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川島式直接排除型除霊工法  作者: いけたらいく
§3.施工事例その1 石田邸
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舌打ち

この作品は、フィクションです。作品に登場する人物名・団体名・その他名称などは架空であり、実在する人物・団体・その他名称などとは一切関係ありません。


会社の駐車場には、限りがある。車通勤をしている社員の数から計算すると、まったく足りない。だから会社は、会社の近くにある月極駐車場を借りて、不足分を補っている。


通勤用の車を止めるには、月額二千円ほど会社に納めなければならない。会社付近にある月極駐車場の、1台あたりの月額相場は、五千円から七千円だ。差額分を会社が持っている。年度初めに、車通勤者全員でくじ引きを行い、駐車場を割り当てている。


川島は、車通勤者だが、現場を転々としている為、会社の駐車場を割り当てられていない。会社には、たまにしか行かないから、いつも来客用に止めている。


しかし、部長から、その日は、会議で来客が多いから、コインパーキングにでも、とめてくれないか、と、前もって聞いていた。


川島は、会社の近くのパーキングを検索して、ちょっと歩くけど、安いところを見つけていた。


安くて人気なのか、早朝にも関わらず、7台のうち、5台は埋まっていた。空いているスペースの1台は、軽専用だから、川島にとって空いているのは、実質、1台だ。危なかった。そのスペースへ止める為に、非常に邪魔な車がいた。軽専用に、ワンボックスが止まっていて、軌跡上、とても邪魔だった。舌打ちをした。


空いている()の方が、止めやすいが、そういうわけにもいかない。コンパクトカーだから、軽のところでもサイズ的に問題ないが、()とある。()()()()()()ではなく、()専用だ。川島の性格上、とめられない。


なんとか車を止めて、鍵を閉めた。


そこから、会社まで、歩いて5分から10分。


ひとり、歩道を歩いていると、向こうから、団体がやってきているのが見えた。


団体も、こちらに気づいて、道幅に対し、少し小さくまとまったから、こちらも合わせて、端に少し寄った。


しかし、団体のひとりが、進行方向を塞ぐように、広がってきた。


このまま進めば、当たる。


川島のスイッチが、入った。


避けたから、避けた。善意には、善意。


避けたのに、広げた。悪意には、悪意。


これ以上、こっちが避ける道理はない。ぶつかるつもりなら、ぶつかってやろう。


当たってなんぼだ、と向かっていった。


徐々に、距離は近づき、互いの制空権が重なった。


あ、これもう完全に当たるなあ。


歩幅も、速度も、何も変えない。そのまま突っ込んでいく。


当たる。


すれ違った瞬間、何の感触もなかった。()()()()()()()


「え?」


立ち止まる。


「ん?」


振り返って、立ち去っていく団体の後ろ姿を見る。


ひとり、足りない気がする。


「なるほど。」


これで、前を向いて、()()ら、ぶん殴ってやろう。こぶしを握る。


そして、前を見る。いない。


「ちっ。」


今日は、舌打ちの多い日だ。


川島は、会社に向かってまた、歩き始めた。

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