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第031話 攻撃魔法

 

 翌日、私たちは朝からゲルダン渓谷に来ている。


「じゃ、優里さん。光の攻撃魔法の訓練を始めよう。」

「はい。」

「昨日の魔力を放出した感じは覚えているかい?」

「はい、もう魔力のコントロールは出来るので意識して出来そうです。」

「じゃ、取り敢えずやってみて。あ、威力は弱めでね。」

「はい。」


 私は100mほど先にある大きな岩に向かって、昨日の感じで目に魔力を集中させた。


「あ、グレイザさん、上手く出せそうです。」


 行きますよ!

 とりゃーーー!


 ドン……


「上手く行きました! 大岩に穴を開けました!」

「そうだね。30cmくらいの穴か。魔力コントロールは出来てるね。」

「これで私も魔法使いですね!」

「いや、違う。」

「え?」

「今のは魔法では無いよ。」

「え? だって穴を開けましたよ。」

「うん。でも魔力の塊をただ放出しただけだから。」

「え? 魔力を放出するのが魔法なんでは?」

「違う違う。」

「え?……どういうことです?」

「魔法は、イメージをした現象を魔力を使って引き起こす。ということ。」

「どういうことです。」

「今優里さんがやったのは、ただ石を投げるのと同じことを魔力でやっただけだよ。魔法は、簡単に言うと火をおこしたり水を出したり……魔力でイメージした現象を実現させるということなんだ。優里さんは光魔法のスキルがあるんだから、光を使うと少ない魔力で大きな効果を起こすことが出来る。」

「あっ、なるほど。そういう事ですか……わかりました。」

「何か、光でイメージできるかい?」

「うーん……わかりました。ちょっとやってみます……」


 ーーーー


 優里さんは、ちょっと考え込んだ後、おもむろに人差し指を岩に向け叫んだ。


『優里さんビーム!』


 え?


 優里さんの人差し指の先が一瞬光ったと思ったら、目の前の岩に小さい穴が開いた。直径はちょうど優里さんの人差し指の太さくらい。


「こ、これは?」

「取り敢えず、レベル3の高出力レーザー兵器をイメージしてみました! これ魔法ですよね!」

「うん……そうだね……いや、ビックリだ。驚いた。レベル3のレーザーナンチャラってのは知らないけどすごい……」

「本当はビームは厳密には光じゃ無いんですけどね。」

「いや、それも良くわからないけど……」

「じゃ、次行きます。……もっと細く……ほそーく……絞って絞って……」


『優里さんカッター!』


 優里さんは腕を左下から右上へ振り上げた。

 その腕の動きに合わせて光が扇状に一瞬光って見えた。


 ズ……ズズズズ…ズズーン……


 岩の上半分がズレて落ちた。


「やったー!」


 絶句……

 これは凄すぎる。

 地球人チートすぎでしょ?


「えっへーん、どうです?」


 ゆ……優里さん、凄いよ! ……いや、ホントに……


 素質有るなんてレベルの話では無い……

 私は完全にあっけに取られていた。


「グレイザさん、次はどうしたらいいんです?」

「ああ、じゃ、多重起動してみようか。さっきのビームなんとかを複数同時に発射してみて……」

「はい! 了解です!」


 優里さんは、別の岩に先ほどと同様に指先を照準して叫んだ。


『優里さんショットガン!』


 優里さんの指先が光り、一瞬で岩に数十、いや、数百の穴が穿った。


「こんな感じですか?」


 うーん。優里さん……


「光魔法適性のあるペンゴア人でも、こんなすぐに出来る人は居ないんですが……」

「そうなんですか?」


 そうだよ。

 しかし、イメージが正確過ぎる。


「これって、もしかして地球にはあるものなの?」

「高出力レーザーとかショットガンとかイメージしたんですけど……どちらも既にありますよ。」

「そうなのか……地球の科学力って……でも防衛省では見たこと無かったけど……」

「軍事機密ですからね。日本で一般人は銃を持つことが出来ませんし。」

「うーん、そうか。優里さん、素晴らしいんだけど、逆にちょっと固定観念が怖いな……」

「どういうことです?」

「今のを見てると、全部直線的な攻撃だったよね。魔法はもっと自由にイメージしていいんだよ。例えば、ルート様の魔法にこんなのがある。」


 グレイザはオーガマンに一瞬で変身して唱える。


『バインドケープ』


 すると、グレイザの前に光で出来た四角い大きな布が突然現れ、そのまま大岩まで飛んで行き巻付き包み込んだ。そして段々小さくなって消滅した。その場には大量に砂が残されていた。


「え? 何ですか? 今の……」

「光で出来た網で包んで圧縮破壊する魔法だよ。まぁあまり使いどころは無いけどね。」

「え? そんな事が出来るんですか? 全く光の特性を無視した効果って……」

「ん? 光の特性って?」

「私たちは光の特性として、直進するとか、一定の速度で進むとか……学校で習いますけど。」

「うーん……それは特定の条件下だけの話だよね。もっと自由度は高いよ?」

「た、確かに、重力で曲がるとか、水中では遅く進むとか、波と粒子の動きをするとかありますけど……こんな布みたいに巻き付くとか……光が物理的な影響を与えるとか想像できないです。」

「ん? 物理的って? さっき岩に穴開けたり切ったりしたじゃない。」

「だって、あれは高出力レーザーだから……あぁ、あれは物理的な攻撃なのか……」

「そうだね。ちなみに光魔法は物理的な攻撃と魔法的な攻撃のどちらも与えることが出来る。どんな魔法でもそれは同じ。」

「優里さんがさっきまでやったのは全て物理的な攻撃だね。私がやった《バインドケープ》ってのは実は物理的な攻撃ではなく魔法的な攻撃なんだ。だから相手が魔法防御に優れているとレジスト、つまり効果を与えられなかったりする。」

「あ、そうなんですか。じゃ、私のビームの場合は物理防御で無効にされてしまうのか……」

「そういうことだね。あと水魔法で拡散させられたりね。でも、要は使い方だから。レジストする余裕もない速さで撃てば有効だよ。」

「はい。」

「他にも光魔法には、相手の周りだけ暗くするとか、虚像や残像を見せるとか、魔法的な魔法?もあるしね。」

「なるほど……ファンタジーですね!」

「これからの優里さんの課題は《イメージ》だね。

 もっと自由に。

 光はそんなに不便なものじゃないと思うよ。

 可能性は無限大。

 まずはそれを踏まえて訓練していこう。」

「はい!」


 ーーーー


 その後、グレイザさんにルート様の様々な光魔法を沢山見せてもらって、それを習得することを目標に訓練の日々を過ごした。


いつも読んでいただきありがとうございます。

連休明けはしばらく不定期更新になりそうです。

頑張って何とか毎日投稿を目指します。

今後とも宜しくお願いします。

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