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-虚蝉-  作者: 微睡みの白
Via vitae ~過去の影を踏みしめながら 未来の光を探す旅路 真理はその途中でふと現れる 風のように~
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斯くしもがも -幕間- IndianとYAMAHA

今回の話はほんの息抜きがてらに書いたものです。

とくに読まなくても大丈夫ですし、多少マニアックな話になってます。

ご注意ください。

突然だが思い返すとすこし辛くなってきたので時系列はむちゃくちゃだが別な話をしよう。


abuelo も爺ちゃんも私も知らない趣味が色々有ったと思うがふたりの共通の趣味がバイクだった。

ふたりとも乗るのも整備するのもカスタムするのも整備するのも大好きだった。

昔のまだ私が理解するには早すぎた世界で記憶もあやふやで自信がないが、

なんとなく分かる人にしかわからない世界の話をしていこう。

abuelo はアメリカのバイクメーカー、Indianを愛していた。

アメリカンバイクといえばハーレー・ダビットソンが圧倒的に有名だが、abuelo に言わせると

「アレは流行りものばかりで大雑把で面白くない。細部までこだわりを感じるIndianが楽しい」

らしい。

愛車は『Indian 741 Scout』

色は軍用らしくオリーブドラブ。製造年は1940年代だったと思う。

741とあるが排気量は500cc、軍用車両として使われたものでとにかく軽く扱いやすく壊れない。壊れてもメンテも楽。…らしい。

ハーレーのようなオーバーヘッドバルブ(OHV)ではなくサイドバルブ(SV)のフラッドヘッドエンジンを積んだバイクで一番の特徴はその操作。

大抵のバイクは右手がアクセルと前輪ブレーキ左手がクラッチ、右足後輪ブレーキ、左足ギア、となっているが、

アメリカンバイクで多いのは右手アクセル、左手で左のタンク横にレバーのあるハンドシフト、または左尻の後ろにレバーがあるジョッキーシフト、右足ブレーキ、左足のつま先を踏めばクラッチがつながってかかとを踏めばクラッチが切れるフットクラッチ。

しかしインディアンは違った。

《《左手》》アクセル、右手でタンクの右横に出てるハンドシフトとブレーキ、左足のつま先を踏んでクラッチ切って、かかとで踏んでクラッチつなげるハーレーとは逆のフットクラッチ。

もはや意味がわからない。今の私でも操作に戸惑うと思う。

abuelo と私が会い始めた頃はもう乗れる体力は無かったのか《《家の中に》》飾って有ったが、当時は何かと乗り回してどっか行ってたらしい。

abuelo 曰く軍の払い下げ品とか言ってたが本当かどうかは知らない。

他にもドヤ顔で色々語っていたがほぼ分からなかったし覚えてない。


その影響もあったのか無かったのか爺ちゃんもバイクに乗っていた。

爺ちゃんの愛車は『YAMAHA V-MAX』

スポーツバイクと言うよりはアメリカでよくやるような如何に直線を速く走り抜けるかを競うドラッグレース用のバイクに近い作り。

なのでホイールベースは長く、車高は低く、マッシブで存在感にあふれていた。

走らせるとスポーツバイクともアメリカンとも違う独特の音がしてある回転域に達するとVブーストと呼ばれるスーパーチャージャーを掛けたような驚異的な加速をしだす。

しかしパワーにフレームの方が耐えられないのかサブレームやら入れて何かと手を入れていた。

このV-MAXは爺ちゃん曰く、

「曲がらない、止まらない、軽くないの3重苦。」

らしい。それの何が良いのか聞いたら

「それがいいんだ。なによりかっこいいだろう?格好良いってのは大事なことだ」

と言っていた。

爺ちゃんがが乗っている姿はカッコ良かったが、たまにabueloを後ろに乗せてタンデムしてる姿は似合ってはいるのになんかシュールだった。

たまに爺ちゃんの後ろに乗せてもらったりもした。

乗り心地はあまり良いとは言えなかったが、後ろから見る爺ちゃんの乗ってる姿はカッコ良かった。

abuelo の741 Scoutと爺ちゃんのV-MAX。

見た目の方向性も違うけどどちらもロマンの塊だった。

そしてabuelo と爺ちゃん、どっちもバイクの事については頭がおかしかった。

どちらも生きる事を楽しんでたと思う。

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