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-虚蝉-  作者: 微睡みの白
Via vitae ~過去の影を踏みしめながら 未来の光を探す旅路 真理はその途中でふと現れる 風のように~
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斯くしもがも 7



いつもの学校。


グループごとに固まってなにか話しているクラスメイト。


私の席の周りに空白。


『うん、いつも通り。』


そう思って今日も私は本を開く。


本は良い。周りの喧騒も現実も忘れて没頭できる。今日の本は色んな作家さんが書いた作品を集めた短編集。


ひとそれぞれの理念があり、目線が有り、色があって私の知らない目線での描写にハッとさせられることも多々有り、私は好きだった。


読書に没頭していると日直の号令に教員が来たことに気付き、急いで周りに合わせる。


爺ちゃんの学力は力!ってのを信じて私は真面目に授業を受ける。


最初は真面目にノートにわかりやすく丁寧に書き写していたが、授業の速度にノートの写しが間に合わなくなり、段々と汚いノートになっていく。


そんなノートでは後から読み返してもいまいち何処のことを差しているのか、何ページなのかわからなくなってしまい、ノートの意味がない気がしてきた。


『ノートと教科書、別々にあるからわからないのでは?』と思い立ち、授業の内容をとりあえず取捨選択せず、すべて対応する教科書のページの余白に走り書きしていく。


真っ黒になる教科書。でも私だけが読めたら良いので気にせず書き込んでいく。


そんな授業を受け方をして数日後、以前の振り返りをしようと教科書を開く。


あるのは余白が真っ黒になった教科書、しかし不思議と授業の内容が頭に思い浮かび、とても復習に役立った。


『これアリなのでは?』と手応えを感じその学習法を次のテストまで続けると少しだけ成績が良くなった。嬉しくなった私はそれ以来この学習法を続けた。


しかし困ったことが一つあった。


たまに来るノート提出。


教員がちゃんとノートを取っているか確認するアレだ。


確かにノートは取っていない。


「後ろからノート回収してきてー。」


授業終わりに教員の声がする。


「端白くん、ノート無いの?」


私の前の席のクラスメイトが声を掛ける。


「ノートないからそのまま前に渡していいよ。」


怪訝な顔をされながらノートを前に回していく。当然のちほど職員室に呼ばれる私。


「お前、ノート無いけどどうして出さないんだ?」


「授業内容を教科書に書き込んでいるのでノートつかってないです。」


「は?ノートは取れよ。勉強できないだろ。」


「ノートを取っていると授業スピードに間に合わないんですよ。教科書に書いたほうがあとから見やすいですし。」


「いや、みんなノートとって勉強してるだろ。おまえだけ何勝手なことしてるんだ。ちゃんとノートを取れ。」


「大事なのはノートをとることじゃなくて、授業をちゃんと理解することじゃないんですか?」


「だから理解するためにノートは必要だろうが!ノート取るのがだるいからって屁理屈ばかり言うな!」


とうとう怒り出す教員。結局、


「今度回収するときまでにノートは取っとけ!」


と一方的に話を切られ、職員室から追い出された。


納得いかないまま、私は職員室を後にする。それからも私は教科書に書き込んでノートは取らない方針で授業を受け続け、ノートの回収も拒否した。


きっとその教員には私はひどく生意気な子供に見えただろう。


私も大人しくノートを取る学生生活を送り、角を立てず、皆に従えばもっと華やかで楽しい学生生活も、友達も出来たかもしれない。


しかしそのせいでテストの点が落ちるのが私は怖かった。


テストの点が悪いと家に居る男が腹を立て私を竹刀でボコボコに殴るのだ。


以前、あまりに色々なテストの点数が悪く、竹刀が折れるまで叩かれ続け、しばらく動けないまでやられたことがあった。


そういう恐怖もあり絶対にテストの点数は()()()落とせなかった。


それゆえに私は頑なに勉強法にこだわった。


その後テストの点数自体は90点を下回らない様に勉強したがその教科の通信簿の点数は5段階中2を付けられ続けることになる。


通信簿を見せた私は当然、男にボコボコにされた。


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