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朝の仕事
朝日が稜線から顔を出す頃、家の備え付けの樽に川から水を運ぶ。
、、フリをして、『出水』の魔術で水を注ぐ。
家族には内緒なのだ、母にはバレていそうだが。
(満杯はやり過ぎだな)
樽の7割まで水を足し、魔術を止める。
ほどほどに、バレ無いように。
まあ、バレたらどうなるのかは分からないのだが、分からないから慎重に進めたい。
そもそも家族で暮らしているのだ、隠し通す事は不可能だろう。
せめて少しずつ農作業を楽にしながら、自由時間を作るだけだな。
皆が起きる前にカマドに『着火』で火をつける。
『着火』を付与した長めの木を、薪の間に突っ込むだけだ。
すぐに火が薪に回るので、鍋に水を汲み入れ、温める。
白湯に、固パンに、酢漬けの野菜。
毎日変わらない朝の食事だ。
「そう言えば、、」
棚の干し肉のストックを見るが、全て食われていた。
「ちっ、、」
小さく舌打ちして、ロクでなしの兄ふたりを思う。
どうせ奴らだ。
しょうが無い、しょうが無い。
腕の数珠に着けた『鎮静』を使い、気を鎮める。
すぐに『鎮静』が効き、頭が冷える。
便利ー、ちょーべんりー
取り敢えず朝飯を食って、畑の雑草を取り、水を撒き、収穫をして、、
昼からだな、昼から森に入ろう。
俺の怒りは見知らぬ獣に、お肉になってもらおう。




