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川島式直接排除型除霊工法  作者: いけたらいく
§3.施工事例その1 石田邸
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朝早く起きた日は

この作品は、フィクションです。作品に登場する人物名・団体名・その他名称などは架空であり、実在する人物・団体・その他名称などとは一切関係ありません。


通勤時間の計算について、距離だけに頼ってはいけない。


田舎は、車社会だ。公共交通機関の発達した都会の、数分毎、定刻通り運行する鉄道網の恩恵を田舎は受けていない。


田舎の通勤時間は、時間帯に大きく左右される。


川島の実家から勤務先まで、車で1時間程度かかる。交通量の少ない早朝なら、だいたい45分で着く。調子が良ければ、45分を切る。最寄りICとの位置関係を考えれば、高速道路を使うのと大差ない。渋滞に巻き込まれない程度に、早めに出るとなると、55分。通常なら、1時間ちょい。


だが、何かで、例えば長めのトイレとか、忘れ物に気づいてとか、何らかの理由で出遅れると、1時間半以上かかる。ほぼ遅刻確定だ。


朝の5分を違えれば、地獄を見る。


絶対に違えてはならない5分だ。


長い休みで、身体が二度寝に染まりつつあったが、夢見が悪かった為、川島は、いつもより早く起きた。


それでも、目覚ましのアラームに負けたのは、過去に一度っ切り。


折角、早起きしたのだから、どこか、早朝からあいているファストフードで、ハンバーガーか牛丼でも食べていこう、そうしよう。


ということで、川島は、早めに家を出た。


そういえば、川島の若い頃は、ファストフードではなく、ファーストフードと呼んでいた。いつ頃から、ファーストではなく、ファストと呼ばれるようになったのだろうか。そもそもファストフードが正しいのであれば、ファーストと呼んでいたのは、つまり、単に、なじみ深いFIRST(第一の)に引っ張られていただけか。ならば、ケーキも、ある日突然、ケイクとかケークと呼ばれ始めるのだろうか。


川島の感覚的に、変わり目だと睨んでいる時期は、ヨーロッパ発祥のファストファッションブランドが、日本で一気に展開し始めた頃だと、見ている。それまでも、日本発やアメリカ発のファストファッションはあった。ヨーロッパ発のブランドも、都会にはあったのかもしれない。ただ、川島の会社がある地方都市にまで、出店されるくらい、全国展開した時期に、メディアの露出が増え、ファストファッションという字が躍り始めた。


ファストファッションて、なんやねん。


と疑問に思った時点で、既に、世間では、ファーストフードがファストフードに、サササっと、すり替っていた。


現在(いま)では、最初からファストフードでしたよ、という顔をしている。少なくとも川島は、そう感じている。


ファストフードはありがたい。場所によるが、24時間あいている。


パンか、ごはんか、麺か。


運転中、お腹が空いた時に、ふと目に入る看板がある。赤地に黄色ロゴ。


そのハンバーガーショップのマーケターが、テレビで言っていた。なんか食べたいな、と思ってから、店にたどり着くまでのちょうどいい距離があって、その店からちょうどいい距離に、看板を出すのだと。


まんまと引っ掛かった。口がパンになっている。


そういえば、ハンバーガーのハンバーグとパンのことを、いつからパテだのバンズだのと言い出したのか。はじめからそうだったのか、ファーストフードからファストフードに切り替わったころなのか。


わかっている。心底、()()()()()()


ドライブスルーに入る為、ウィンカーを点けた。

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