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夢幻への再臨  作者: 柴光
23/55

23 対人戦〜ブラックアウト〜

転移者、33歳、男

前世の死因、事故死

 




 俺達は今、戦争を仕掛けている隣国へ兵を引き連れて向かっている。

 此方の機械兵『サージェント』は、あちらさんの主力である機械兵『バルディエル』より性能が高いと聞くし上級クラスの召喚士達も集まっている、敗けるはずのない戦だ。

 懸念があるとすれば数の差だろう…俺達の戦場は隣国でも有数の砦があるという。

 質で勝ってるはずだが、無限に湧いてくる兵士なら話は変わる。


「大丈夫だよな…頭痛くなってきた…なんで俺なんか指揮官に置いたんだよ…」

「何か言いました?」

「…いや、何も」


 生前は軍に所属していたとはいえ、下っ端も下っ端だった俺なのに…ほんと悩ましい。


「先行する機械兵部隊が敵砦を射程に捉えました」

「よし、俺達が到着後攻撃を開始すると伝えてくれ」

「了解しました」


 全ての兵が配置に着いた正午前、戦闘を開始した。

 サージェントの野戦重装備N型の一斉射撃、続く飛行ユニット装備のL型を前へ。

 敵側は小型の召喚獣四体と大型の鋼剛竜『ウルツァイトドラゴン』だけだが、ウルツァイトドラゴンが硬すぎた。N型の砲火を食らってもピンピンしてやがる…アイツの相手はこっちの召喚獣に任せる事にしよう。


「召喚獣を大型竜にぶつけるよう指示してくれ」

「了解しました!召喚士達は詠唱開始!!」


 詠唱後に喚び出されたのは三体の竜に二体の上位精霊、これならあの硬い竜にも対抗出来るだろう、こちらは砦への集中攻撃を始めよう。

 先行する六機のL型は、手前のウルツァイトを飛び超えて砦にライフルを構える。

 トリガーを引き、一斉にエネルギー砲が放たれて外壁を崩壊させていく。

 そのまま中をぶち破れば勝利が掴めると思っていた。


「ん?動かなくなったぞ。何してるんだ?」


 L型が全機動かず浮遊している状態で止まっていた。


「応答ありません。通信が途絶えてます」

「なんだと?何があったんだ」


 動揺する俺、副官の命によりN型の三機も前へ出ていき、悲鳴を最後に通信が途絶えた…悲鳴と何かが弾ける音が聞こえた。


「N型の動きも…止まりました」

「見れば分かる。一体何が…」


 ふと、ウルツァイトドラゴンに向かっていった召喚獣達を見やると、三体の竜が膨らんだかと思えば肉片を飛び散らしながら爆発し、二体の上位精霊も苦しみながら粒子になって消えてしまった。


「古代兵器か?」

「だと思われます…撤退しましょう」

「…あ、あぁ」


 古代兵器としか思えない攻撃に撤退を余儀なくされ、無傷に見える機械兵を残して下がろうとしていると、身体に電流が走り徐々に胎内が熱くなってきた。

 周囲の味方がパンッと弾ける…沸騰した血が顔にかかる…これはあれだ…卵をレンジでチンした時と同じだ………パァンッッ!!




「敵部隊消滅。ご苦労さま、またお願いね」


 どデカい筒状の召喚獣は言葉を発する事なく消えていく。


「相変わらず恐ろしい兵器だな」

「あら、頼もしいと言って欲しいですね」

「失礼、確かに頼もしかったな。助かったよ」

「お礼なら次喚んだとき『ブラックアウト』に直接言って下さい」

「ハハ、りょーかいだ」





『BA-25 サージェント』

 J型(イェーガー)の狙撃仕様に加え、ミサイルポットと荷電粒子ビーム砲を背負った野戦用重装備N型ノヴァ、大気圏内の飛行能力を持つL型レビンが戦場へ投入されている。


『ウルツァイトドラゴン』

召喚獣

体力SS以上 攻撃力A 速力B

 全長25メーター、大型の西竜型、上級種。

鋼剛竜とも呼ばれ、赤黒い鱗は斬撃も魔法も弾きドラゴンの中で二番目の強度を持つ。


『ブラックアウト』

アーティファクトサモン

攻撃力SS(限定有り)

 電子レンジと同じ構造の高エネルギーマイクロウェーブ兵器。

 マイクロ波によって照射物の水分を加熱膨張させて無力化を図る目的で造られた。








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