臭い
仕留めた鹿を担ぎ、ニッダさんが使っている河原の解体小屋に向かう。
小屋とは名ばかりの、大木を利用して屋根だけ張った掘っ立て小屋?だ。
木の枝の滑車から伸びるロープに鹿の足を開いて吊り下げ、解体準備をする。
ここからグルグルと鹿を回しながら解体を進めるのだ。
※※
太陽が真上近くになった頃、河原の土手の上からソフィアさんが声を掛けてくる。
お昼ゴハンの時間だ。
「お疲れ様ぁ〜」
「おぅ」
ニッダさんと共に手足を川で洗い、土手を登る。
ソフィアさんはいつもの場所にシートを敷いて待っていてくれた。
「どう?調子は」
「狩りは順調、やっぱアオはすげぇや。
森の外で待ってるだけで済むから、楽チン」
ニッダさんが笑う。
俺も笑う。
「俺もあのサイズのオス鹿を仕留めるのは時間が掛かるし、危ないし。
追うだけでニッダさんが仕留めてくれるなら、楽チンですよ?」
皆が笑う。
本来はもっと何日も森の中で獲物を追い、森の奥から運んでくるのにも手間が掛かるのだ。
ふたりで2日に1回獲物を仕留め続けるというのは、かなり特異なのだ。
「ダンジョンより儲かる」
とは、ニッダさんの談だ。
ダンジョンはもっと大人数で潜るので、獲物が増えても儲け・分け前はそうそう増えない。
危険も多い。
慣れた森で確実に獲物を仕留めて、毎日家で寝るというのは健康に良いしなっ!
※※
「週末は教会に行く」という約束なので、7日の内で2日を狩りをして、1日を教会で過ごすルーティンだ。
2週間は神父様は俺の狩りで学んだ話をニコニコと聞いていたが、
3週間目に問題が起きた。
「アオ、風呂に入りなさい」
静かに、しかし有無を言わせない神父様にビビる。
俺は自分では気付かなかったが、森で野生児化した俺は神父様的には許せなかったらしい。
臭かったのかな、、。
次話は17:00になります。




