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川島式直接排除型除霊工法  作者: いけたらいく
§2.異世界出張
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キャッチアンドリリース

この作品は、フィクションです。作品に登場する人物名・団体名・その他名称などは架空であり、実在する人物・団体・その他名称などとは一切関係ありません。


生命が脅かされていても、生命が奪われるという事実に気づくその最後の瞬間まで、どこかで自分は死なない、という気持ちがあって、その上で損得、利害を計算して行動する。客観的には、とても愚かだ。その言動が、行為が、死へ続く一本道だというのに、本人は、主観としてそれを認識できていない。


その行動がもたらすものが、どんなに破滅的なものか、どれほど深刻な事態を招くのか。当事者は、理解はしていても、自覚はしていない。冷静に考えればわかることでも、自分はそうではないと棚に上げ、手遅れにならないとわからない。醜聞で燃えて消えていく有名人たちは、それでも中には不死鳥のように蘇るものたちもいるが、力なきものや、潜在的に嫌われていたものたちは、戻っては来れない。


さて、幽鬼というくらいだから、死者なのだろう。


一度、死を経験していて、こうしてまた、存在の存亡にかかわる状態に陥ったことに対し、あまりにも無防備ではなかったか、と自省できているのか。これらには、意識があるのか。記憶はあるのか。感情はあるのか。まさか、一度死んでいるから、もう死なないとでも思っていたのだろうか。


意識、魂とでも呼ぼうか。魂があるなら、思っていただろうな。


青白い。あいつは、灰色だった。


色は、個体差なのか、種別なのか、等級なのか。あいつを掴んだ時より、身体に来る痺れというか、電気信号というか、ビリビリ感は、微弱だ。ならば、暫定的に、等級ということにしよう。こいつは、青白帯。あいつは、灰帯。


じたばたしている。


灰帯が逃げられなかったのだから、こいつが逃げられるわけない。


「カワシマ殿、それ…は…もしかして…。」


頷く。


「町へ持って帰るのは、()()だろうか?」


ハリスがゾッとした表情を浮かべて、断固拒絶した。


「ダ、ダメですよ!!!」


「無し、でしょうね。」


サイモンは、剣を鞘に納めた。


「しかし、捨てて帰るわけにもいかないよな?」


捨て猫を拾ってきた子ども(カワシマ)両親(サイモンとハリス)、という図式になったが、ネコではなく、幽鬼だから、しょうがない、という結論を、おまわりさんとしては、出せない。


「そうかそうか。じゃあ、いったん、持って帰って、あのじーさんに見てもらって、で、判断しよう。ダメだったから、また森に持ってきてかえせばいいじゃないか。」


森に引き返すつもりは毛頭ないが、何か案を出さないと、()()()()()は、結論を出さない。


質疑書を出す相手の技量にもよるが、問題点を提示して、解決策を相手に全面的に委ねると、なかなか回答は返ってこない。質疑の提出先が、監理(サラカン)でもないかぎり、だいたい専門家ではない。()()()()()()に、指示を仰ぐだけでは、回答が止まってしまう。それは、とても不親切なのだ。問題点は明確だが、解決方法が漠然としたままでは、回答できない。だから、解決策を複数案、2案か3案を提案する。案があれば、判断がしやすい。回答が早く帰ってくる。


今回、出した案は、1案だが、先方(サイモン)は、乗ってきた。


「わかりました。そのかわり、絶対に離さないでくださいよ!」

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