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ファーストコンタクト

モノリス 公安課、地方会議室にて。



ピー ピピッ ピピピ...


「困ったな...パスワードはあっているはずだけど...」

「それ、公安課の人5人以上に承認されないと開かないぞ。 ほら、承認してやるからあと4人承認してくれる人探しな。」

「......でもこの支部、先輩以外の公安課は2人しかいないじゃないですか?」


「.......ああ、俺も開けられなくて困ってた。」


ヴヴ...

『公安課本部 より、4件の承認届』


「....運が良かったな、たった今承認が本部から降りた。お前が連絡したんだろう?」

「いえ、僕は何も...」


扉の軋む重たい音と、金属の擦れる耳障りな音が鳴り、発展科のとある支部にて、資料金庫が人知れず開けられた。


ように思われた。



アンモノリス、地下2階作戦計画室


「データ改竄は終わった。どうだ、開けたか?」

「たった今金庫が開かれた!背中で資料が隠れているが、タイトル部分は...”鎮圧部隊投入について”と書いてあるように見える」

「鎮圧部隊?どこに投入すると言うんだ?」

「わからない、ただ... 鎮圧部隊には先日音信不通になった”ハンク”がいるはずだ、どうにかしてコンタクトを取らなければならない。 一大事になる前に。」




駅の金網にぶつかる落としもののカギの音で目を覚ます。

あと2駅でアンモノリスの基地のある地上に出るところだ。

少し歩きたい気分だが、徒歩で地上には上がれないため、渋々だが痛む腰を座席にまた落ち着かせる。


ジジッ...


「すまない、レインだ。今この通信は全てのアンモノリス組織員に流している。 モノリスの鎮圧部隊に潜入捜査中の”ハンク”がしばらく音信不通だったが、彼の自宅から

”オモチャのトランシーバーが壊れたようだ、甥っ子が悲しんでいる、また買ってやらなくてはな。

あの子は強いから戦いごっこになったらこちらも本気を出さなければ。”

と書かれたメモ書きが発見された。おそらく通信機器が壊れた、そして戦闘になるのでこちらもそれなりの兵力を用意しなければいけないと言う意味だろう。 急遽、本部の位置を変えなければ全員お縄になる。戦闘の準備を念の為頼んだ。武運を祈る。」


「.......冗談じゃないな。」




『ロックハート・ハンク』、彼はアンモノリス内でTOP5に入るほどのやり手である。戦闘能力も潜入能力も一級品。苦手なことといえば小さい声で話すことくらいである。

頭はいいと聞いている。大きなミスはあり得ないだろうが、通信手段もなしにどう連絡を取るのだろう。




ガタン ガタン ガタン ガタン


ギィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!

あまりに唐突なブレーキに身体を強く打ち付け、困惑を振り払って刀に手をかける。


電車の前、地上と地下の境目で止まった電車の前に立ちはだかっていた男。


目を合わせるなり軽く柵を飛び越え、線路を出て行った。


男の腕に微かに見えたワッペン。


モノリス管轄内、ひいてはαメビウス内最高戦力の一つである、”チェイン”のロゴがくっきりと残像を残していた。



『予測外の事態が発生いたしました。緊急停止による電車内の揺れにつきまして、深くお詫び申し上げます。』



およそ2分後、再出発した電車内は少しのざわめきに包まれていた。


口元の肌が荒れて痛い。


次からおそらく週1更新です。水曜日か木曜日。

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