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夢幻への再臨  作者: 柴光
42/55

41 土地神〜オオヤシマ〜

転生者、35 歳、男

前世の死因、事故死

 




 極東に位置する島国、政治の腐敗で多重の税を課された国民により内戦が勃発し、他国の介入もあって滅んだと記録されている。

 政権はゴミだったが技術力は群を抜いて高く、反重力装置を搭載した初の揚陸艦空母を開発したのもこの国だ。

 何より戦闘機ファイターと機械兵の性能が良すぎてココのを乗ったら他国のに乗れないとまで言われる。

 実際に、俺が乗っている機械兵『ムラクモ』もそうだ。技術検証で取り寄せたと記載がされているのがたまたま遺跡に残っていた。

 見つけた時はテンション上がったね、誰にも渡すまいと訓練を重ねてモノにしたんだ。

 話は逸れたが、俺は今その島国へ調査を頼まれて来ている。

 最近、上記の空飛ぶ空母が近隣で目撃されて我が国でも入手したいとバカげたことを抜かした上から頼まれてしまった。


「だからってなんで俺一人なんだよ。予算ないからっておかしいだろ…貧乏な国に居着かなきゃ良かった」


 データを見るに、俺のムラクモはバックパックが陸戦用に付け替えられてるらしく、飛べないから海上をホバーで移動したきたんだが、距離があるのに無理言い過ぎだろ。無事辿り着けて良かったけどさ。

 位置は島の西側だろう、目立った建物もない普通の砂浜だが…うん、ビーチだ。

 陸上はセンサーに生体反応もない、お目当てのモノはあるとすれば軍事基地だろうし、基地と言えば海沿いにあるイメージだしそのまま海岸沿いを進んでみることにしよう。


「右手に海、左手に山、この雰囲気懐かしいな。無人だって聞くし、任務なんてほっといて住んじゃおうかな」


 前の世界と似た島国は俺を虜にしていく。

 ちょっと内陸の様子もみたくなったので、山が途切れた平野を進む事にした。

 生体反応を魔物のみに設定してもこの辺りはがんがん鳴っている…あちこちに魔物が居る証拠で竦んでしまうが、こっちはロボに乗ってるんだと強気に出ていると、近付いてくる二つの反応がある。


「速い…上か!?」


 急速に接近する二体の細長い東方竜型の黒い竜『クラミツハノリュウ』、『クラオカミノリュウ』と鑑定結果が出てムラクモのデータとも該当し、頭上へ現れた二体は話しかけてきた。


「人間が今更何をしに戻ってきた」

「貴様等はこの地を捨てた身、舞い戻る事は許さん」

「俺はただこの国の調査に来ただけだ」

「調査?片腹痛いわ」

「貴様等がしてきた事、死をもって償ってもらおう」


 紫色の炎のブレスが俺を包む。


「問答無用かよっ!」


 機体にダメージはない…そっちがその気ならと、荷電粒子ライフルのトリガーを引いた。

 ビームの弾は避けられ、これを皮切りに戦闘が始まった。

 二体が放つ別方向からのブレスを避け、ビームシールドを発生させて防げる攻撃は防ぎつつ、ライフルで牽制して距離を取る。


「エネルギー貯蔵量は…まだイケる」


 ビーム兵器は強力だけど、この機体の武装は全て動力源である聖鉱石から補われており、長時間使用し続けると機体本体の出力低下あるいはダウンしてしまう欠点がある。

 それを頭の隅に置きながら戦闘を行っているんだが…この二体、強い。


「どうした人間」

「そんなもの我等には当たらんぞ」


 調子に乗りやがって…まぁ、言うだけの力はありやがるのが腹立つ。


「クソ…飛べないのが悔やまれるな」


 地に脚を付いた状態からの攻撃じゃ限界があり、逆に空中を自在に舞う二体は余裕をかましてるように見える。

 ライフル以外の武装は腕部のビームガンとビームソード、ジャンプで近付いてソードで…いや、避けられたら空中で動きに制限がかかるこっちが不利、当たったとしてももう一体いる。


 ピピッピピッ

「チッ!撃ちすぎたか」


 撃ち続けながら考え込んでいると、エネルギー残量下限を知らせるアラートが鳴った。

 撃たなきゃチャージされる速度も早いが…仕方ない、ライフルを腰裏にマウントして消費の少ないビームガンで対抗しながら先程とは逆に距離を詰めていく。

 前方を飛んでいるクラミツハノリュウに狙いを付け、ブレスが吐かれた瞬間ペダルを底まで踏み、背部スラスターを吹かして大ジャンプをかました。


「一体でも倒せれば勝機は」


 腰にマウントされたビームソードの柄を握って抜刀し、エネルギーを供給させて刀身を出現させてそのまま横払いを。


 ピーピーピー

「接近アラート!?後ろかっ!」


 振り向く間もなく、もう一体のクラオカミノリュウの尾で吹き飛ばされ、機体制御が間に合わず地面に激突してしまった。

 損傷箇所を示すモニターがあちこち赤く塗られている…大半は軽微だが左脚部の損傷大か。起き上がれんなこれは。

倒れた俺を頭上から見下ろす二体の竜。


「舐められたものだな。オカミの」

「貴様、我が居なかったらヤられてたやも知れんと言うのに」

「細かいこというな。コレで終いだ」

「そうだな。コレで終わりだ」


 口を開き、黒い光りを溜め込む二体。ブレスとは違う…魔法か。

 シールドは…展開装置がイカれてやがる…最後の足掻きでビームガンを連射するも、ガンの威力じゃ羽虫の突進くらいに思ってるのか、なんのアクションも示さずに溜め続け、真っ黒い光線を放射した。


「参ったぜ…最後に一服くらいさせろよ」


 内ポケットから取り出したタバコに火を付けようとしたが、先に機体が燃えちまった…




「少しは愉しめたぞ人間よ」

「久々に動いた気がするなミツハの」

「お主は普段から動かなすぎだ。少しは飛び回らんか」

「必要があればやっておるだろ!」

「前回はお主が起きんから機械を持ち出されたのだぞ」

「あれは…すまなかった」

「まぁ、次訪れた時は「亡き者に変えようぞ」」





『クラミツハノリュウ、クラオカミノリュウ』

討伐レベルS以上

体力S、攻撃力S、速力S

 全長35メーターの細長い東方竜型の黒いドラゴン達。

 かつては土地神的存在で崇められていたが、現在は人間に仇なす魔物となった。

 二体は闇魔法と水魔法を得意とするが、接近戦を苦手としている。


『GF-A2 ムラクモ』

 全高10メーター、基本色を灰色とする機械兵。

ビーム兵器を多数装備し、他国では開発出来なかったビームシールド展開装置も備わっている他、空戦用バックパックと陸戦用を使い分けられ、陸戦用バックパックは脚部スラスターと合わせて海上もホバー移動が可能である。

 通常なら着地の失敗や墜落を想定して脚部の内部フレームは強固で、ショックによる衝撃吸収もされて激突くらいではビクともしないはずだが、何百年と経つ内に劣化したと思われる。

 武装は、荷電粒子ライフル、右腕部ビームガン、左腕部ビームシールド、ビームソードとなる。





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― 新着の感想 ―
すみません返信ありがとうございます。 私のコメントの内容を考慮してくださるのはありがたいですが、このゴミみたいなコメントがこのお話に影響を少しでも与えてしまうのは申し訳ないので、あまりコメントの内容は…
古代日本の龍はこの話に出てきたように水の神として祀られますが、中世以降の日本では、龍は地震や雷など巨大な自然の力を操る存在にまで強化されています。 つまり、龍は新しい個体のほうが強い。ってこと。 今回…
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