表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
川島式直接排除型除霊工法  作者: いけたらいく
§1.工法成立
9/198

何か出た

この作品は、フィクションです。作品に登場する人物名・団体名・その他名称などは架空であり、実在する人物・団体・その他名称などとは一切関係ありません。


裏に広いスペースがあるから、まずそこから片付けようという話になった。


恐らく、駐車場に使われていたのだろう。社宅の裏には広いスペースがあった。そこに、浄化槽もあるはずだ。…はずだ、というのは、裏のスペースは、草木が生い茂ってしまって、地面が見えない。表の通路部分は舗装もされているから、そこまでひどくはないが、裏は未舗装で、おそらく砕石敷程度だったと思われる。


もう何年も放置されていたに違いない。ちょっとした雑木林のようだ。


プレハブの休憩所や仮設トイレ、工事車両の駐車場として申し分ないスペースだ。とびの新田組の番頭、山下なんかは、ここまで広いなら、裏側の足場は大組にしませんか、と提案してきた。小椋は、レッカーを頼む予算はあるのだろうか、と頭をかいた。


監督の新見は、いいじゃないか、大組にしよう!と乗り気になった。


「草刈りは、工事に必要な為の、丸末さんところの都合だから、サービスでやってよ。もう先にやっておいてよ。担当には俺から言っておくから。かまわないから。」


営業の加藤が酷く渋い顔をしたが、付き合いの長い、大のお得意様の言うことだから、と小椋は承知した。


資料は、配置図と簡単な平面図、落書きのような給排水図しかない。新見には、杭があるかないかを聞きたかったのに、他の図面がないかの確認もとっていないようだった。伐採、草刈りの手配をして、その日の顔合わせの現調は終わった。


後日、草刈りの日、小椋は営業の加藤とやってきて、見積の為の測量を行った。


表で測量をしていると、裏で作業をしていたインドネシア人が小椋を呼びに来た。


「グマさん!なんか出た。」


仕事をもらえることは分かっているが、まだ契約もしていないのに、何かやってしまったのでは、ちょっと困ったことになる、と眉間に皺を寄せた。もし何かあったとしたら、新見は、逃げるだろう。ため息が出た。しかし、やってしまったものは仕方がない。小椋は開き直って、インドネシア人についていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ