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周泰  作者: 涼風隼人


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第5回 周泰、秣陵城の戦いで活躍をする

 孫策は「この勢いは止めるべきではない」、と即日今度は「秣陵城」に狙いを定めて進軍した。

 

 偵察の話では、秣陵城では劉繇の配下であった「張英」が敗残兵を吸収して、孫策と戦う姿勢を示しているという。

 孫策が言う。

 「朱治、張英なる将はいかなる者か。」

 

 「はい。私の聞いているところでは、劉繇軍では優れた将であり、その武は侮れないものかと。」

 

 「わかった。それでは、正面から堂々と戦おう。」


―翌日―

 張英軍は、城より出て陣を築いていた。


 孫策が言う。

 「ありがたいことに張英は、私と野戦で戦ってくれるらしい。」


 朱治が言う。

 「油断は禁物ですが、城に籠られるよりは、こちらとしてはありがたいことですな。」


 「ああ。朱治、この間の牛渚の塞の戦いで活きのいい新参者が二人いたな。」


 「はい。周泰と蒋欽です。」


 「そうか。今回は、その二人を私の側に置くように。どれだけの腕なのか、直接見たいからな。」


 「・・・。畏まりました。しかし、あの二人はまだ入ったばかりでございますぞ。」


 「構わない。我が軍は、出自も身分も関係ない。実力があれば、登用する、それだけだ。」


 「わかりました。」


 朱治は周泰と蒋欽を呼び出して言った。

 「孫策様が直々に、お前たち二人を側に付けよ、と命じられた。孫策様は単騎飛び出していく故、今回は騎乗を許可する。遅れを取らず、ついていくのだ。そして万一が起きない様に最善を尽くして戦え。」


 周泰と蒋欽はすぐに孫策の下に向かった。孫策が言う。

 「周泰と蒋欽、お前たちの牛渚の塞での活躍、見事であった。今回は私の側で戦え。私は速いぞ、遅れずについて来い。」


 二人は拝礼した。


 孫策が言う。

 「皆の者!城外の敵を一網打尽にして、さっさとこの秣陵も頂こうではないか!我々の勢いの前に、敵はおらぬ!」


 兵士たちが雄叫びをあげて答える。士気が十分に高まった。


 そして、号令が出る。

 「全軍、出撃!」


 孫策は先頭にたって敵陣に突撃する。周泰と蒋欽は、孫策の少し後方、左右に分かれてついていく。


 張英軍も出撃してきた。


 孫策は槍を振り回し、襲い掛かってくる敵兵を次々と撃殺していく。周泰と蒋欽も、負けまいと槍を振る。


 この先頭をものすごい速さで駆け抜ける三騎に張英軍はたじろぎ、早くも後退の様子を見せて、城内に逃げ込んだ。


 緒戦は孫策軍の圧勝であった。


 孫策が言う。

 「周泰、蒋欽。これからは、幼平、公奕と呼ばせてもらおう。騎乗での戦いにも、十分慣れているようだ。ひとまずは、お前たちには今後、一〇〇人を率いてもらうことにする。」


 二人は拝礼した。そして、孫策は続ける。

 「さて、これからの戦いではあるが、張英はしばらく外には出てくることはあるまい。これを、どう叩くか。」


 この発言は参謀の朱治に向けられたものと思い、二人は黙っていた。すると、孫策が言う。

 「幼平、公奕。お前たちに聞いているのだ。何か策は無いのか。」


 一呼吸おいて周泰が答える。

 「もし、張英が籠城を決め込んで、数日待っても動きが無いようでしたら、夜襲を仕掛けるのは如何でしょうか。」


 「夜襲か・・・。敵もそれは警戒しているであろう。」


 「はい。まずは南門に攻撃を仕掛け、そこに応援に駆け付けて手薄になるであろう、真裏の北門に別動隊を潜入させるというのはどうでしょうか。」


 孫策が言う。

「朱治、どう思う。」


 「張英軍の士気が緩んだところで仕掛けるのであれば、成功の可能性もありましょう。」


 「そうか。その別動隊、お前たちに任せるがいいかな。」


 蒋欽が答える。

 「もちろん、俺たちにやらせてください。盗賊や山賊との戦いで、崖などをよじ登ることには慣れておりますので。」


 「わかった。決行日は私が決める。常にすぐ出動できるよう準備を整えておくように。」

 二人は拝礼して退出した。蒋欽が言う。


 「幼平よ。お前が作戦の提案をしたのには驚いたぜ。」


 「無い知恵を振り絞ったまでだ。俺かお前が何か言わねばならぬ雰囲気だったではないか。」


 「確かにな。それにしても、俺たちの提案で動くなんて、大将も肝が据わっているよな。」


 「参謀の朱治様が同意したのが決め手だろう。」


 「まあ、それはそうだろうな。あとは、やるしかない。」


―数日後―

 張英は予想通り、籠城に徹して、城外に攻め出てくる気配は全くなかった。


 孫策の方でも、決め手にかける日々が続いた。


 そして、孫策から伝令が来た。

 「今夜、決行する。」


 夜になった。


 孫権軍の主力が、南門めがけて火矢の攻撃を始めた。


 張英軍も応戦してくる。それなりに、激闘となった。


 ここで、周泰と蒋欽の別動隊二〇〇人が北門にゆっくりと近付く。予想通り、北門の兵は南門の応戦のための応援に駆り出され、その数はかなり減っていた。


 周泰と蒋欽は、ゆっくりと城壁をよじ登る。それに部下たちも続いていく。息を殺して、音をたてぬよう、ゆっくりとそして確実に一歩一歩、登っていく。


 「よし!」

 周泰と蒋欽が城壁を登り切り、城内への侵入に成功した。


 敵兵は慌てふためいている。


 二人は剣を振り回し、敵を次々に討ち取っていく。


 部下たちも遅れまいと、奮闘している。


 そして一気に、南門を、目指す。


 門の守備兵も、まさか後ろから敵が来るとは思っていなく、慌てふためいたところを討ち取られた。


 そして、南門を開けて、城内に本隊が突撃してきた。


 秣陵城の陥落であった。


 張英は応戦したが、あっけなく討ち取られその命を終えた。


 孫策軍の大勝利であった。

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