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川島式直接排除型除霊工法  作者: いけたらいく
§2.異世界出張
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消失点

この作品は、フィクションです。作品に登場する人物名・団体名・その他名称などは架空であり、実在する人物・団体・その他名称などとは一切関係ありません。


空腹が、ある時点を境に、消失してしまう現象を、()()()()()()()、と言ったりはしないか。しないか。同様の事象は、眠気や性欲にも起こらないか。


特に、眠気について言及する。日曜夜の23時頃のテレビ番組がみたくて、睡魔と激闘を交わし、22時台を我慢して乗り越える。結果、番組の終わる23時半頃には、完全に目が覚めてしまっていないか。


何事にも、丁度いいタイミングがある。チャンスを逃せば、元の木阿弥。


川島は、注意深く、暗黒騎士(しんたろう)の様子を観察していた。


そして、ここぞとばかりに、子どもの頃によく聞いた台詞の、勇次郎を新太郎に替えて、母親の言い方、発声の拍子、声の調子を真似て、大きな声で、


「新太郎!もう帰るよ!」


ぴたっと、暗黒騎士(しんたろう)が止まり、川島の方へ振り向いて、


「うん。」


と言った。


さっと、宇宙船に飛び乗り、新太郎の手を引いて、


「ご苦労さん。もう大丈夫だ。」


サイモンを労って、漁船の面々には、


俺の服(ジャージ)は、また取りに来る。それまで、この制服は借りておく。」


と言い残して、兄と共にコックピットに乗り込んだ。


何かを惜しんで、この機を逃せば、()()()()()()、川島の望まぬ状態になるだろう。話の展開としては、そちらの方が、世界にとって都合もよいのだろうが、川島にも川島の都合がある。日常がある。仕事がある。


()()()()()


確かに、幾つか、承服しかねるところ、解決して気を晴らしたい点がある。しかし、損切りだ。


折角の休日。すべてを()()()()に捧げるつもりはない。


「しゅっぱつしんこー!」


新太郎の掛け声で、宇宙船は全速前進、呆気にとられたままのその他小勢を置いて、水平線の彼方へ消失した。

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