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夢幻への再臨  作者: 柴光
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28 黙示録〜サタン〜

 




 戦争に勝利した悪魔、魔神は天界に移り住む中、魔界の王『サタン』はキラキラした天界は居心地が悪いと一人魔界に残っていた。

 悪魔達と入れ替わりで来た天使と神に魔界を任せて隠居生活を送っているが、かつてから天使達といがみ合っていたせいで肩身の狭い思いをしている。


「なぁ、やはりワシも天界へ行くべきじゃったか?」


 サタンの唯一の憩いの場、魔界の更に下に位置する冥界。

 そこで冥界の王『ハデス』とチェスを打ちながら駄弁るのが日課となっていた。


「お主、いつも同じ事で悩んでおるな」

「仕方ないじゃろ…元々敵同士じゃった連中と和気あいあいと出来るわけない」

「何もそこまでしろとは誰も言ってなかろうて、ほれチェック」

「ちょっと待った!……相変わらず加減を知らんの」

「これをこうすればまだ動けるぞ」

「そうすればチェックメイトじゃろ」

「バレたか。して、お主は知っておろう?」

「何をじゃ?」

「あの女神がやらかしてる事だ」

「あれな…その事も相談したかったんじゃよ」


 サタンは愚痴り始めた。

 最近(人間界で百年程)天界へ行った女神が行っている悪行、それによって地上への影響がデカくなっているということ、本人は良かれの一点張りだが明らかに何かを企んでいる事を。


「なぁ、ハデスよ…ワシはどうすれば良いんじゃ」

「…聞いた話なんだが、アヤツを打倒する為人間達も動いておるらしい」

「ワシも聞いたぞ。しかし…あのバカは天界から降りてこんじゃろうて」

「そうせんと戦うんぬんの話じゃないしの」

「もし…人の子等が準備を整えたら落としてみるのも有りじゃな」

「その時は儂と庭師がお主に着いてってやろう」

「うむ、それは有り難い」

「問題は…その企み、どのくらいの猶予があるのか」

「それはワシにも分からんが、何かあればゼブルが教えてくれる手筈になっておる」

「そうか、ならばお主、人間と契約してみてはどうかの?」

「何故じゃ!?何故そうなる?」

「ゼブルからは儂が聞いとくから、お主は地上へ行って人間達の手助けをしてこい」

「だから何故!?」

「その方が面白いからに決まっておろう」


 笑いながらハデスは提案した…サタンは憤怒の形相を浮かべながらも、それはそれでアリかもと思ってしまう。




 一方地上では


「二人共、良くやってくれた。揚陸艦に新型の機械兵、かなりの戦力になるぞ…海上基地は残念だったが…」

「仕方ないわよ…私達が居てもどうしようもなかったかもしれないし」

「そうじゃよ、今はアヤツ等の死を無駄にせんことじゃ」

「…そうだな、ありがとう二人共。早く立て直さないとな」


 海上基地と呼ばれていた航空母艦が強襲を受けて沈み、戦力の大半を失ってしまったが、嘆いている暇さえない三人は新たに人を集め始め、来たるべき日に備える。


「本来なら英雄王も加わって欲しかったが」

「行方知れずなんでしょ?仲間達も捕まったきりって言うじゃない」

「あぁ、いや、居何処は掴んでたんだが…」

「?掴んでたけど?」

「死んだよ…闘技場で」

「…あの人なら力になってくれると思ったのに」

「ほんとにな…」





『魔界の王 サタン』

 魔界を総ていた王だが、今はマルクトに王の座を譲って隠居生活をしている。

 天界に側近のゼブルを送り、情報を行き来させている。

 魔界では、ペットの黙示録獣を除けば構ってくれる者がおらず、いつも冥界へ遊びに行っている。


『冥界の王 ハデス』

 冥界を統べる王、愛妻家で有名。

 王だけに結構忙しい身なのだが、毎日のように訪れてくるサタンの世話を焼かされている。

 配下に庭師と柘榴が控え、何かあればその二人が雑用をこなす。


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