神父様は付与魔術師
なむなむなむ、、。
教会の祭壇で祈りを捧げていると、気配を感じた。
ゆっくりと体を戻し、祈りを終える。
というかね、祈りのやり方なんか知らないんだよね。
村の人間も、皆見様みまねだ。
(良いのだ、大事なのは気持ち!そう、きもちっ)
俺が振り返ると神父様が立っていた。
「ごちそう様でした」
「お粗末さまでした」
神父様がにっこりと笑う。
癒される。
「お粗末さま、ですか、異世界の言葉は難しいですねぇ」
「意味は何でしょうね?粗末なモノで、ゴメンなさい、でしょうか?」
「美味しかったですよ?以前より、どんどんと腕を上げています、街で料理人になりますか?」
「料理人ですかぁ、、嫌じゃないですけどぉ」
嫌じゃないと言いながら歯切れの悪い俺に、神父様が笑う。
「まあまあ、アオは何にでも成れるのですから、焦らず道を決めたら良いのでは無いですか?」
「はい、神父様の仰せの通りです」
俺が恭しく頭を下げると、神父様はまた笑った。
俺は今代の神父様になってから、『村一番の敬虔な教徒』だ。
暇さえあれば、暇でなくとも教会に来ている。
理由は簡単、神父様は俺と同じ付与魔術師なのだ。
付与魔術は以前は『貧乏人の魔術』と呼ばれる程の不遇職だった。
魔術ひとつを覚えるのに、多額の金が必要だったのだ。
まあ、今でも必要なのだけど。
状況が変わったのは今代の王様の施策だ。
宰相様だったかもしれない。
国の施策で基本的な『冷』『温』『保存』が、付与魔術師の才能がある者は、無料で学べるようになったのだ。
お陰で街の暮らしは良くなり、流通は広がり、
多くの辺境で開拓村が出来た。
つまり、この村だ。




