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その瞬間、引き離された兄弟の放つ金色の光がピアディに届いた。
光はピアディの身体を包み込み、浄化の力が満ちていく。
「うわわ!? まぶちいのだ!」
金色の光が眩く輝き、ピアディの身体からパキンという音がした。
「はう!? 今、なにかわれの中で割れたのだ……?」
ピアディの身体がキラキラと虹色に光り、透明な枷が剥がれ落ちた。
長い年月、海の底で穢れを抑えて失われていた力の一部が戻ってきたのだ。
突如、自己嫌悪に萎れていたピアディの頭がシャキッとスッキリした。
「ハッ!? 思い出したのだ、われはキュートが売りのウパルパ!」
そう。とても大事なことを思い出した。
「戦うのはわれの役目ではないのだ!」
ピアディの大きな青い目がキラキラと自信満々に輝き、胸をぷるんと張った。
口を大きく開けて、光がやってきた方向へ向けて――ぷぅっと息とともに虹色の魔力を放った!
「われは祝福を与える者、歌聖ピアディなり! ケイ、兄よ、受け取れなのだぷぅー!」
そう。ピアディは戦いにおけるサポーター、バッファーだ。
安全な場所で仲間に守られながら、後方支援を担当するのがお役目だった。
そうして世界を守り、祝福を与える聖なるサラマンダー。
それが千年後の未来でのピアディの姿だった。
だから最強の聖賢たちが家族として、仲間としてピアディを守ってくれていたのだ。
「ラッキーサラマンダーの幸運増し増しバフ!」
「『幸運値フルマックス・インフィニティ』なのだぷぅー!!!!!」
「「!?」」
ピアディのバフがケイとテオドールの身体を包み込んだ。
二人の身体が再び金色に輝きだす。
「身体が軽くなった……!?」
ケイは驚き、拳を握り締めた。
「力が漲ってくる……!」
テオドールも身体が軽くなり、力を取り戻していた。
ピアディのバフで二人のステータスの幸運値は今、限界まで上昇した。
「∞」が付加された究極バフだ。
「ふぅ。間に合ったのだ。二人とも大丈夫かなのだ?」
「ピアディ、無事だったか!」
闇の中を虹色に光りながらふよふよ浮かんで、ピアディがすいーっと、水の中を泳ぐようにスムーズに寄ってくる。
「ふふん。ピアディ様の加護を付与してやったのだ。これで闇の奴らなんて怖くないのだ!」
ピアディが胸を張って言い放った。
全身から虹色の煌めきが放たれ、闇で浸された異次元空間を照らし出している。
「効果は長くは続かないのだ! 一気に倒すのだー!」
その光景をロットヴェインが見て驚愕していた。
「馬鹿な! 闇の牢獄で光を取り戻しただと!? 不味い、不味いぞ、このままでは本当に勇者に完全覚醒してしまう!」
そうなったらロットヴェインでも敵わなくなる。
勇者の真の力は――この世界では無敵だ。
「ならば、我がこの手でで葬ってくれる!」
ロットヴェインが闇の化身を生み出し、ケイたちに襲いかかる。
闇の化身は巨大な獣の姿をしており、闇のオーラを纏っていた。
「闇に飲み込まれよ、愚かなる勇者ども!」
闇の化身が咆哮を上げ、鋭い爪で襲いかかってきた。
空間が歪み、闇の波動が二人を包み込んだ。
「来るぞ、兄さん!」
ケイが剣を構え、闇の化身に立ち向かった。
「ああ、共に戦う!」
テオドールも光を練り、闇を打ち払う準備をした。
ケイが剣を振るい、闇の化身の爪を打ち払った。
金色の光が闇を切り裂き、空間が揺れた。
「くらえ! 一閃!」
ケイが勢いよく斬りかかった。
闇の化身が呻き声を上げ、後退した。
テオドールが光を剣にまとわせ振ると、矢のように放った。光の矢は勢いよく闇の化身の胴体を貫いた。
闇の化身が苦しみながら後退し、闇のオーラが崩れた。
「馬鹿な……まさかここまでの力とは……!?」
闇の化身が苦悶の声を上げた。
ケイとテオドールは追撃の手を緩めなかった。
ピアディの強いバフの力を得て、そしてついに――闇の化身を撃破した。
「「やったか!?」」
「倒した! 倒したぞ二人ともー!」
兄弟の光の力が共鳴し、闇の化身を完全に消滅させた。
闇の牢獄が砕け散り、異次元空間が崩壊を始めた。
「もうこんな暗い場所からはオサラバするのだ! 急げ相棒、兄も!」
異次元空間が崩壊を始め、二人は虹色に光って浮かぶピアディの先導で脱出のため即座に走った。
「俺たち、戻れるのか……?」
ケイが不安そうに呟いた。
「ああ、このウパルパがいれば大丈夫そうだ」
テオドールが希望を込めて答えた。
闇の中に残されたロットヴェインは憎しみに震えていた。
「何ということだ。この我が負けた、だと……? そして、あのピンクの不細工カエル……」
ロットヴェインは屈辱に震えながらも次元の支配を強化するため、さらなる闇の力を求めた。
「私は、大陸すべての王となる身ぞ! 全ての世界を闇に染め、絶望の未来を創り出すのだ!」
ロットヴェインは陰謀を諦めていない――




