4/37
肉の仕込み
村を流れる小川で水を汲み、兎をバラしに掛かる。
わざわざ汲む必要性はあまり無いのだが、下流の人への気遣いだ。
(洗濯物に血が着くとか、悪いしな)
村の人間が粗末な服しか持っていないとしても、だからと言って俺が無遠慮で良いとはならないのだ。
河原の良さげな石に『鋭利』を掛けて、即席のナイフに仕立て上げる。
『温』を細かく使いながら、兎の油を溶かしつつ皮を剥いでいく。
「ふぅ、、」
たっぷりと慎重に皮剥ぎを終え、内臓を抜きに掛かる。
皮剥ぎを慎重にするのは、これが売り物になるからだ。
肛門を外し、腹の表面を裂き、細い骨を指で折りながら中身を抜く。
胃と消化器系と、その他を分けて取り置く。
こちらは手が掛かるから、後回し、、
内臓を抜いた肉を一旦冷水で冷やし、菌の繁殖を防ぐ。
俺も『洗浄』『浄化』で手を洗い、おまじないをしておく。
辺境のこの村で腹を壊すというのは、結構危ない事なのだ。
1/3の仕事を終えて、軽く伸びをする。
木の影で作業をしているといえ、昼を過ぎた一番暑い時間だ。
「うっし!」
木に『冷』を強めに掛けて、気を入れ直す。
肉の仕込み、内臓の処理、皮の洗浄、、まだまだ仕事は多いのだ。




