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夢幻への再臨  作者: 柴光
21/55

21 垓岩竜〜ゴドウィンベルクドラゴン〜

転生者、18歳、女

前世の死因、事故死

 




 私達冒険者は荒野に現れた魔物を退治すべく集められた。

 弩岩竜『ギガロックドラゴン』の討伐だと聞いていたんだけどな…どう見ても山が動いてるようにしか見えない。


「ギガロックってあんなデカかったっけ?」

「そんな訳ないだろ…あれは『ゴドウィンベルク』だ」

「倒せるの?」

「………無理だな」


 総勢十二名の冒険者は皆呆気に取られている…まぁ、あんなもん見なかった事にして街に帰ってパァっとやりたい気分なんだけど。


「ほっとく?」

「バカ、近くに街があんのに流石にダメだろ」

「そうだけどよぉ、その娘の気持ちも分かるぜ…そっとしといた方が良さそうだろ」

「だがよ…こん中で召喚士は何人だ?」


 四人が手を上げる。あ、私は普通の魔法使いなんで戦力外です。


「あれに致命傷を与えられそうなの喚べるか?」

「…」

「…」

「無理」

「…私の子ならもしかしたら」


 小柄な女性が呟いた…マジっすか…そんな事言ったら男共がやる気になっちゃうじゃん。


「よし、やるだけやってみるか」

「えぇー!?本気で言ってるの!?」

「やってダメなら…逃げるぞ」

「なら初めからちょっかいかけない方が良いって」

「モノは試しだ。頼めるか?」

「はい」


 これだから好戦的な連中は…それに頷いちゃうこの子もこの子よ…あ〜ぁ、召喚口上唱え始めちゃった。


「今承認を下す 雲を薙ぎ払い 光り射す大地に天よりの裁きを 撃ち砕けサテライトキャノン『フェイルノート』!」


 空、いえ宇宙から一本の光りがゴドウィンベルクドラゴンを照らし、大爆発と共に衝撃波が私達を襲った。

 衛星兵器を召喚?初めて見るけど似たようなモノなら聞いた事がある…古代兵器の召喚『アーティファクトサモン』、多分そうだと思う。


「どうなったんだ?」


 土煙が上がって様子が分からないけど、あの強力な一撃で堕ちないなんてあり得ないでしょ、なんて考えてれば。


「あり得ないでしょ…」

「そんな…」


 そう、アイツはほぼ無傷でその場に居座っていた。

 フェイルノートを召喚した子は膝を付いて息を荒くしている…二発目は無理みたい…だからやらなきゃ良かったのに。


「おい、逃げるぞ!」


 ゴドウィンベルクが此方に頭を向けて咆哮を上げると、地響きが私達を襲う。

 立って居られない…咆哮がより一層デカくなり、耳が裂けそうになる。

 ドォンっと凄まじい音、浮遊する感覚、浮き上がったのではない…落ちているんだ。

 アイツ…地面を割ったんだ…

 叫び声が誰のモノなのか、私が出しているのかもしれない…何処までも何処までも落ちていく私達。

 怖くて下なんて見れないけど、叩きつけられる音が響き渡る…そして私も…


 グチャッ…




 冒険者十二名の行方が不明となり、ギルドは新たな情報を元に討伐部隊を結成した。

 しかし、一人の青年が他は足手まといと断り、たった一人でゴドウィンベルクドラゴンの元へ向かってしまう。

 彼はここのギルド唯一のSランク冒険者だが、誰も彼一人で退治出来るなんて思っていなかった…巨大な竜の頭が切り落とされてるのを見るまでは。





『ゴドウィンベルクドラゴン』

討伐レベルS以上

体力SS以上 攻撃力S 速力E

 垓岩竜とも呼ばれる全長260メーターを有する超大型の四足歩行型ドラゴン。

 全魔物の上から数えた方が早いレベルの防御力を持ち、鈍重な速力を補う広範囲攻撃も威力が高い。

上級種に位置するが、人語を発する事はない。


『フェイルノート』

アーティファクトサモン

攻撃力SS

 古代兵器を喚び出す召喚魔法アーティファクトサモンの一つ。

 衛星兵器であるフェイルノートは、宇宙から地上に向けて高出力レーザー砲を一撃だけ放ち、対象物とその周辺に大穴を開ける。

 高い破壊力を誇る一方、召喚者の魔力が大幅に持っていかれ、一度喚び出すと暫くは召喚出来なくなるデメリットがある。


『ギガロックドラゴン』

討伐レベルA

体力S 攻撃力A 速力E

 全長50メーター、四足歩行型でメガロックドラゴンの上位種。

 デカい硬い遅いと、上級冒険者の間ではドンガメと呼ばれている。

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