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川島式直接排除型除霊工法  作者: いけたらいく
§2.異世界出張
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会議

この作品は、フィクションです。作品に登場する人物名・団体名・その他名称などは架空であり、実在する人物・団体・その他名称などとは一切関係ありません。


机の上に、ごとり、と赤い石を置いた。


「返すぞ。」


それだけ言うと、川島は椅子に座って、足を組んだ。


「何も聞かないのかね。」


と老人は、赤い石を手に取って、川島に問いかけた。


「来週には、休みが明ける。時間がない。さっさとその幽鬼王とやらをどうにかして、領主様が言ったように、元の世界に帰らせてもらう。次の現場が待っている。」


それで終わりだ、と手を広げて見せた。そして、若者を見て、


「あんたは、あの領主様の?」


その先を促す。


「領主は、父です。私は、四人兄弟の末っ子で、」


そこで遮って、


「身の上まではいい。」


と手を振り、机をノックした。


「さあ、会議を始めよう。」


まず、幽鬼王とは何か、と川島は尋ねた。


幽鬼王は、幽鬼たちの親分で、霧の中に幽霊船に乗って現れる、という。幽霊船は、近海を彷徨い、船乗りたちを恐怖のどん底に叩き落している、という。幽霊船を怖がって、船乗りたちが海に出なくなり、海運業や漁業が滞り、港町が死んでしまっている、という。その港町は、領地内有数の、というよりは財源の半分を賄っている、という。


「実害は?」


川島の問いには、ふたりとも答えない。


「実害は、ないのか。」


指で机をリズミカルに叩きながら、


「海に王様がいるのに、幽鬼が森に居るのはどういうことだ?」


「おそらく、もともと森にいて大人しくしていたのが、幽鬼王の出現で何らかの影響を受けて、活発になったと、考えている。」


「そうか。」


「俺なりに、考えてみたんだ。なぜ、年端もいかない頃の俺に、助けを求めてきたのか。」


指を止め、


「幽鬼王は、俺の兄か、叔父なんだろう?」


「兄だ。」


老人が答えた。


川島は、頷いて、


「じゃあ、兄貴を連れて、家に帰ろう。」


成仏はしていないだろうと思っていたが、こんなところで遊んでいるとは、川島は、頭をがしがし掻いて、


「じゃあ港へ行こう。足は、用意してあるんだろう?」


この町は、どうも()()()()。関わり過ぎると、何かが()()()()()()()()。手っ取り早く済ませて、母親の所へ兄を連れて帰ってやろう。


川島は立上り、出発を急かした。

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