々三人の召喚獣は後五体、このままではジリ貧ですよ」
残された戦力は、機械兵4と『青竜』『黄竜』『希望竜』 、黒獅子『アトルムレーベ』、獣型機械兵『エラスリウス』の召喚獣五体…後は初撃を外したこの艦のチャージ式大口径ガンマメガレーザー砲と俺の切り札か。
初手に撃ち出したが呆気なく避けられてしまい、今はチャージ待ちなんだが。
「ブリッジ、特装砲が溜まったら教えてくれ。何としても足止めしてみせる」
『はい、チャージ完了まで残り290です!』
「りょーかいした」
「約五分ですか」
「是が非でも当てなければ。何とか持ち堪えてみせるぞ」
「「はいっ!!」」
上空では三体の竜が機械兵と連携して攻防戦を続けており、地上からはアトルムレーベによる炎魔法、エラスリウスの砲撃とミサイル攻撃がルフアフィス目掛けて飛んでいる。
機械兵の隊長は真空刃を大剣で受け流しつつ接近して斬り付けており着実にダメージを与え、ドラゴン達も上手く立ち回り各々のブレスや魔法を直撃させていくが、効いてる様子が見られない。
エネルギーライフルに関しては、当たっても何のそのとまるで効果がないように気に留める様子もない。
「あ…」
女召喚士が口を抑える。
また一人、風の刃に胴体部を裂かれて地上へと墜落して行く。
『残り時間60で照射可能となりますっ!』
「りょーかいした!機械兵隊に撤退の指示を出してくれ」
『了解です』
「聞いたな相棒達を下がらせてくれ。奴を閉じ込める」
「「はい!」」
俺が召喚口上を唱えると同時に、ルフアフィスの周りから味方の姿が遠退き、奴を包むように召喚魔法陣が浮かび上がる。
「黄泉と現世を別かつ千引岩よ、我が敵を牢獄へと誘い破滅をもたらせ!封じよ『ヨモツヒラサカ』」
「なんだっ!?何なのだコレは!!??」
魔法陣から大小様々な岩が召喚され、見る見るうちにルフアフィスを囲いこみ、最後には巨大な岩が蓋をするかの如く轟音を鳴らして正面に顕現した。
「この程度で我を止めたつもりか!ッ… ガァー」
中でブレスでも放ったのだろうが、残念ながらヨモツヒラサカは内部からの全ての攻撃を弾き返し、殆どの相手は封じれば勝手に自滅してくれるから勝確なんだが、奴は封じ込めただけじゃダメだろう。そこでこの艦の特装砲の出番ってわけだ。
『エネルギー充填完了!照準合わせました。いつでも発射可能です』
「解除と同時に撃ち込んでくれ!」
『了解です!カウント開始します。10、9、8…』
カウントが0を告げる瞬間に召喚解除を行い、焼け焦げたルフアフィスの姿が露わになった。
『ッテェーッ!!』『照射っ!!』
ガンマメガレーザー砲が奴に浴びせられる。
青い炎が包むと同時にルフアフィスの身体は灰へと変わり空高くへと舞っていった。
「終わった…」
皆が歓喜に沸き、召喚獣と機械兵隊を労いながら帰路に就く。
伝説相手にしてはこの程度の被害で済んで奇跡なのかもしれない…五名の犠牲者には哀悼の意を。
『エスペランサドラゴン』
召喚獣
体力S 攻撃力A 速力A
全長14メーター、希望竜とも呼ばれる西竜。
防御魔法を一番の得意としているが、攻撃魔法も他の上級種に敗けず劣らずの威力を持つ。
『BB-505/ エラスリウス』
アーティファクトサモン
体力A 攻撃力S 速力S
サイを模した四足歩行型の無人機械兵。
地上戦に特化しており、補助ブースターによって見た目に似合わず高い加速力を有する。
武装は、背部12連装エネルギー砲、脚、脇腹部ミサイルポット、近接戦時のヒートホーン。
/は砲撃特化だが、射撃兵装を最小限に留めたスピード、近接戦特化のΣタイプも存在する。
『ヨモツヒラサカ』
召喚獣
ステータス?
内部からは破壊不可能な岩の牢獄に閉じ込める召喚獣。
召喚獣として分類されるが、意思疎通など出来ず、アーティファクトサモンに近い性質になる。
『ズイホウ級強襲揚陸艦二番艦アメノトリ』
揚陸艦空母、バトルシップ
武装:主砲「二連装ビーム砲」×2、特装砲「ガンマメガレーザーキャノン」、各所ビームガトリング、ミサイル発射管
全長205メーター、無重力発生装置を改良した大型の反重力装置を搭載し全領域航行可能(現代では潜水能力は失われている)とした強襲揚陸艦。
極東製だが、搭載機が0の状態で保管されていたので、現状他国の機械兵のみの構成となっている。
因みに、左右独立した格納庫を有する為、二本のカタパルトのみ露出している。
『ルフアフィス』
討伐レベル?
ステータス?
全長120メーター、翼開長は180メーターを超える超弩級の怪鳥。
ジズとの勝負に敗れ、力の半分を手のひらサイズの水晶石に封印されていた。
復活した際、その事実を知ったルフアフィスは水晶を探して破壊の限りを尽くしながら各地を転々としていた。
今回討伐出来たのは、全盛期の力を発揮出来ていなかったのが大きい要因となる。




