第3回 周泰、蒋欽と仕官をする
「幼平、俺は決めたぞ!」
いきなり言ってきた蒋欽に周泰は聞き返す。
「何を決めたというのだ?」
「孫策だ!俺たちが仕えるのは孫策しかおるまい。」
「確かに・・・。孫策は今伸び盛りな上に、兵数を増やすことに躍起になっている。俺たちが行けば歓迎されるかもしれんな。」
「そうだろ!さあ幼平、孫策の所に向かうぞ!」
この頃の孫策はまだ、本拠地と言える場所を確保していなかったが、進軍しながらその兵力は急速に拡大しつつあった。
現在は、呉郡の曲阿を本拠地としている「劉繇」を攻めるために、進軍中であるとの話であった。
二人は早速、その進軍中の孫策軍に向かい、仕えたい旨、申し出た。すると、一人の男がやってきた。「朱治」といい、孫策の参謀格をつとめている。朱治が周泰たちに言う。
「我が軍に参加したいというのはお前たちか。」
「はい。周泰と蒋欽と申します。」
「周泰と蒋欽・・・。この辺りの盗賊や山賊を討伐して回っている二人組か。」
「はい。民のためにできることとして、取り組んでいました。」
「なるほど・・・。相当の腕と聞いておるが、期待して間違いないか?」
蒋欽が答える。
「俺たちは、盗賊と山賊相手とは言え、͡この数年間、毎日のように体を張って戦ってきた。期待してもらって構わないぜ、旦那。」
「ふふふ・・・。若いとはいいことだ。よかろう、周泰、蒋欽。お前たちを別部司馬に任命してやろう。部下もそれぞれ、一〇名程だが付けよう。孫策軍の一員として、励めよ。」
二人は、朱治に拝礼した。蒋欽が言う。
「幼平よ。盗賊、山賊狩りも無駄ではなかったな。」
「ああ。いきなり役職がもらえるとは思っていなかった。」
「それに、一〇名とはいえ、部下も持った上官だ。これはしっかり働かないとな。」
「そうだな。あとは 公奕、もう自分だけの命じゃない。部下を持つとはそういうことだと理解して、行動をしなければならない。」
「おう、そうだな。自分一人の失敗が全員を巻き込むかもしれん、ということは自覚して行動するぜ。」
こうして、周泰と蒋欽は孫策軍の一員となり、戦の場となる曲阿に向かったのである。




