葵
久留里地方の、ことのはタウンにある、
きららテラスの、日向 葵。
そこにいられる暮らしの、やさしい寄り添いや快適さに、安心していられる日和の最中、色々な何かに惹かれていき、落ち着いた楽しい生活、繰り返していた。
帰れる家のある暖かい家庭。
部屋の中に居るときに、制作した歌、歌う。
いつか、ひとのこころにすんなりはいる、ここちよいうたになるように、制作していこうとして、構想練る。
ゆるやかなせんりつと、明るい性質の合わせ方に、苦悩していた。
そんなある日のこと。
ことのはタウンの空は、雨の時とは異なる色の雲に覆われて、花は、活き活きしなくなり、しおれたりしていく。不快な空気に、暗い思想は広くなり、不安な心地になる。
空の方へ視線向かせると、キラキラとした何かは、こちらへと進行してくる。そして、なにかわからないそれは、きららテラスの床へとおちた。
それは、小さい証の付いている、平型の光石。その石から読み取れたのは、そこに込められた熱意の雰囲気。
触れると、昔から知り得ているような、懐かしい音色、思考の中に入り込む。やさしい色は揺れて、不可解な気配に、引き込まれていくような感覚におちいるころ、聞こえてきたかすかな声に、寄せられて行く。
視界区域の範囲広くなり、辺りの確認すると、認識したのは何かなんて無い白い世界。何かのある気配のない背景。
シンとしたひそやかな音のしない閑静さ、いつの間にか、知らない所に居た。
しかし、人の囁く声は聞こえてきた。その相手は、すこし遠くに、現れた。
何かよく分からないこと、話している。聞き取れたのは、「歌の力」や「大切に」とかの用句。なにやら、この世界に、不穏な要素の不可解な空気は、広くなるにつれ、よくない成果、果たしているらしい。
そのなかにひとつ、ツンとしたきらめきの、星のような固形の物は、こちらの手のひらへと降りてきた。
「進展」「お守り」のようなかすかな声は、止まるとともに、その世界も消えた。
辺り見渡すと、元いたところにいる。
水深すいしんの色の丸い何かは、不穏な空気の気質の圧、辺りに広めていく。
すこしひらめいたうた、歌う。
ひらひら ゆらりと おちて きた
そうてい してない そのひ には
しらない ふかかい おそい くる
なにかの ひかりは なんな のか
やさしき こころに ひかる たね
果たして、これから先、なにしていると良いのか。
わからない、日向 葵。
外の道歩いていると、異質な何かに気、付いた。それは、かすかにゆらゆらと揺れる、円のような空気の層。いつもの風景の中、薄くて淡い色の輪郭のある異変。何かの知らせ、あるかのような、ささやかな変化。果たしてこれは、なんなのか。
気になり、すこし、触れてみた。
すると、あろうことか、吸い込まれていく。息はくるしくなり、闇に包まれたその時、手に持つ石は反応した。その石の速さに勢いよく、連れて行かれた先は、異界の地。そこに立つ一人の女の子は、栄華な衣服に包装されていた。
りかいの しかたは おおく ある
しらない ところへ きたよ ほら
ふかかい いろんな しそう する
ほんにち いへんの おこる ひよ
相手はお姫様のような衣服。
高価そうなよそおい。
そんな人は、話しかけてきた。
?「その石、『寄せ合い石』の『おとてらし』と言うの。音や歌と、明るい性質、探知して特定の何かと、引きわせるのよ。ここに来れたのは、運の良いこと。ここの明るさに、引き寄せられたのね。」
葵「………………。」
?「それなら、話は簡単。あなたのいたところの、よくない気質は強い反応、示してる、ということなの。」
葵「というと?」
?「その石、よくない気質のこと、遠くしてくれるのよ。『お守り石』、といわれていてね。たいせつななにかのこと、たからとして、守ろうとしてくれるの。」
葵「これ、おちてきたやつ。」
?「今は、あなたに必要みたい。
それ、大切にしておいて。」
葵「……。」
?「よくない気質の、様子は?なにか気になることある?」
葵「特に…ない。捜索してないし、分からない。」
?「それなら、平気ね。何かに困難あるようなら、おしえて。」
葵「よくない気質には、なにしたら良い?良い方へ、変えるには、必要なこと、ある?」
?「そうね…楽しくしていたら、そのよくない変化、遠くなるかな。よい気質は、明るい方へ引き寄せられるのよ。あなた…楽しくしていたらいいわ?」
葵「……楽しく……?」
?「あとは、いのりのちから、信用することよ。」
葵「……いのりのちから……?」
?「再会するといいわね」
その一言の後、その相手は消えて、いつの間にか、輪郭のある異変の前にいた。
なにかなんてわからないまま、帰宅して、かわりないこと確認した。これから先、なにか起こるようなら、何かしらの対応しないといけない。今回は、なにもなくて少し安心。
そうして一日は経過した。
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