表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢幻への再臨  作者: 柴光
47/55

44 魔物氾濫〜スタンピード〜

転生者、27歳、男

前世の死因、事故死


 




 バハムートの侵攻により壊滅に追いやられた港街の復興に各街から派遣されて着手していた俺達に不吉な一報が届いた。

 街の警備にあたっていた正規兵が魔物氾濫スタンピードが起こったと騒ぎ立てている。


「海から、海から来るぞ!」

「あっちに兵を集めろ!」

「腕に自信のあるやつは集まってくれ!」

「なんでまたこの街なんだ…」


 海の魔物か…今は建築士をやっているが俺も元冒険者だ、手数は多いに越したことはない。

 作業をほっぽりだして、相方の元ガンナーと一緒に海岸へと向かった。


「久しぶりにお前の銃捌きが見れるな」

「お前さんの召喚獣は拗ねて出てこないんじゃないか?」

「それは…困るな」

「なに、その時はワシが守ってやろう」

「心強いな。頼んだ」


 俺達はそれぞれの得物、剣と銃(単発ライフル)を取り出して駆け寄ると、既に魔物と兵の戦闘が繰り広げられている。

 見たところ魔物はトドみたいな『海獣ケートス』と人型の魚『魚人マーマン』に上陸を許して混戦状態にあり、海面からは魔魚の『古代魚ハイネリア』が水鉄砲を飛ばして兵の鎧を撃ち抜いていた。


「ハイネリアは任せたぞ」

「おうよ」


 ガンナーである相棒に遠距離戦を任せて俺は兵の援護に回った。

 マーマンは素槍で武装している分リーチがあるけど陸上だと本体は人間より脆く、逆にケートスは牙による攻撃手段しか持ち合わせてないが表皮が硬くて刃が通り難い。

 だが、風魔法と組み合わせた女神の剣ならその硬さも…


 ズサンッと、この通り容易に首を跳ねる事が出来てしまうのよ。

 魔物との戦闘に慣れていれば一体一体は大したことないんだけど、如何せん数が多くて兵達や加戦した連中が押され始めている。


「数が多すぎる…相方はどうしてるんだ?」


 相方の方に顔を向けると、速射に優れない単発銃でも指の間に次弾を挟んで手慣れた素早いリロードでソレを補い、頭を出したハイネリアを射抜き確実に数を減らしていた。

 ハイネリアは水魔法で相方を狙うも、射線から最小限ズレるだけで水鉄砲を避けている。


「流石相棒だ。俺も頑張らないとな」


 一人、強力な魔法使いが居てくれるお陰でなんとか数は減らせてはいるが…兵達も徐々にやられ始めている。


「あと一息なのに、踏ん張り所だな」

「待たせたな。手を貸すぞ」

「助かるぜ!!」


 海中の魔物を片付けた相方がコチラ側に加勢してくれた。

 相方にはマーマンを狙ってもらい俺はケートスに専念し、ようやく全ての魔物が片付いて一息付く。


「大分やられたな」


 辺りを見渡した相方が呟いた。


「あの数じゃ仕方ないさ」

「そうだな。スタンピード…か、何故こ「何か来るぞ!!大きい…」


 会話を遮る声が上がった。

 俺達は一斉に海の方を見た…バカでかい幾本もの脚が海中からうねり出ている…『クラーケン』だ。


「皆逃げろー!!負傷者に手を貸してやれ!」


 一人の兵が声を荒げ、皆は街中へ避難を開始した。

 先に行けと相方に伝え、俺は召喚口上を唱えて巨大な島亀『ザラタン』を喚び出してクラーケンに対抗してみようとする。


「頼んだぞ。アイツを止めてくれ」


 頷くザラタンは海を進んで近付いていく。


「お前さんの召喚獣は防御型だろう」

「なんだ、逃げてなかったのか」

「一人で逃げる訳なかろう」

「お前はそういう奴だったな」

「して、あの海王鮹に勝算はあるんか?」

「あるとは言えないが無いとも言い切れないな」


 実際は勝算なんてあるはずなかった。

 ザラタンの攻撃手段は水(氷)魔法、クラーケンだって水魔法の耐性が高い…今も海面を氷漬けにするザラタンだが、クラーケンの脚は氷をもろともせず砕いて獲物を捕らえようと動き回っている。

 水の刃『トーデスエッジ』で脚の一本を切り落とすも、直ぐに再生され元通り生え揃ってしまい、距離を詰められたザラタンは絡み取られ身動きを封じられて海中へ引き込まれていく。


「ザラタンっ!!」


 水飛沫が上がると、海面は赤く染まって光の粒子が空へ舞い上がっていった。

 召喚獣の粒子、それはザラタンが敗れた事を意味していた。


「終わったな」


 希望を砕かれた俺がようやく絞り出した言葉だった。


「尻尾巻いて逃げるか?」

「無理だろ、あのスピードだぜ」

「だな。最後まで抗うか」


 無意味だと分かっていても猛スピードで迫りくるクラーケンに風の刃、弾丸をブチ込む事を止めない。


「やっぱダメだ」

「効かねぇな」


 二人共々伸びた脚に掴まれて海の中へ…脚の付け根の中心、そこに大きく開いて俺達を待ち受ける口があった。





『ケートス』

討伐レベルB

体力A 攻撃力C 速力D

 全長三メーター、トドのような見た目をしており、分厚い脂肪と硬い表皮で防御力は高い。


『マーマン』

討伐レベルC

体力C 攻撃力C 速力C(陸上)

 全長1.5メーター、槍を装備した二足歩行する魚人。

口から水を飛ばすが、目潰し目的で殺傷能力は皆無。


『ハイネリア』

討伐レベルB

体力C 攻撃力B 速力B

 全長四メーター、古から海に生息する魚型の魔物。

水魔法を使い、陸地にいる生物を射抜く特技を持ち、魔法耐性だけは高い。


『クラーケン』

討伐レベル?

体力SS 攻撃力S 速力S

 全長450メーター、海王鮹とも呼ばれ、普段は深海に生息する魔物。

 36本もの脚を持ち、脚の付け根にある牙が並んだ口で獲物を捕食する。

 遥か昔にニーズヘッグとの縄張り争いに敗けて深海に追いやられた過去をもつ。

 今回、バハムートの残り香に釣られて魔物達を引き連れ姿を現した。


『ザラタン』

召喚獣

体力S 攻撃力A 速力B(水中)

 全長100メーター、島亀の召喚獣。

防御特化だが、水魔法の威力もそこそこ高い。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ