エリーちゃん
7歳で変わった事は無かったけど、変わったのは兄貴だった。
5つ上の兄貴は、12歳。
兄貴は騎士爵の村長さんの娘さん(13歳)に恋をしたのだ。
これを「身分違いの恋」と言って良いのかは分からない。
所詮、騎士爵で村長だものなぁ。
いや、奴隷の息子の俺が言う事では無いんだけども。
村長にしたって、兄貴が娘の婿になるのか、部下になるのか、
はたまた奴隷になるのか、奴隷のようなカモになるのか、そんな事は分からない訳で。
まあ、子供同士仲が良いなら、良いんじゃね?と放ったらかされてる。
困っているのは村長の娘のエリーちゃん(本名:エリザベス)が、俺にご執心な事だろう。
「ねぇ、何見てんの?」
「、、、」
「ねえ、無視しないでよ」
「、、、」
エリーちゃんが俺の足を踏んづける。
俺は『快癒』を使いながらも、痛いフリをする。
「ぐぅ、、何だよぉ」
「無視しないでってば!何見てんの?」
「行商の商品のリストだよ、、見りゃ分かんじゃん」
「分かんないわよ、私、字が読めないしっ」
自慢すんなよな。
「、、行商のオレインさんが毎月何かと持って来てくれるよね?
何か良い物や、頼めば持って来てくれそうな物が無いかなって、さ」
ほーん、とエリーちゃんが俺の見てるリストを覗き込む。
見ても読めないんでしょうに。
「新しい種か、、寒冷地で採れた種籾か、、
連作障害対策に豆も欲しいかも」
俺がそんな事をぼんやりとクチにすると、
「さすが未来の村長さまねっ!」とエリーちゃんがのたまう。
いや、勘弁して下さいよ。
嫌ですよ、兄貴と兄弟なんて。




