第2回 周泰、蒋欽と旅立つ
―三ケ月後―
血塗られた集落の復旧に何とか目途がついた。
多くの者が亡くなった事実は変わらないが、それでも、思っている以上の住民たちが事前に避難をしており、それなりの数の人々が無事だった。
蒋欽が言う。
「幼平よ。どうだ、ここらで旅に出ないか?」
「そうだな・・・。ここから先は、住民たちの力でやっていけるであろう。」
「よし、ならば出発だ!」
周泰と蒋欽が旅立とうとすると、集落の主だった者たちが見送りに出てきた。そして涙ながらに礼を述べ、多くはないが旅の役に立ててくれ、と金子を差し出してきた。
周泰は断ったが、何度も断るのはかえって失礼だ、と蒋欽が受け取った。
集落の者たちは、二人の背中が見えなくなるまで見送った。
蒋欽が言う。
「幼平よ、今後の話だが。」
「ああ。今後、どうするつもりだ?」
「俺は二つ考えている。」
「聞こう。」
「まず、各地域を回って、盗賊や山賊の被害に困っている人々を助ける。」
「もう一つは?」
「もう一つは、どこかの諸侯に仕官して軍に入る。」
「仕官か・・・。」
「ああ。俺は、どちらかだと思っている。幼平は何か考えはあるか?」
「いや・・・。しかし、仕官は時期尚早の様な気がする。」
「そうか?仕官するなら、早い方がその分、栄達も望めるんじゃないか?」
「確かに、な。だが、今、俺の中でこの人に仕えてみたい、というのは思いつかん。」
「そうか・・・。一番でかい勢力は、寿春を押さえている袁術だよな。しかし、そういうところに言っても、あしらわれるだけか。」
「おそらくはな・・・。今しばらくは、民の為に働きたいように思うが、どうか。」
「いいぜ。じゃあ、しばらくは各地で人助け、といこう。そして、英雄現れる!と、なったら仕官を考えよう。」
「いつも、俺の意見ばかり優先してもらってすまんな。」
「いいってことよ。さあ、行こう!」
こうして周泰と蒋欽は、生まれ故郷の揚州を中心に、まずは旅をすることに決め、山賊や盗賊の討伐を行った。
そして、そうこうしているうちに、運命の出会いがやってくるのである。




