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川島式直接排除型除霊工法  作者: いけたらいく
§3.施工事例その1 石田邸
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依頼

この作品は、フィクションです。作品に登場する人物名・団体名・その他名称などは架空であり、実在する人物・団体・その他名称などとは一切関係ありません。


歴史のあるグループ企業の、発注していた工事が、()()ではなく、新しい子会社に発注されるようになる。


会社設立が決定した頃、それまで()()()、グループから工事を受注していた建設関係の会社が、一堂に集められた。


これからは、グループの工事を、新しい子会社に発注する。


お前たちは、どうする?


という話だ。


いかにも、お殿様らしい、上からの、投げかけであった。


場は、大名貸しへの、()()()()の様相を呈した。


各社、反応は揃わず、ピンからキリのざわめきだ。上層部と()()()()のある会社は、予め情報を収集し終わっている。更に、折り合いをつける話し合いが、既に終わっている。しかし、ここで初めて、この話を聞いた会社もある。ピンとキリだ。


もう、お前たちに、直接、工事の発注をおこなわない。子会社を通して行う。


つまり、中抜きが行われると、暗に言っているようなものだった。


さあ、どうする?


ここで、声を荒げた地場の建設会社のいくつかは、その後の()()十年に渡って、取引が途絶えた。その筆頭だった会社は、会社設立の噂を聞きつけてからずっと、反対していた。だからか、たまりにたまった鬱憤を、そこで晴らした。言い過ぎた。


矢面に立って説明をしていた為、最も暴言を浴びたのは、当時係長の、若かりし村田正英(まさひで)だ。


伏魔殿と呼ばれる本社で暗躍し、今では、黒幕と呼ばれるほどの人物。あだ名を、首切り正英(しょうえい)


今でも、村田さんの前で、()()()()を言うだけで、場の空気が変わる。


そういう経緯があった、ということを、まず理解した上でだな、と先輩社員は言った。


だから、五輪建設(おれたち)は、大原則、グループ内の仕事しかしない。余所の仕事には、手を出さない。グループの仕事を独占しているんだ。それは、グループ内の子会社だから、許されている。

グループ外の仕事に手を出すのは、縄張り荒らしになる。全面戦争(よくないこと)が起こる。グループ外の仕事には、手を出さない。これが、暗黙の鉄則(ルール)だ。肝に銘じておくように、と先輩社員は言った。


創立から、()()十年。


五輪建設のやり口が、馴染んできた。


世の中の、大半の問題で、解決に有力なのは、お金と時間だ。


時間をかけて、五輪建設は、馴染んできた。


今では、官公庁の()()も回ってくるようになった。また、グループ内の()()も、派閥争いの関係で、()()()()()()()()()()の長年の工作により、()()が増えてきた。


公共工事をやるようになったと言っても、グループ内を除く民間からの仕事は、ない。


まず、会社の知名度が低い。一般的に知られていない。業界内では、知る人ぞ知るが、世間一般には、知られていない、()()企業なのだ。知らない会社に、仕事を出すことはないだろう。


次に、知らない人に知ってもらおうとしていない。自動的に、グループ内から工事が発注されるものだから、営業部不要論が出るほどの会社。仕事欲しさに、わざわざ広告をうったりしない。会社の宣伝に力を入れていない。


近年では、慢性人手不足解消の()、求人の()に、アピールを始めているが、それは、()()()()()ではない。


第一に、暗黙の鉄則(ルール)の、()()()()()()()()だ。だから、公共工事については、他社に協力を要請されて、JVに参加する程度でしかない。単独では、取りにはいっていない。そういう状況だから、民間には、決して手を出さない。


ゆえに、民間の仕事は、やって来ないし、こちらからも行かない。


なのに、不思議なことに、民間から、川島を名指しで、仕事の話がやってきた。

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