狩人見習い
「提案なんですがねぇ、アオをこっちで預かるってのはどうですか?」
ニッダの言葉に村長が眉を寄せる。
「それは狩人か、冒険者か、、伯爵家のお抱えに仕込むって話しか?」
村長はコップをジッと見つめて問いかける。
「狩人ですねぇ、、本人が望めば他も考えますが」
「、、フン」
「村に残ってても、何かと思い出してギクシャクするかもでしょ?
森の中で獲物でも追ってれば、すぐ忘れるでしょ」
ソフィアの言葉に村長は首の後ろを掻きながら、不満そうにへの字にクチを曲げる。
出来れば、村長としてはアオに統治や、村長の仕事を学んで欲しい。
しかし、7歳の子供に求め過ぎなのは村長も十分理解しているのだ。
「週末は教会だ、神父様を心配させる訳にはイカン。
工事現場には極力入らせんが、入る時は俺か副村長と一緒だ」
村長がため息混じりに言うと、部屋の皆が声を出さずに笑った。
※※
『快速』を働かせて森の中を駆ける。
小枝や藪の葉が肌を叩くが『快癒』が働き、小傷を癒す。
一瞬『跳躍』をして視界を確保し、正面で逃げるオス鹿の尻を捉える。
空中で木の幹を蹴りつけ、更に加速する。
俺に追いつかれつつある事を察した鹿が、右手に方向転換をする素振りを見せる。
すかさず鹿の右手の藪に、手に持った小石を投擲して、鹿の気を逸らす。
藪に何か居ると錯覚した鹿が足踏みをして、また正面に向けて走り出す。
ニッダの待ち構える正面へ。




