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周泰  作者: 涼風隼人


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第36回 周泰、武昌太守として赴任する

 周泰が武昌に赴任する当日、何と孫権自らが見送りに来た。

 

 孫権が言う。

 「色々と任せてしまって申し訳ないが、諸事、よろしく頼む。水軍改革、水陸連携の強化は、引き続き公奕と共に頼むぞ。」

 

 「私の様な者にお気遣いいただき、ありがとうございます。」


 「幼平がいなければ、私は既に命を落としてこの場にいなかったかもしれない。本当に、感謝している。」


 「もったいないお言葉。幼平、生涯忘れませぬ。」


 「武昌での一切は幼平、お前に任す。やらなければならないと思ったことは、躊躇なくやれ。そして、相談ならいつでも私自ら受けよう。」


 「信頼にお応えできるように精進致します。」


 親衛隊長に就任した朱然が言う。

 「幼平殿の様な凄まじいほどの活躍が出来るかわかりませぬが、私も精一杯命を懸ける所存です。孫権様の事はどうか、ご心配なく。」


 「義封殿の事は、全く心配しておりません。それではまた。」

 

 こうして、周泰は武昌へと向かった。

 

 武昌に到着すると、蒋欽が出迎えに出てきた。

 「幼平、いや、太守様か。この武昌は、関羽との国境線だ。いまは小康状態が続いているが、いつ何があるかわからない場所だ。覚悟しとけよ。」

 

 「公奕、お前のことは頼りにしている。孫権様も公奕と引き続き水軍改革と水陸連携の強化に取り組むように言われている。」

 

 「そうだな。幼平が太守様なら、調練も今まで以上にやりやすくなるだろう。俺が水軍、幼平が陸軍という組み合わせで調練すれば、飛躍的に水陸の連携は良くなりそうだ。」

 

 「それならばいいのだが・・・。まずしばらくは、城内、その近辺の巡察を行い、必要なことに対応をしていこうと思っている。」

 

 「俺が出来ることがあったら言ってくれ!まあ、水軍をほっておいていいわけではないのだがな。」

 

 「ああ。またお前と働けることを嬉しく思う。」

 

 「俺もだ。お互い頑張ろうぜ!」

 

 周泰は、まず、徹底的に巡察を行った。かつて、若かりし頃の孫権と行った皖城での経験が役に立つときが来た。

 

 周泰は、とにかく民と接することに重きをおき、色々な意見を取り入れ、対応すべきは対応し、検討すべきは検討をした。そういう姿勢を民はよく見ており、着任早々、人気は上々であった。

 

 民政の強化を行いつつ、この武昌は「軍事拠点」としても非常に重要な場所である。荊州問題が爆発すれば、最初の戦場になりかねない場所である。

 

 今のうちに、城壁の綻びの修繕や更なる強化、より多くの兵が来ても困らない様に兵舎の増改築を行うなど、周泰は休むことなく、必要なことを次々と行った。

 

 周泰が太守になってから、武昌は民の生活の場所としても、軍事拠点としても、その充実度は日ごとに増していった。

 

 親衛隊長の周泰が、重要拠点である武昌の太守になるというときに、心配した者たちも多くいたが、孫権は周泰の行政官としての才能もあることを見抜いていたのである。


 こうして、周泰は武昌での治績を積み重ねていくのである。

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