統治
「皆、聞け!」
村長が大声で一喝する、さすが元騎士だ声が通る。
「彼の者は仲間である村民の個人財産を奪い、村の長である私の命に逆らい、賦役から逃れ、隠れようとした。
これは″罪″であるっ!」
村長が輪をグルりと見渡す。
心の弱い村民はビクりと体を震わせる。
俺は胃がキュンキュンとする。
「村人イーサンよ、何か存念があれば聞こう」
「もっ、申し訳あり、ません」
イーサンくんがポロポロと泣き出す。
村長は黙って見下ろしている。
村長の「聞こう」は優しい声色だった。
しかし悲しそうな目をしている。
「、、恐れながら申し上げます」
「イーサンの父トーサンよ、聞こう、存念を言え」
「はっ、、息子の不始末は家長である私の責任、、どうか罰はわが身にお願い致します。息子は必ず更生させ、二度とご領主様のご不快とならぬよう、キツく指導致します、、」
ふぅ、と村長がため息をつく。
「トーサン、、それに皆もよく聞け」
「村は共同体だ、皆が一丸とならねば厳しい開拓事業は成らんのだ。
幸い開拓村が始まって3年、これまでは大きな問題なくここまで来れた。
村の者の中には、自分の家を増築出来る程の余裕も出来た。
しかし、安寧が心のタガを緩ませ、共同体を壊す事は許されない、分かるか?」
村長が皆を見渡す。
「事は貴族席の末席である私の、好不快では無いのだ。
これは単なる村の統治の話しではなく、
大きくは王国法に基づく、絶対に譲ってはいけないものなのだ」
そう、これは法の統治の問題なのだ。




