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村長視点

‐村長宅


机に向かい止まらず、黙々とペンを動かす小さな子供を見る。


(隙だらけだな)



村の外れの奴隷の息子、アオ(7歳)だ。

この村を開拓した3年前、家族の後ろをヨタヨタと着いて来ていたのを覚えている。


父親が街で詐欺に合い、借金奴隷として働き口を探していたのだ。

前職はガラス工房で下働きをしていたそうな。



ガラス職人未満では引き受け手が掛かりにくく、それでも時間を掛ければ、

身請け金次第では受け手は着いただろうがタイミングが良かった。


妻は裁縫職、男の子が3人。

新規の開拓村としてはこれ以上無いくらいの掘り出し物一家だったのだ。



妻が居れば家庭を任せて農作業が出来る。

子供はやがて大きくなり、働き手に育つ。

村の内外から女を宛てがい、結婚して家を分け、また家族が出来る、、。


この国では基本的に女が嫁ぐのが一般的だからな。



上の子らも体格良く育ち、農作業をこなしているが、問題はこの子だ。

5歳の教会でのスキル確認で『付与魔術師』と判明した。


付与魔術は以前までなら『貧乏人の魔術』と揶揄(やゆ)されていたが、

今代の国王陛下の施策により、基本3魔術を無料で習得出来るようになった。

ハッキリ言って、大当たりだ。



『冷』『温』『保存』、水を冷やし暑い夏をしのぎ、

日々の食事で湯を沸かし、パン釜や部屋を温め、

収穫物が出来れば長期保存が出来る。


勿論魔力次第で何でもいつでも出来る訳ではなく、子供に魔力切れなどさせる無茶は出来ないが、

アオは魔力切れを見せる気配が無い。

皆には言い含めているが、村の皆は私を含めてアオに感謝をしているのだ。



新しい神父様が付与魔術師という事もあり、今は神父様に師事をして、

嫌がりもせず、ちょこちょこと教会に通っている。

とても良い子だ。



その特異性を除けば。

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