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「変えない意志と変わる色」  作者: 揺木 わかな (ゆらき わかな)
1節

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4/18

体験

伊織「強(つよ)い意志(いし)込(こ)めて制作(せいさく)した何(なに)かには、決(き)めたことの貫(つらぬ)く信念(しんねん)、形(かたち)になり、現(あらわ)れるという、古来(こらい)より伝わる風説(ふうせつ)なの。」


そう言(い)われて、葵(あおい)は、伊織(いおり)と共(とも)にお守(まも)りを作(つく)る体験(たいけん)に参加(さんか)した。小(ちい)さな四角(しかく)い布(ぬの)のこと縫(ぬ)い合(あ)わせ、刺繍(ししゅう)をして完成(かんせい)する作品(さくひん)作(つく)りに、人(ひと)は集(あつ)まっていた。



伊織「音歌(おとうた)市(し)やことのはタウンに残(のこ)る歴史(れきし)に、確定(かくてい)したこと変(か)えたりしない強(つよ)い意志(いし)は、大切(たいせつ)な宝(たから)や己(おのれ)のいる土地(とち)を守(まも)る力(ちから)となり、他(ほか)に負(ま)けない勢(いきお)いをつけられるとのこと。」


葵「詳(くわ)しいね。そんなに歴史(れきし)とか、わからないのに、わかりやすく伝(つた)わるよ。専門家(せんもんか)みたい。」


そう話(はな)しては笑(わら)い合(あ)い、制作(せいさく)は進行(しんこう)していた。


葵「ことのはタウンに伝(つた)わる石(いし)は、硬炎(こうえん)極(きわみ)というのよね。それ、たしか、この土地(とち)に大(おお)きな変化(へんか)を起(お)こさせた、強(つよ)い意志(いし)と信念(しんねん)の力(ちから)、込(こ)められているのよね。」


伊織「なんかそうらしいね。効果(こうか)範囲(はんい)はとても広(ひろ)くて、ことのはタウン総体(そうたい)とか。その石(いし)の力(ちから)により、意志(いし)の異(こと)なる合(あ)わない気質(きしつ)は寄(よ)せ付(つ)けないみたい。」


葵「それなのに、このまえ、不可解(ふかかい)なよくない気質(きしつ)に見舞(みま)われたの。おかしいよね。なにかおきるのかな?」


伊織「さあ。そんなにかわらないといいよね。今(いま)、安心(あんしん)してくらせてるから。」


葵「そうよね。」


?「よくない気質(きしつ)は、大(おお)きな本質(ほんしつ)と異(こと)なる意志(いし)のあり方(かた)により、変化(へんか)を起(お)こすらしいね。」


葵・伊織「ん?」


?「そう大人(おとな)に習(なら)ったよ、さっき。」


他(ほか)の人(ひと)の声(こえ)聞(き)こえたと思(おも)い、そちらに目(め)を向(む)けると、小(ちい)さいお子(こ)様(さま)はそこにいた。


よつは「あたし、よつは。おんなし体験(たいけん)に参加(さんか)していたから、他(ほか)の人(ひと)の作品(さくひん)見(み)に来(き)たの。みたからもういいや。さよ。」


そうして一言(ひとこと)話(はな)すと、気(き)ままにあちこち周(まわ)りにいくのをみかけた。




伊織(いおり)と葵(あおい)は、話(はな)しているうちに体験(たいけん)終(お)わり、形(かたち)作(つく)れたお守(まも)りは、たいせつに懐(ふところ)にしまうことにした。


長期間(ちょうきかん)大切(たいせつ)に持(も)っておくことにより、力(ちから)は強(つよ)くなるとのこと。家宝(かほう)にしたら、果報(かほう)はおこりやすくなるとか。


少(すこ)しお散歩(さんぽ)して美味(おい)しい空気(くうき)吸(す)い込(こ)み、心地(ここち)よくなる。

異変(いへん)の起(お)きない日(ひ)は、安心(あんしん)してくらしていける。落(お)ち着(つ)いた毎日(まいにち)経過(けいか)していけるのは、なにかのいしに守られているからなのかもしれない。



ーーーーーー


伊織「ことのはタウンと音歌(おとうた)市(し)は、強(つよ)いいしの力(ちから)により分(わ)かれたと言(い)われているの。」


葵「それって、伊織(いおり)の付(つ)けてる留(と)め用品(ようひん)にも、その力(ちから)あるの?」


伊織「そう。この髪(かみ)留(と)めは、音歌(おとうた)市(し)の象徴(しょうちょう)、『白瀬(しらせ)』という石(いし)を利用(りよう)して作(つく)られている。」


葵「いしの力(ちから)により世界(せかい)は形(かたち)つくられる…といわれているのよね。なんと不可解(ふかかい)な。」


伊織「みんなは、その力(ちから)により守(まも)られているから、なにかの異変(いへん)起(お)きる時(とき)は、その土地(とち)の象徴(しょうちょう)と異(こと)なる、他(ほか)のいしの力(ちから)、反応(はんのう)しているのかも。」


葵「不可解(ふかかい)なことおきるたのは、迷(まよ)える何(なに)か、あるからなのかもしれないね。」


ふたりは打(う)ち解(と)けて、ほんのささいなことの、つみかさねから起(お)こり得(え)る利益(りえき)について語(かた)りつつ、強(つよ)い信念(しんねん)は形(かたち)になり、現(あらわ)れるという奇跡(きせき )についても、話(はなし)、交(か)わしていた。


伊織「白瀬(しらせ)という石(いし)は、音歌(おとうた)市(し)に伝(つた)わる風説(ふうせつ)によると、いろいろなお知(し)らせよこしてくれるらしい。」


葵「そうなのね。お知(し)らせはたいせつよね。いつも家(いえ)のポスト見(み)て、何(なに)かのお知(し)らせ来(き)てないか確認(かくにん)してるよ!」


伊織「きちんと確認(かくにん)しないと、いっぱいになっちゃうからね。」


葵「こちらの地域(ちいき)に広(ひろ)まった噂(うわさ)あるの。『確定(かくてい)したなら変(か)えたりしない』って、沢山(たくさん)唱(とな)えると、意志(いし)は信念(しんねん)になり、叶(かな)えたいこと叶(かな)えられる力(ちから)、増(ふ)えるらしいのよ!」


伊織「ええ!それは、百億(ひゃくおく)円(えん)当(あ)たるという祈(いの)りも、お星(ほし)さまとかに沢山(たくさん)お祈(いの)りしたら、かなえられるというのと、にてるのかな?」


葵「それにちかいとおもうよ。おんなしこと思考(しこう)して、何年(なんねん)も経(た)つと、本当(ほんとう)になるらしいの!」


伊織「やってみようかな!これから先(さき)いいことあると祈(いの)る!『確定(かくてい)したならかえたりしない!』」


葵「あはは、きっと叶(かな)うと思(おも)うよ!」


暮(く)れていくように日(ひ)は落(お)ちて、あかるい色(いろ)は消(き)えていき、暗(くら)い夜(よる)に成(な)り果(は)てる。ささやくように吹(ふ)き抜(ぬ)ける清風(せいふう)。


そんないいところしかない一日(いちにち)、快適(かいてき)な終(お)わり方(かた)していけたこと、良(よ)きことかな。


そんなひとときに、お礼(れい)の言(こと)の葉(は)書(か)き送(おく)り記(しる)す。



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