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夢幻への再臨  作者: 柴光
29/55

29 怒業竜〜ゼルザールドラゴン〜

転生者、20歳、男

前世の死因、事故死

 




 ギルドからの依頼を受けて各ギルドから集められた俺達Sランク冒険者は二人が操る機械兵と共に怒業竜『ゼルザールドラゴン』の討伐に向かっている。

 活火山の山頂、灼熱の風が吹き荒れる火口に奴は鎮座していた。


「デカいな…まずは様子見と行こうか」


 この編成で一番の実力者である男剣士が指揮を取っている。


「召喚獣達の用意を頼めるか」

「了解」


 各々が召喚口上を唱え、浮かび上がる魔法陣にゼルザールドラゴンは反応をしめし、頭を此方に向けて咆哮を上げた。


「開戦と行こうか!初手はアンタ等召喚士に任せたぞ!」


 先手で放たれたのは上級種の二頭、蒼天竜『スカイドラゴン』と桃竜『ローズドラゴン』のブレス攻撃。


「攻撃の隙を与えるな、二陣頼んだぞ」


 続けざまに岩漿竜『マグマドラゴン』の上級炎魔法、上位風精霊『アネモイ』の上級風魔法、そして機械兵『バルディエル』二機によるミサイルとライフルの掃射。


「よし、少しは効いてくれてると良いんだが」


 ゼルザールドラゴンが暴れていた時代、核を落とされても倒れなかったと聞くが………本当の事らしい。

 あれだけの攻撃を食らっても平然としている。


「ダメか…ッ!来るぞ!防壁準備!」


 最上級炎魔法の一つ『ヴォルケイノレイジ』が飛んでくる…俺を含めた魔法使いは魔法による防壁を展開するも、質量がデカすぎて防ぎきれない。


「押し切られる…」

「弱ごと吐いてんじゃないわよ!男でしょ!耐えなさい」


 隣に並んでるおっかない女魔法使いに叱咤され、更に魔力を込めるが…他の魔法使い達も限界が近いようで、息を荒げている。


「やっぱ…無理かも…」


 ついにはお隣さんも弱音が漏れ始め、防壁が砕かれると感じた瞬間、炎に耐性のあるマグマドラゴンが間に割って入り、炎魔法を全身で受け止めてくれた。

 ゼルザールドラゴンの攻撃が終わると、疲弊したマグマドラゴンは粒子となって消えてしまった…上級種の竜でも持ち堪える事が出来なかったのか。


「クソ…次が来る前にもう一度だ!魔法使いも援護を頼む」


 召喚獣と機械兵、魔法使い達は渾身の力で攻撃を浴びせるも、ゼルザールドラゴンの鱗は破れず、反撃のブレスで機械兵の二機が爆散してしまい、ローズドラゴンとアネモイもまた沈んでしまった。


「もう後がねぇな…なぁ、準備は出来たか?」


 剣士は後方でずっと召喚口上を唱えていた召喚士に尋ね、召喚士もまたその問いに頷いて返した。


「よし、俺達前衛がヘイトを買う!その隙に叩き込んでくれ。行くぞ!」


 五人の剣士とタンクが走り出した。

 上空ではスカイドラゴンが、地上では剣士達が引き付けている。


「…小賢しい」


 ゼルザールドラゴンが喋った…アイツも人語が話せるのかと驚いていると、辺りに溶岩の壁を築き上げて足元の剣士達を飲み込んだ。

 一瞬の出来事だ、空を舞うスカイドラゴンも高くそびえた溶岩の槍『アースカタストロフィ』に突き刺されて血を流しながら消えてしまうが…まだ希望はある。


「皆さん下がって! 砲撃開始『超々長距離弩級重装砲ロイヤルドレッド=ヴィルヘルム』!」


 口上を終えた召喚士はその場に倒れ込み、背後の空が黒く染まり始めた…まるでカラスの群れが近付いてくるかのように。


「さぁ…僕の力を思い知れ」


 一撃の巨大な砲弾がゼルザールドラゴンに直撃し、その後も雨の如く無数に降り注いだ。

 …砲撃は止んだ、これで生きてたら人類じゃ勝てないだろ。


「やったの?」


 魔法使いが目を細めて爆煙を縫うように見ている。


「やってくれたな。矮小な分際で」


 生きてやがった…


「仕返しだ『アステールフォールン』」


 土魔法の教材で読んだ事がある、人間では魔力が足りず、一握りの魔物にしか扱えない流星群だと。


「終わったわ…」

「あぁ…あれは無理だろ」


 雲の間から見える宇宙そらからの飛翔物は俺達を目指して来ようとしている…多分だけど痛みはないんだろうな…あっという間だろうし。

 地表に当たる隕石群が熱風と衝撃波を飛ばし、轟音を鳴らして辺り一面の地形を変えた。


「やってしまった…我の住み家が…」





『ゼルザールドラゴン』

 討伐レベル?

 ステータス?

 全長30メーター、全高20メーター、怒業竜とも呼ばれる四足歩行型の赤茶色の竜。

 飛翔は出来ず足も速くないが、それを補うだけの攻撃力と防御力を有している。

 暴竜の通り名は伊達ではなく、土魔法は最上級まで扱え、炎魔法も引けを取らない程の火力をもつ。


『マグマドラゴン』

召喚獣

体力A 攻撃力A 速力C

全長16メーター、翼を持つ四足歩行型のドラゴン。

マグマのように熱を帯びた鱗で覆われている上級種。


『スカイドラゴン』

 召喚獣

 体力B 攻撃力A 速力S

 全長12メーター、蒼天竜とも呼ばれる水色の鱗に四枚の翼をもつ西竜。

 スピードと風魔法に長け、上級種に位置する。


『ローズドラゴン』

 召喚獣

 体力A 攻撃力B 速力A

 全長12メーター、桃色の鱗が特徴の西竜。

 上級種だが、攻撃力が控えめで大人しい性格をしている。


『アネモイ』

 召喚獣

 体力B 攻撃力A 速力A

 人型の上位精霊、風を司り、癒しの力も持っている。

 ある地域では神として扱われている。


『MMAS-010w バルディエル拠点強襲用重装備型』

 フライトユニットを廃止し、代わりに多目的ミサイルポッドを背部と脚部に装備し、前面の装甲も分厚くなっている。

 今回出撃した機体は、腰部にもう一丁ライフルをマウントしていた。


『超々長距離弩級重装砲ロイヤルドレッド=ヴィルヘルム』

 アーティファクトサモン

 攻撃力SS

 何処からともなく放たれる様々な種類の砲弾の雨は寸分違わず目標に命中する。

 初弾に撃ち出される弾のサイズは800センチ、射程距離は38万4400キロとされている。

 召喚口上がすこぶる長いのがネック。



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