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僕と俺の目指すモノ  作者: しょう
4/12

プロローグ 主人公視点 融合

この話でプロローグ終了です。

「おい! 悔しくねぇのか!!」


 暗い意識の底で声だけが聞こえてくる。

 死んだと思っていだが、どうやらまだ生きているようだ。


「チッ、やっぱ聞こえねぇか」


 独り言のような声が聞こえた。


 いや、聞こえているよ


 反射的にそう答えていた。

 だが、そう声に出したつもりでも、声が出ていなかった。


「聞こえてたんなら、返事ぐらいしやがれ!」


 どうやら、この謎の声には聞こえているようだ。

 初めて聞く声だが、なぜだか俺には安心感があった。

 聞きなれた声のような、感じ慣れた感情のような、そんなものを感じる。

 

「てめぇ、まだ死んでねぇみたいだな」


 とりあえず、この謎の声に不快さを感じなかったので、話をしようと思った。

 そうみたいだね、と返事をした。


「てめぇ、悔しくねぇのか?」


 なにが?

 この声の言いたいことがわからない。


「だから、あの太った野郎にいいように遊ばれて悔しくねぇのかって聞いてんだ!」


 なんで、ご主人さまのこと知っているの?


「てめぇの記憶を覗き見た。なんで、そんなことが出来たのかは知らねぇ」


 そうなんだ。

 君がそう言うなら、僕の記憶を覗いたってことにしておくよ。


「なんか腹立つ言い方だな……。まぁいい。てめぇもう一回聞くが、悔しくねぇのか」


 正直に言うと、悔しいよ。

 でも、あの人は太っていて凄く醜いけれど、でもあの人は僕の主人なんだ。

 

「主人ねぇ~。てめぇの記憶をあらかた覗いたが、お前、その主人の顔覚えてねぇだろ。なんとなく醜いと思っているから、醜いとは感じているようだが……。あと奴隷仲間の顔もあんまり覚えていねぇだろ。」


 そ、それは……。

 

「お前が誰の顔も覚えてねぇ理由を教えてやろうか」


 な、なに?


「誰も助けてくれなかったからだ」


 ……。


「小さいころから痛めつけられてるのに、おめぇの周りの奴隷どもは誰も助けちゃくれねぇからだ。心底自分勝手なやつだよな、てめぇ。豚主人の顔を覚えてねぇのは分かるが、同じ奴隷仲間の顔を、同じく苦楽を共にしている仲間の顔を覚えてねぇんだから」


 そうだね。

 誰も助けてくれなかったんだよ。

 自分勝手だっていうのは、分かってる。

 でも、少しぐらい助けてくれてもいいじゃないか!

 辛かったんだ! 痛かったんだ!

 だから、助けを望んだっていいじゃないか!


「それで結局、自分から助けを呼びもしないまま死にかけてるのか、てめぇは」


 助けなんか呼べるわけないだろ。

 みんな必死だったんだから。


「じゃあ、これからどうすんだ?」

 

 逃げたい……。


「逃げたい? そんなあまっちょろいことでいいのか? もっと思う事があんだろ?」


 やりかえしたい……。


「やりかえしたい? 誰に?」


 あの豚とあれに従っている豚共に


「それだと奴隷仲間はどうするんだ?」

 

 関係ない! 

 僕のことを助けもしてくれなかった奴らなんかどうでもいい!


「やりかえすって言ってたが、なにをする?」


 殴りたい……。


「殴る? まだ甘いなぁ……」


 ……したい。


「あ? 何だって?」


 殺したい!

 僕を助けてくれなかった、あの屋敷にあるすべてを壊したい!

 人も物も全てを!


「いいねぇ、なんなら俺も手伝ってやろうか」


 あん? どうやって?

 

「てめぇは、表の顔になるんだ。そして、俺が裏の顔……。いわゆる、二重人格のように意識を入れ替えるんだよ。」


 そんなことして何になる?

 そもそもそんなこと出来るのか?


「出来るさ。証拠に俺たちの意思の疎通ができてんじゃねぇか。あと、何になる? って質問だが、面白そうだからだ! 俺の身体はどこにもねぇ! 記憶もぼんやりしてやがる……。でもなぁ! どうしようも出来ねぇ怒りがある! お前に似た怒りだ……似た感情を持つお前の行きつく先に興味がある! それだけだ」


 興味がある、面白そう、か……。

 いいよ。ついてきたければ、ついてきて。

 君に僕の行きつく先を見せてあげるよ。


「交渉成立だな。俺は、お前の一部になる。どうしようもなくお前が怒りを感じたときにお前の感情の表層に俺が出てくるはずだ。俺もただついていくだけじゃ面白くねぇからな。変われそうだったら、積極的にお前の身体を奪いにいってやるよ。」


 ああ、奪えるものなら奪ってみなよ。

 

「その言葉、忘れんじゃねぇぞ」


 そう言葉を残して名前のない誰かの声は消えていった。

 それと同時にご主人さまやその周りへの怒りがスッと収まった。

 そのことに不思議に思いつつも、自分の意識が身体へ浮上するまでの間、これからどうするかを考えながら待つことにした。


ここまで読んでくださった方ありがとうございました!

私の書き方が下手な為、ここまでプロローグを引っ張ってしまいました。

次話は、忘れなければ明日更新します!

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