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川島式直接排除型除霊工法  作者: いけたらいく
§3.施工事例その1 石田邸
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呼出音

この作品は、フィクションです。作品に登場する人物名・団体名・その他名称などは架空であり、実在する人物・団体・その他名称などとは一切関係ありません。


川島の性格上、()()()()しまうと、逃げなくなる。


部長の話では、石田さんは、川島とだけ、話がしたい、と言っている。


「いや。俺、現場の人間ですよ?」


「わかっている。」


すっ、とメモを寄越した。


「石田さんの連絡先だ。」


「はい。」


受け取って、数字を読む。


「……。」


「……。」


「かけろよ。」


「え?」


「石田さんに、連絡しろ。」


「部長の目の前で、ですか?」


「そうだ。」


「それは、石田さんの意に反するのではないかなあ。」


ぶつくさ言いながら、会社から支給されている携帯で、石田さんに電話を掛けた。


リングバックトーンが、1回、2回、3回、


川島は、呼び出し音のコール6回以内に、相手が出なかったら、電話を切ると決めている。


4回、5回、6回、切る。


「出ません。」


「そうか。ま、掛かってきたら、教えてくれ。」


部長が席を立ったので、一緒に席を立った。打合せ室の使()()()()()に替えて、部長とわかれた。


この話で、川島の心当たりは、ひとつしかない。


そして想像する。石田さんが、奇妙な依頼方法だと認識した上で、ここまで慎重に、川島だけとコンタクトを取ろうとしているのは、どういう状況かを。


おそらく、末期だ。


()()が、起こった。


石田さんを、()()()()()()()だと、()()する。だから、その()()に対しての初動は、怪談でよくあるように、お祓いには、頼っていないはずだ。そもそも、()()()()()は信じていないのだから、常識的に考えられる範囲で、一般的な手段で、解決に向けて動いたと、推測する。


そして、その常識的な解決策が、すべてうまくいかなかった。


八方塞がりになっていたはずだ。


常識的な一般人と、お祓いができる霊能者は、同じ圏内にはいない。


しかし、調べれば、()()()()()()会社と分かる五輪建設は、常識的な一般人と同じ圏内にいる。


常識的な一般人は、超常的な解決方法に対し、強い疑いを持っている。


これについては、超常現象を信じざるを得ない体験があったのかも知れない。


体験を経て、一般常識を捨てたにしても、大多数が、一般常識を是としている世の中である、という認識はある。つまり、あちこちに、超常現象の相談をするのは、思慮の足りない行動だ。ましてや吹聴などもってのほか。現代社会で、世間の目を考えた上で、生活を続けていく上で、超常現象を信じている、というのは、大変に、()()()()


どうしたものか、と悩み事を抱えているところに、川島の噂が聞こえてきたのだろう。


あやしい霊能者よりも、相談しやすい相手として、川島は最適だ。


まちがいない。これは、逃げられない奴だ。


もう、()()()()()しまっている。

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