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川島式直接排除型除霊工法  作者: いけたらいく
§3.施工事例その1 石田邸
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吉岡ランキング

この作品は、フィクションです。作品に登場する人物名・団体名・その他名称などは架空であり、実在する人物・団体・その他名称などとは一切関係ありません。


()が定義する()()とは、三大都市圏を除く地域、だという。しかし、定義づけた()も、一元的ではないから、調べれば調べるほど、漠然としていて、ハッキリとしない。曖昧だ。法的な根拠もない。


首都を除く地域、首都圏を除く地域、三大都市を除く地域、三大都市圏を除く地域、どれも地方だ。また、都市圏の()が厄介で、これもまた、どこまでを指すのか、ハッキリとしない。


義務教育の地理で学んだブロック分けでは、北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州、だったか。地方を追いかけると、細分化されていくが、それもまた、法的な定義づけはない。


日本を分けるといえば、国鉄の解体。民営化して、JRとして、貨物を除き、6つに分かれた。北海道、東日本、東海、西日本、四国、九州。某元国鉄社員から、酒の席で聞いた話だが、日本をどう分けるかの会議で、北海道と九州は、島だからわかりやすく分けられた。本州をどう分けるかで揉めに揉めて、最終的に、東、東海、西の3つに分けることが決まった。後は、貨物だな、と会議が終わりかけて、待て待て、四国があったぞ、と。失礼な話だが、四国は、忘れ去られやすい。ある海外の日本地図では、四国がポッカリ抜けていたり、オーストラリアになっていたりする。


それはともかく、地方は、法的にきちんと定義づけられていない。


それはそうだ。


行政区分も、市町村の上には都道府県、その上は、地方ではなく、国だ。


住所も、国内に届け物をする時は、都道府県から始まる。地方からは、始まらない。


とにかく、地方という言葉から、一般的にイメージされる最大範囲を、ここでは()()とする。


ひとつの地方と、その周辺の県に影響する範囲の、地場に根差した、歴史のあるグループ企業。その子会社のひとつが、川島の所属する会社である。


グループ企業も、地方と同じで定義が曖昧だが、それは雰囲気で受け取っておいてもらい、話は先に進める。


グループ企業の親会社、いや、持株会社(ホールディングス)なのかな?旗艦となる会社は、その地方で、絶大な知名度を誇る。そして、知名度は、ちゃんと全国区だ。


グループ内の、子会社やら関連会社の多くは、冠に親会社の名前が入っているから、グループ会社として分かりやすい。


ただ、名前が似ているから、親会社と混同されがちだ。興味のない人たちからすれば、同じ会社じゃないの?ということになる。


子会社なのに、親会社と混同される。ヒエラルキーを重んじる、吉岡さんあたりとしては、子会社が親会社と混同されていることは、よろしくないことのようで、時々、差別的表現で、あからさまに、子会社をけなしたりする。


吉岡さんは、もう定年で退職してしまっているが、在職中は、とても有用性が高かった。仕事の出来は、普通なのだが、彼の特殊な能力が、活躍する場面がある。


席決めだ。


それは、会議であったり、社員旅行のバスであったり、飲み会であったり、変わったところで言えば、行先予定表の順番であったり。


吉岡さんが決めた席順、順番には、誰も文句を言わない。かつては、言われていたかも知れないが、川島が吉岡さんを知るころには、すでに、()()()()()()いて、吉岡さんが決めたのならしょうがない、という域にまで達していた。


吉岡ランキングと呼ばれる、その序列は、吉岡さんが記憶する社員のデータを駆使して、決定される。


例えば忘年会。幹事は、部屋の間取りを店に聞き込みして、それを吉岡さんへ渡す。どこが上座になり下座になるのか、集まるメンバーをランキングして、配席する。


出身、学歴、経歴、実績、その他諸々を、吉岡さん独自の番付方法で、序列をつける。


ある時、役職が同じで、学歴経歴似たり寄ったりの2人の番付が、発表された。


「なんで、長谷川さんが橋元さんより上なんですか?」


「長谷川と橋元なー。地元で一緒の草野球チームに入っててな。長谷川は3番だが、橋元は7番なんだわ。」


「そこで決まるんですか?」


吉岡ランキングは、重宝された。幹事は、吉岡さんが言ったことだから、で逃げられるし、吉岡さんも、こういう理由だから、と自信たっぷりに、その理由を堂々と宣言する。異論なんか認めない。


余計な派閥争いをしなくて済むから、内心、幹部も重宝していた。なんせ、角が立たない。吉岡さんの仕業にすればいいのだから。


吉岡さんが退職してから、結構、揉めたと聞く。


だが、今は多様性の時代。そんな番付も今は、どこ吹く風なのかも知れない。


川島は、吉岡さんに、吉岡ランキングの番付理由を聞くのが、好きだった。


時々、突拍子もない理由があって、楽しいのだ。


閑話休題。


川島の所属する会社は、親会社から、社名の暖簾分けをうけていない。


社名だけ聞くと、どこの会社か分からない。


なぜ、その社名になったのか、という話を、川島は、中山と山根からきいた。

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