セーキ、開拓するってよ!
ユニーク800人を超えました。
ありがとうございます。
それから、ブックマークいただきました。
ご飯がおいしいです。
広場には、何人かの老人と子供たちがいた。
その他の大人たちは、どこかに働きにいっているのだろう。
そんな彼らを横目で見ながら、ユーリ・エイシャー、サリバンさんに続いて、自分とツッチー、肩口に座っているだけだけど。そしてシルバが続いていた。
子供たちが物珍しいためか、付いてきそうな感じだったが、サリバンさんに追い立てられていた。
ちょっとかわいそうに。
『村長、サリバンだ、いるかい』
サリバンさんが中に向かって声をかけながら入っていく。
シルバには、玄関口で待ってもらうことにし、ユーリと自分が中へと進んだ。
少しすると。奥の部屋からサリバンさんが顔を出し、中に入れと手招きをした。
『腰掛けられるところで座ってもらいたい』
村長が皆に促す。
『セーキといったね。サリバンはよくしているかな』
うなづいて肯定した。
『そうか、それはよかった』
村長のエリンは、ちらりとユーリ・エイシャーを見た。
『本当ならば、このことは私とサリバンでおさめたかった話しなのだが、ユーリ・エイシャー。そこのところはわきまえてもらえるかな』
『なんですか?村のことに大きくかかわることですか?』
『そうだな。それだけに、ここで話すことは当面のあいだは、誰彼話すことはしてもらいたくない』
『…………わかりました。守りましょう。ただし、守り人として、そのことが村に害になるのであれば撤回します』
『そうか、そうはならないと思う。サリバンがいうには、彼自身は害になることはないだろうが』
あらためて村長が皆を見まわしてから口を開いた。
『彼、セーキは水魔法が使える。そして、土魔法もだ。これは当面の間、秘密としたい』
『な、なんですって。水魔法ですか!』
ユーリが声を上げる。
『そればかりではない。おそらく、だ。彼は異邦人だろう』
『ちょっと待ってください。それは村の、というより、この国のではないですか』
『だからだ、いずれ王都に知らせるが、だ。その力を村に残してもらってから、ということになる』
『力を残すとは、なんですか?』
サリバンがきく。
『開墾と、できれば血筋だな』
「ちょっとまってください、それは自分の意思を無視しすぎじゃありませんか?」
『セーキ、君が何を言わんとしていることはわかるつもりだ。でも、これはあくまでもお願いなのだ』
『せめて、開墾を手伝うくらいはやってもらえないかな、セーキ』
サリバンさんがつとめて冷静に話しかける。
考え込むそぶりをしながら、目線を外す。
いやいや、無理だろう。
いままで彼女もいなかったような人間がいきなり子作りとか。
開墾はわかる。
それは何とでもなる。
土魔法があって、水魔法まで使えるなら、大抵のことはやれそうな気がする。
『開墾をもとめるにしても、さわりがあるのではないですか』
『ウィンストンだな』
『それについては考えがある。知られることなくできる、だろう』
村長がこちらに向く。
『セーキには、開墾をお願いしたい。まずは、エイシャーの裏側一帯を頼みたい』
『そうか、ウィンストンも目が届きにくいというわけか。それにあそこは手つかずといっても、もともと段取りついていたところだしな。広がっても文句のないところだ』
『そうだな、それが終わったら北側の、ちょうどうちの裏辺りになるだろうか。そこまで広げてもらえれば、うちの村も安定するようになる』
しぶしぶ肯定した。
『よかった。そうなると、見張り小屋というのも都合が悪いから、エイシャーの近くに小屋を設けよう』
「ロッポはどうなります?」
口に手を当てて牙を示した。
『ああ、あの大イノシシだな。村長、セーキの連れに大イノシシがいるんだ。ユーリがいうには調教師なんじゃないかというんだが』
『うむ、たしかエイシャーの先にも門があったのでなかったか』
『ありますね』
『では、そこの辺りにいてもらうしかないかもな』
『それでは、彼はエイシャー家が預かるということになるのですか?』
『いや、あくまでも私の下に、ということになる』
『そうですか、わかりました。なにかあれば、エイシャーの客分ということにしましょう』
『そうしてもらうと助かる。たとえ四家であっても、一つの家に寄せるのはまずかろう。ましてや、ウィンストンには、形になるまで知られたくはない』
そういう村長の顔には、暗いものを感じた。
『あと、あれだ。石人形だな』
『ああ、石人形には中に入ってもらっても構わんよ。さて、話も決まったことで、準備してもらうかな。セーキは小屋が建つまではこの家にいてもらいたい』
肯定した。
『小屋の準備などは、サリバンがやってくれ』
『わかった』
『エイシャーの当代には私から伝えるが、ユーリ、セーキとは仲良くしてもらいたい』
『わかりました』
『では、セーキ。部屋を案内しよう』
サリバンさんとユーリは、部屋から出て行った。
村長に連れられていった部屋は、書斎のような部屋だった。
『ここはね、妻の部屋だったんだ。あまり本とかはないが、暇つぶしに読むがいい』
ってことは、奥さんとかが使っていたベットということかな?
『ああ、妻は2年ほど前に病気で亡くなったんだ。だから気にせず使ってくれ』
頭を下げた。
村長が出て行ったので、ツッチーをおろしてあげた。
ツッチーは辺りを見渡していた。
そうだ、シルバを連れてこないと。
部屋を出て玄関にいるシルバに声を掛けた。
「シルバ、部屋に入ろう」
シルバが入ってくると、奥さんの部屋まで連れて行った。
「シルバ、楽にしていてくれ」
シルバは、最初どうしたらいいかわからずにいたが、ベットのそばにイギリスの衛兵のように立っていた。
ツッチーはといえば、窓際にあった器が気になっているらしく、床から眺めていたので、机の上にのせてあげた。
自分といえば、書棚の本をながめてみるが、わからない文字が使われていることがわかるが、なぜか意味が伝わってくる。
異言語理解の効果かな、そういえば詳しく見ていなかったな。
手を見つめて、スキルの異言語理解を見つめる。
異言語理解 主言語と異なる言語を意訳する 文字は変換しないが理解することはできる
ぬう、わかっていることだけか。
視界に出しておけば、オンオフくらいはできそうだけど。
見つめていた本の題名が目に入った。
『創世記』




